いぬおさんのおもしろ数学実験室

おいしい紅茶でも飲みながら数学、物理、工学、プログラミング、そして読書を楽しみましょう

2020-07-01から1ヶ月間の記事一覧

昔のパソコン、プログラミング(1)

ここのところよくPythonで書いています。Pythonに限らず、今では大きなことが簡単にできる様々の仕掛け(ライブラリなど)がたくさん出てきており、そういう意味ではプログラムを書くのはラクになったのかも知れません。言語を始め、プログラミング環境は大…

偶順列、奇順列について

1から7までの自然数を並べます。並べ方は7!通りあるのでした。並べたひとつひとつの列を順列と呼びます。従って順列は全部で7!通りあります。この順列に対し、転倒数という数値を定めます。例えば順列「1274356」を考えます。先頭は1。この1より大きい数は…

職業を決めてから学部、学科を決める!?

どうもキャリア教育という言葉の定義を見てもイマイチ意味がはっきりしません。だから具体的にどんなものかあまりわかりません。教員が「逆算」と言うアレかな……。職業について調べさせて「その職業に就くために必要なことを今からやっておきましょう」とか…

学校の成績処理システムの不合理

高校も成績処理の時期になりました。昔は電卓でやっていたのでしょうから、成績ひとつつけるのも相当大変だったと想像します。今では定期試験の他に学期の最初に実施する課題テストなど、担当が入力したものに重みを1:2:2とかつけて合計を求めるなどすぐで…

Pythonの開発環境、デバッグ

Pythonでプログラムを書くとき、少し前までは付属の開発環境、IDLEというのを使っていました。小さいプログラムならよいのでしょうが、少し大きくなると不便を感じるようになりました。ぼくはほとんどコードをいくつものファイルに分けて書く、ということを…

電子顕微鏡ツアー参加希望者は何人か?

もう10年近くも前のことです。某高校の2年生全体に電子顕微鏡見学ツアーのアナウンスをしました。生物のA先生の企画です。午前中は大学で電子顕微鏡を見て、午後は新しい3Dの技術を教えてもらえる、という素晴らしいもの。バスをチャーターします。しかし!…

2クラスで実施した試験の平均点に差があったら実力は違うと考えてよいのか?

統計学、面白そうなのですが、なかなか勉強のための時間を取れません。しかし一応あちこち調べ、(理論的に納得したわけではないけれど手順については)納得して実用にできそうな部分を整理して載せておきます。 教員にありがちなことです。例えば1組と2組の…

コミックス『あずまんが大王』紹介

コミックスの紹介をしましょう。 あずまんが大王 全3巻 完結セット (少年サンデーコミックススペシャル) 作者:あずま きよひこ メディア: コミック 10歳の天才小学生、ちよちゃんが高校に編入してきます(日本でそんなことが可能なのか………??)。そこで女の…

推薦入試について考える

ここのところ(と言うかもうずっと前から)、いろいろな入試が出てきています。昔からある学校(長)が生徒を推薦する一般推薦、大学が「評定平均が4.0以上、英語のが4.2以上、……」のような基準を決め、この学科にはそちらの高校から3人、などという制限のあ…

スタック(データ構造の一種)とは何か

下のようにカッコが並んでいます。数式についたカッコと思えばよいでしょう。点検してみるとカッコの対応は正しいことが分かります。例えばこれが ((()(())だと正しい対応でないということになります。いったん開いたカッコは閉じなければなりません…

『詳解 ビットコイン』読み始めました

ビットコインについては『暗号技術入門』を読むと大体のイメージがつかめます。 暗号技術入門 第3版 秘密の国のアリス 作者:結城 浩 発売日: 2015/09/17 メディア: Kindle版 そもそも暗号の本なのでビットコインそのものに触れているページはもちろん限られ…

ちょっと休憩……『ニュートンと万有引力』紹介、犬の遠吠えについて

ちょっと休憩……。なにしろ「おいしい紅茶でも飲みながら」のブログです。軽い話でラクに行きます! ニュートンと万有引力 宇宙と地球の法則を解き明かした科学者 (ジュニアサイエンス) 発売日: 2013/01/31 メディア: 単行本 面白い本です。ニュートンの読み…

あみだくじはなぜくじに使えるのか

こんなのをあみだくじと言いました。 この例では、例えば上の1を選ぶと下の5が当たります。このあみだくじ、縦線が何本でも横線が何本でも、必ず異なる番号は異なるゴールに対応します。例えば 1→5、2→5 などと対応してしまうことはありません。なぜでしょう…

ダムに取り付けた窓から毎秒流出する水量を計算する

次の問題を考えましょう。 -------------- ダムに取り付けてある1辺の長さa(cm)の正方形の窓(穴)から毎秒流れ出る水の量はいくらか。ただし、正方形の水面に近い1辺は水面下b(cm)のところにある。また、深さx(cm)の小孔から…

『なぜ宝塚歌劇に客は押し寄せるのか』紹介

1回だけ、観に行ったことがあります。市民会館で公演がありました。女の人たちだけで演じる、あの宝塚歌劇です。1本の劇が歌とともに進んでゆきます。ミュージカルとは違うのか、その辺は分かりませんが楽しめました。公演の前半は演劇(従ってストーリーが…

目盛りを打たれたひもをグニャッとすると、もとの目盛りと一致する点がある

タイトルだけだと分かりづらいですね。ちゃんと書きましょう。 ーーーーーーーーーーーーーーーーー 長さ1の、伸び縮みしないひもが2本あります。ひも上には0から1までの目盛りが細かく打たれています。一方を図のようにグニャッとさせ(こちらをひもBと…

部活で集中力を鍛え、受験を突破できるのか

仕事の環境が大きく変わり、時間に余裕ができました。前は夜10:00に家に帰り着く、なんて特に珍しいことでもありませんでした。勉強したいことはたくさんありますが翌朝も早いし、結局まとめて勉強するなら土日くらいしかありませんでした。よく教員が使…

インタプリタを作る(6)雑談

記事「インタプリタを作る」の続きです。 www.omoshiro-suugaku.com 作成中のインタプリタは、例えば a = 3x = 6 - (2 + 3) * a + ax = x + a / 10 というコードを読んでちゃんと -5.7 と計算できるようになりました。通常の数値はもちろん変数も使うことが…

無限級数の和、チェザロの和

無限級数の和についてひとつ、話しましょう。まず次の定理を証明します。 考えてみれば、何となくでよいなら当たり前です。数列がαに収束するということは、nが大きければどの項もまあほぼ α と思ってよいということ。もうほとんどαばっかりです。だからそ…

『真理とは何か』にある、整数の面白い問題

1より大きい2つの正の整数が選ばれました。あるルートから、数学者S氏はその2数の和を聞き、数学者P氏はそれらの積を知りました。2人がほかの用事で電話している間に、たまたま話題がその2つの数のこととなりました。S氏は言いました。 「僕はその2数の和を…

100!の末尾の方につく0の個数を求める

nを自然数とするとき次が成立します。 m毎にmの倍数が出てくるのだから、この公式自体は明らかでしょう。万年カレンダーの記事でもこの公式を使いました。 www.omoshiro-suugaku.com 現行の暦、グレゴリオ暦では「その西暦年号が4の倍数なら閏年、ただし100…

昔、「通知票は手書きにすべき」と思われていた!

ずいぶん前のことです。学校の職場にパソコンが導入され、何年か経った頃でしょうか。学校は通知票を出しますよね。もちろん昔は手書きだったわけですが(成績はスタンプを使ったり)、パソコンが入ってデータを入力するようになったのなら通知票を出すなど…

正項級数はどこからどう加えても和は一致するか(再訂正版)

この証明、調整中 やはりうまくいってない…… 前に書いた文章も使いながら、今回は正しい証明を示します!!! 記号は多少変えたので、前の記事をご覧になった方はご注意を。比較のために前の記事は残しておきます! を収束する正項級数とします。皆さん「明…

2項間の漸化式の特性方程式

漸化式を解きます。 これに対し、k=3k+1という方程式(特性方程式)を立て、その解を使うとうまくいく、という話が教科書に載っています。ぼくもそうでしたし、生徒は一様に と聞きます。「いや、誰も等しいとは言ってない。k=3k+1を考えるのは自由…

エッセイを2つ。 ①デバッグ ②地味な趣味について

①趣味でプログラムを書きます。コンピュータは「何をどうせよ」という指示書がなければ動きません。その指示書がプログラム(ソフトウェア、アプリケーション)です。プログラムを書く人がプログラマー。ぼくはアマのプログラマーですが、プロアマ含め、皆さ…

『オリエント急行殺人事件』紹介

大分前ですが、結構宣伝もしていたし、皆さんも見たかも知れません。アガサクリスティーの『オリエント急行の殺人』が脚本三谷幸喜(こうき)、主演野村萬斎(まんさい)で2回に分けて放送されました。ぼくは原作は本も読んだしスーシェのドラマも何度も見ていて…

正項級数はどこからどう加えても和は一致するか

調整中! これでは証明になっていない……。なんとかします。 収束する、正項である数列の和を考えます。この数列を下の表のように並べ替えます。並べ方は問いません。 収束する正項級数から取り出したわけで、上に有界、単調増加だからです。 さて、皆さん「…

対数を使って3の1000乗の桁数を求められるか

少し前2の累乗の桁数を対数の近似値を使って計算する問題で、誤差が桁数にどう影響を及ぼすのか考えました。 www.omoshiro-suugaku.com www.omoshiro-suugaku.com 今回は問題としてもよくある、3の累乗について同様に考察してみます。次の問題を考えましょう…

百五減算(ひゃくごげんざん)を合同式で解く

前、こういう記事を書きました。 www.omoshiro-suugaku.com 合同式の話を少し前に書いたので、続きということでこの問題を合同式で解いてみます。まず次の定理を準備しておきます。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー m、nの最小公倍数がLのとき…

インタプリタを作る(5)雑談

最近数学のテーマが続いたので休憩です。ここのところ、インタプリタ作成に勤しんでいます。Pythonをそのまま使っているので、できあがったインタプリタ(新しい言語)は実行速度という点では期待できません。しかし、今や多くの人がPythonは使いますし、そ…