2019-07-01から1ヶ月間の記事一覧
πの求め方について書きましょう。πの求め方と言っても、1.どういう理屈でπが求まるのか2.理屈はそうであっても具体的にどうやって求めればよいのかと、問題は2つあります。ここでは1番目について、流れだけを書きましょう。 大学で勉強する微分積分にarctan …
前回、条件文について書きました。続けて背理法について見てみます。背理法というのは証明の仕方のひとつです。定理にはまともに証明しようとしてもなかなか難しいものがあります。そういうときに有効な方法です。簡単な例ですが、「X+1≧0 ならば、X≧-…
条件文について書いてみます。p、qを命題とします。命題とは真偽が定まっている式や文でした。「私は人間です」や「1=3」は命題です。それぞれ、真の命題、偽の命題と言うのでした。しかし例えば「ワンワン!(犬の鳴き声)」とか「ふー、やれやれ(疲れ…
高校の数学Ⅱで相加平均、相乗平均というのが出てきます。足して2で割るなら分かるけど、かけ算してルートを計算って、何の意味があるんでしょうか。ある先生が「縦横2,8の長方形の面積は16。同じ面積の正方形は一辺√16=4。そういう意味で2,8の一種の平均…
ぼくが仕事に就いたのは職場にパソコンが入り始めたばかりの頃でした。当時、データの記録には今ではほとんど見かけない「フロッピーディスク」というのをみんな使っていました。5インチが多かったですが、8インチのディスクもあり、こちらはもうほとんど団…
次の表を見て、yをxで表してみて下さい。つまり、x=1のときy=3、x=2のときy=7、x=3のときy=11となるような式を求めて下さい。 「等差数列だ!」と思いますよね。等差数列の一般項を求めれば 3+(x-1)・4=4x-1 とやって y=4x-1 を得ま…
1991年の京大の入試問題だそうです。 イコール付きの不等号は「≦」ではありませんね。多分、実際に入試で出題されたときには「≦」だったのではないかと想像します(高校までの教科書ではこう書かれるから)。この問題はあるサイトで見かけたものです。管理し…
コーナーの判定をやってみました。 ぼくたちは図Aを見て、どこがコーナーなのかすぐに分かります。しかしそれがコンピュータには難しい。考えてみればぼくたちはそもそも「コーナー」(尖ったところ、角(かど))とは何か、きちんと定義できません。家みた…
もう20年近く前のこと。「ポケベル(ポケットベル)」というのがありました。ケータイやPHSが出回る前です。その辺の公衆電話などから決まった番号(114?忘れた)に電話をかけ、 メッセージを送りたい相手のポケベル番号を押します。続いて、例えば「あした…
今ではGPSがあり、自分がどこにいるのかリアルタイムで分かります。しかし昔はそうではありませんでした。例えば海上では暗礁(あんしょう)など危ないところもありますし(実際に事故も多かった)、測位(自分がどこにいるのか、位置を求めること)の技術が…
2004年、アメリカのシリコンバレーの高速道路脇に「{first 10-digit prime found in consecutive digits of e}.com」という看板が出たそうです。日本語に訳すと「{自然対数の底(てい)eの中の連続する10桁の最初の素数}.com」です。少し意味が取りづらいかも…
『線形代数セミナー-射影,特異値分解,一般逆行列-』(金谷健一2018共立出版)の紹介です。これは凄い本です。工学などへの応用で出てくる行列は対称行列が多いそうです。この対称行列の固有値分解、特異値分解、一般逆行列などについて大変分かりやすい…
数直線はビッシリ、点で埋まっています。座標が1の点、√2の点、√2+1の点、……、無数の点があります。今、原点(x=0)にある1点を取り除きましょう。x=0の位置に穴が開く、と思えばよいわけです。どこかから点を持ってきてこの穴を埋めることにします。x=…
円周率を有理数(分数)で近似してみます。円周率は無理数なのでした。有理数ではないのですから整数/整数の形には書けません。しかし円周率に近い有理数ならいくつもあるのです。 を示しましょう。 連分数の扱いに慣れていればいいんですが、ここでは基礎…
映画『ダイ・ハード3』で、主人公のマクレーン刑事が悪い奴らに「3ガロンの容器と5ガロンの容器を使い、4ガロンの水を測れ」という問題を解かされる場面があります。制限時間内に解かないとどこかが爆破される、という話でした。ガロンというのは体積の単位…
矢野健太郎という数学者がいました。1912年生まれ、1993年没。専門は微分幾何学(微分を使って図形の性質を研究する、数学の一分野)です。高校生向けの参考書も書いており、ぼくもお世話になりました(『解法のテクニック』って、今もあるかな?)。今でも…
『ニュートンに消された男 ロバート・フック』(中島秀人2018角川ソフィア文庫)を読みました。 ニュートンに消された男 ロバート・フック (角川ソフィア文庫) 作者: 中島秀人 出版社/メーカー: KADOKAWA 発売日: 2018/12/22 メディア: 文庫 この商品を含む…
問題です。10円玉を図のように少しずつずらしながら重ねます。表現が難しいですが……一番上の10円玉をなるべく遠くに(なるべく右に)したいのです。10円玉は何枚使ってもOKです。どこまでも遠くにできるのか、それともどこかに限界があるのでしょうか? 実は…
アリスタルコス(紀元前310年~紀元前230年頃、古代ギリシャの天文学者、数学者)は太陽と地球の間の距離を求めるため を示したそうです。関数電卓によるとsin3°≒0.05233595……なので、確かに成立はしています(1/20=0.05、1/18=0.0555……)。sinの値のう…
試したしたこと、あるでしょう。10円玉を2枚ピッタリくっつけて並べます。2枚を10円玉1、10円玉2とします。 10円玉1の周りを縁(ふち)が滑らないように10円玉2を回すと、10円玉2は元の位置に戻るまでに2回、自転します。2つの10円玉の円周は当然等しいですか…
ぼくたちが住んでいる地球は太陽系(太陽と、水星~海王星)に属しており、太陽系はさらに大きいグループ、銀河系に属しています。太陽のように自分で光を出す星を恒星と言い、恒星は銀河系内で毎年生まれたり死んだりしています。で、問題。この銀河系では…
つい最近まで、複数の写真からパソコンを使ってもとの立体を再現する仕組みを勉強していました。「コンピュータビジョン」と呼ばれる分野の一部です。道具はそろったので実際に試してみるつもりです。この分野では、大学で勉強する科目で言うと線形代数とい…
タイトル、これでは何だか分かりませんよね……。 サルがたくさんいる島があります。サルの数は一定なのですが、何匹なのかは分かりません。サルはこの島では毎年10匹生まれ、サルの寿命は20年だとします。さて、サルは何匹いるのでしょうか。 出題の仕方は違…
東京ディズニーランドのアトラクション、スペースマウンテンの話です。狭くて暗いドームの中をよくもまあぶつからずに走り回っているもんだと感心しますが……全部でいったい、何台走っているんでしょうか。 スペースマウンテンのあの乗り物は2両編成です。こ…
「2」という文字を(デジタルカメラで)写真に撮ってパソコンに見せ、パソコンに「この写真に写っているのは『2』という数字である」と判断させることを考えます。流行の「文字認識」(ここでは数字認識)というやつです。 写真を見てそこに「2」と書いてある…
数学勉強法……ということで少し書いてみます。高校生の話を聞くと、中間試験、期末試験でも「公式を忘れた」なんて言っていることも多いという印象です。模試だと範囲も広いし、なおさらでしょう。人間はせっかく覚えたことでも放っておくとすぐに忘れてしま…
3乗根の話です。例えば8の3乗根というのは3乗して8になる数で、2です(実数の範囲では2だけ。複素数の範囲では2を含め、3つあります)。では10の3乗根は? 3乗して10になる数です。2だと3乗しても8、3だと3乗したら27だから大き過ぎ。2.××××……という数でしょ…
初めまして! いぬおさんと申します。このブログでは数学、物理、工学など自然科学の面白さをみなさんにお伝えしたいと考えています。趣味は読書、マジック、プログラミング。こちらの話も書いてゆくつもりです。 専門は数学ですが、最近は特に物理や工学で…