いぬおさんのおもしろ数学実験室

おいしい紅茶でも飲みながら数学、物理、工学、プログラミング、そして読書を楽しみましょう

物理

書籍『テンソル 科学技術のために』紹介

ここのところ、ずっとこれを読んでいます。全部で202ページ、そのうちの182ページまでたどりつきました。素晴らしい本でした。一般相対性理論に必要なテンソルの勉強です。 テンソル(石原繁 著) 科学技術のために 作者:石原 繁 裳華房 Amazon Amazonのレビ…

一般相対性理論を勉強する

ぼくは専門が数学なので物理のちゃんとした大学教育は受けておらず、1年生の時に多分理系で物理をやるための基礎みたいな内容の「物理学Ⅰ」、「物理学演習Ⅰ」(正確な科目名は忘れました)に出ていただけです。高校では物理は得意で、一番好きな科目でした。…

コンデンサの回路の過渡現象で流れる電流の向きの決め方

久しぶりに物理の問題を。ぼくが高校生の頃からよく迷っていたことです。きっとぼくの他にもいるはずです。 物理には過渡現象(かとげんしょう)というのがあります。回路などでスイッチを入れてから短い時間(0.1秒とか)の間に電流がどう変化するか、そん…

曲線座標系で自然基底を求める

としましょう。これはいつもよく使っている直交座標(いつものx、y座標)と極座標(原点からの距離をr、x軸から左回りに測った角がθ)の間の変換の式なのでした。偏導関数を求めておきます。 今、ベクトル2本を次のように定義します。 これはそれぞれr…

計量テンソルとは何か

例を用います。平面の極座標を考えましょう。 x = r cos θ、y = r sin θ というものでした。偏導関数を求めておきます。 これらを成分に持つ、次のようなベクトルを考えます。 これは後で使います。 平面上でごく近い2点間の距離を求めます。 ①から②までは全…

連立3元1次方程式を解く(アインシュタインの規約を使う)

3元連立1次方程式を解きます。行列で次のように書きましょう。 成分で書いておきます。成分の添え字は行を上付き、列を下付きで書きます。前々回の続きです。 www.omoshiro-suugaku.com あるいは とも書けるのでした。アインシュタインの規約を使っています…

アインシュタインの規約とは何か

3次の正方行列A、Bを考えます。成分は以下の通りだとしましょう。 積ABを考えます。積の定義によると つまり、 ということです。 この添え字ですが、みんなで約束しておけばどこに書いてもよいので例えば行列Aの i, j 成分を のように表しても問題ないはずで…

万有引力の法則から惑星の軌道は円錐曲線になることを導く

ここまでで惑星の運動について調べ、動径方向の運動方程式、面積速度一定の法則などを明らかにしてきました。 www.omoshiro-suugaku.com 次は上の記事にある式です。 rを時間で微分して、 さらに時間で微分して これを①に代入します。②も使います。 よって …

書籍『物理のための数学 』紹介

今読んでいる『キーポイント力学 (物理のキーポイント (1))』(吉田春夫1996岩波書店)の巻末に力学の本が紹介されています。参考文献というのではなく、著者が「この分野を勉強するならこの本を勧める」みたいな感じに書いています。そのうちの1冊です。 ぼ…

万有引力の式をケプラーの法則から導く

前回、中心力の仮定とケプラーの第1法則(惑星は楕円軌道を描く)から万有引力が距離の2乗に反比例することを示しました。 www.omoshiro-suugaku.com rは焦点からの距離、mは惑星の質量、hは面積速度の2倍(面積速度はh/2でした)、l(小文字のエ…

万有引力は物体までの距離の2乗に反比例することを導く

楕円 は、極座標で書くと となります。ここで各変数は なのでした。図は下の通りです。 です。F、F’は楕円の焦点です。 もうひとつ、準備。前の記事を参照してください。 www.omoshiro-suugaku.com というのがありました。⑦は動径方向の運動方程式です。⑨の…

中心力のもとで運動する物体の面積速度は一定である

中心力とは、空間内の点Pに働く力で常に定点Oを向いているものを言います。物体に中心力しか働いていないとき、その物体の面積速度は一定です。面積速度とは単位時間に線分OPが掃く面積です。中心力が動径OPの長さの2乗に反比例しようが、OPに比例しようが、…

運動エネルギーを表す式を求める(追加)

物理を勉強するみなさんは「何かおかしい……」と思わないでしょうか? www.omoshiro-suugaku.com 物体がレールなどに沿って動くような状態で、ひもを結びつけてそれを引っ張る。レールからの摩擦力も働く。重力も働いている。上の記事の議論をする段階ではま…

勾配の接線線積分についてちょっと

物理を勉強中です。とりあえず力学をしっかりやって、解析力学、量子力学と進めるつもりでいます。 数学はもちろんたくさん出てきます。しかし、仕方がないのですが、「これ、いいのかな?」という議論が少なくありません。それなりの説明で一応納得しておき…

ノミは体長の200倍跳ぶ!……って凄いことなのか?

物理の本なのですが、何の本だったか、もう思い出せません。手元にも多分なく、記憶も曖昧です。しかし面白い話で、大体の雰囲気は覚えています。再現してみて、怪しそうな部分は理屈で考えます。ネットで調べたらやはり体長の200倍みたいですね。これだけ聞…

運動エネルギーを表す式を求める

質量mの物体が速度vで運動しているときの運動エネルギーを求めます。平面で考えますが、空間でも同様です。 としましょう。x軸方向、y軸方向の運動方程式です。それぞれの両辺に をかけて辺々加えると よって ここで、 の両辺をtで微分して よって これ…

スネルの法則、光の辿るルートについて

図のAからBまで光が進みます。x軸より上の部分は屈折率がn、下の部分はmだとしましょう。Aから出た光がPで屈折してBに届きます。このとき光の通るルートを求めてみます。これに関してはスネルの法則というのがあり、これを使えばすぐです。でもそうではな…

電気のコンセントは一方がしびれないのか?

家庭用の100vコンセントでは縦長の穴が2つ、並んでいます。そこに電気器具のコードの先のプラグを差し込んで使います。高校のとき、授業で「2つの穴の一方は触ってもしびれない」と教わり、家で実際に試したことがあります。我ながらよくやったものだと思い…

落ち穂拾い(1)「4≧x」と書いていいか、『バーテンダー』紹介、カメラの焦点距離について

記事を1本書くには短いけれど書いておきたいテーマをまとめます。 ①びっくりしました。「4≧xと書いてはダメ。x≦4が正しい」とある先生が言っていたとか。分からないわけではありません。「4≧x」だと「4はx以上である」なので、まあ「4について説明してい…

ニュートンリングの理屈、これでいいの?

物理にニュートンリングというのがありました。平らなガラスと球面を持つガラスを接触させて上から単色光を当てます。これを上から眺めると、同心円状の明暗の模様が見えるのでした。具体的な模様の様子はネットですぐ見つかります。前から「これでいいのか…

量子力学、やってみます。量子条件、量子論、……

そろそろ量子力学に手をつけようかな、と思っています。大分前に買っておいたテキストがあります。 身につく シュレーディンガー方程式 (ファーストブックSTEP) 作者:牟田 淳 発売日: 2014/12/27 メディア: 単行本(ソフトカバー) 評判よさそうだし、前書き…

物理数学とのつきあい方

物理・工学でやる数学とのつきあい方についてひと言。普通の数学とは別に物理数学と言われる数学があります。ちゃんとした定義は知りませんが、(大学以降で)物理の勉強を進める上で必要な数学全般を指すようです。大学の授業の科目名になっていたり、本の…

『マックスウェルの悪魔』紹介

前、簡単に紹介しています。もう少し書きます。今は新装版が出ています。高校生のとき、古い版を読みました。そのときぼくが全部理解したのかどうかは極めて怪しいと言わざるを得ませんが、もう面白かった! コップに砂糖と食塩が混ざった溶液があります。成…

回転の瞬時中心とは何か

タイヤが右に回りながら速さvで動いています。図の点Qの速さがvということです。タイヤの半径はrとしておきましょう。少々無理があるような気もしますが、一瞬だけを考えれば線分PRは点Pを中心に右回りに回転しています。少しでも時間が経てばさっきの点P…

遠心力、コリオリの力とは何か(2)

前回もそうですが、「’」(ダッシュ)付きの記号はx’y’系で観測される位置、速さ、加速度に付けています。気をつけましょう。さて、 なのでした。ここで、左辺はx’y’系で観測される加速度、右辺の第1項はxy系で測った加速度をx’y’系で測ったもので…

遠心力、コリオリの力とは何か(1)

コリオリの力が物理の本に出てくるたびに「あれ? どういうやつだったっけ?」と参考書をひっくり返しているので、短くまとめておこうと思います。コリオリの力は高校の物理では出てきません。せいぜい名前くらいでしょう。「台風の何かと関係ありそうだ」く…

平均律、純正律のドミソの和音を聴き比べる

音階の話です。音の高さを少しずつ変えて音階ができあがります。音の周波数を少しずつ増やしてだんだん高くなるようにするのです。ラの音を440Hzとしましょう。まずラの音を鳴らすwavファイルを作ってみます。コードを載せておきますが、作り方は前にブログ…

水素原子から出てくる光の波長、バルマー系列

1884年、スイスの物理学者、バルマーは水素ガスを温めたときに出てくる光の波長を測定して、不思議なことに気づきました。それこそ様々な波長の光が混ざっていそうなもんですが、656.3nm, 486.1nm, 434.1nm,410.2nm, 397.0nm, ………に限られていたのです。「…

DVD『電子立国 日本の自叙伝』紹介

何年も前に買ったDVDをまた見てみました。『電子立国 日本の自叙伝』です。6枚組で内容は「新・石器時代 驚異の半導体産業」「トランジスタの誕生」「石になった電気回路」「電卓戦争」「8ミリ角のコンピューター」「ミクロン世界の技術大国」となってい…

EPRパラドックスとは何か

もう少し時間ができたら量子力学を勉強してみたいと思っています。量子力学というのは電子やもっと小さい素粒子などの振る舞いについて研究する物理学の一分野です。量子コンピュータが実用化されれば現代の暗号は無力になりますし(例えば「大きな整数の素…