いぬおさんのおもしろ数学実験室

おいしい紅茶でも飲みながら数学、物理、工学、プログラミング、そして読書を楽しみましょう

数学

値が0になる整式で割り算してもよいのか

のとき、 の値を求めます。高校数学で見かける問題です。次のような説明があります。 を得ます。②を③の左辺で割って得られる のxに①を代入して、 となります。計算の途中、③を使っています。 参考書にもこんな風に書いてあるはずですが、ときどき生徒が と…

ベイズの定理を使って解ける問題をまとめました

授業がちょうど確率のところです。最近はプリント授業にしていて時間に余裕もあるし、まとめて2時間くらい、ベイズの定理(を使って解ける問題)をやっています。直に使うのはなかなか難しそうなので、例の表を使っています。 www.omoshiro-suugaku.com 問題…

転置行列の行列式の値を求める

行列式について少し書きました。 www.omoshiro-suugaku.com www.omoshiro-suugaku.com 今回は転置行列の行列式を考えます。行列Aの行列式の定義は次でした。 転置行列とはもとの行列の行と列を入れ換えた行列です。 この転置行列の行列式は となって、もとの…

電卓で、ルートキーを使って3乗根を求める方法をどう導くか

前、電卓のルートキーで3乗根を求める方法について書きました。 www.omoshiro-suugaku.com 10の3乗根を求めるのに使った式は次です。 この式からは が出るので、xは確かに10の3乗根です。しかしそもそも最初の式はどこから出てきたのでしょうか。このくらい…

行列式の分かりやすい定義。偶順列、奇順列を使う。

行列式とは何か。定義しましょう。この定義は次の本に載っていました。古いですが、素晴らしい本です。ぼくは最初、この本で勉強しました。 新数学対話〈1〉行列式 (1980年) 作者:石谷 茂 現代数学社 Amazon 普通、テキストでよく見かけるのは置換を用いたも…

行列式を、順列の符号を用いて定義する(1)

前、偶順列、奇順列の話を書きました。 www.omoshiro-suugaku.com 上の記事を見て偶順列、奇順列の復習をしておいてください。行列式を定義するのに使います。 奇順列をー1に、偶順列を1に対応させる関数εを考えます。εの値を順列の符号と呼びましょう。ε(偶…

連立1次方程式が解を持つための必要十分条件

連立1次方程式がどんなときに解を持つのか。高校で一般論は出てきません。整理しておきましょう。 実は、次が成立するのです。 証明しましょう。 まず右向き。 が解を持つことになります。ここで 行列のランクとは、行列の列ベクトルで線形独立なものの最大…

電卓で、ルートキーを使って5乗根を求める

前、電卓で3乗根を求める方法を説明しました。 www.omoshiro-suugaku.com 今回は5乗根の話です。例えば32の5乗根というのは5乗して32になる数で、2です(実数の範囲では2だけ。複素数の範囲では2を含め、5つあります)。では10の5乗根は? 5乗して10になる数…

授業で「スペースマウンテンは何台走っているか」説明しました

ディズニーランドのスペースマウンテン、あれはいったいドームの中で何台走っているのか。次の記事を始めとして、何回かブログで書いています。今回は、実際にどうやって授業で取り上げるのか、雰囲気をお伝えします。 www.omoshiro-suugaku.com 生徒が教科…

移動平均とは何か

コロナのニュースで「移動平均」という言葉を最近(?)聞くようになりました。何だろ?と思ったら、例えば最近7日分の感染者数の平均を毎日求めるようなとき、そう言うようです。確かに、1日ごとの変化を追いかけても、いろんな事情で変化の仕方は様々、偶…

1が出続けたサイコロは、次に振ると1は出にくいのか?

学生のときサークルの何人かで遊んでいて、サイコロが続けて3回、1の目だったことがありました。これを見た工学の先輩が「じゃあ、次に振ると1の目が出る確率は1/6より小さいね」と言ったのを聞いて、ぼくは耳を疑いました。理系ならなおさらですが、こうい…

デフィー・ヘルマン鍵交換を例え話で

面白い本でした。強くお勧めします。特にデフィー・ヘルマン鍵交換の例え話が気に入りました。もちろん例え話ですから限界はありますが、ポイントをよく捉えていて驚きました。ときどき生徒にも話します。面白がる子もいます。今回はこれを紹介します。今、…

敵機の移動に2つの曲線を使いたい。つなぎ目をどうするか?

シューティングゲームで、敵のキャラクタを式に従って動かします。空間の曲線なら、例えば だったらtが増えるとz軸の正の向きにグルグルとらせんを描きながら進みます。話題は少しそれますが、この式だって易しいけれど数学。「プログラミングに数学は不要…

数学オリンピックの予想問題をどうぞ

ぼくの恩師の出題です。数学オリンピックの予想問題だそうな。 ---------- パーティーで4組の夫婦(8人)が会い、お互いに握手をしました。あらゆる組み合わせで、というわけではありません。つまりある人はある人と握手をしなかった、ということ…

簡単そうに見えるのに……解けますか?

前、同僚だった先生に聞かれました。下の図で、直線EFはGHと平行です。点Aが直線EF上を動くとき、角θが最大になるのはAG=AHのときであることを示してください。 センター試験か共通テストの問題を解くのに、これが必要だったそうです。証明ではなく、この事…

必要条件、十分条件とは何か

p、qを条件であるとします。数学で言う条件とは「xは偶数である」などのように変数に具体的な値を入れると真偽が定まるものでした。このとき、「pならばq」を条件文と呼びます。例えば「xが偶数ならばxは4の倍数である」などです。pを仮定、qを結論…

(新)ベジェ曲線とは何か

空間の中を戦闘機を動かしましょう。普通に数学でやるように空間内の曲線の式を使ってもよいですが、式では表しにくい曲線もあります。 図を見てください。線分p0p1を8:2に内分する点、線分p1p2を8:2に内分する点、線分p2p3を8:2に内分する点をそれぞれp4、p…

任意に与えられた点が凸多面体の内部にあるかどうか判定する

与えられた点が空間内のこんな立体の内部にあるかどうか判定したいとします。立体は、与えられた頂点、8点で決まっています。 シューティングゲームなどで、ゲームを展開する空間のスクリーンに見えない部分では、基本的に戦闘機などを飛ばす必要はありませ…

ロドリゲスの回転公式とは何か、何に使えるか

空間ベクトルの話です。図でベクトルrを、ベクトルnを回転の軸としてθだけ回します。例えばθ=60°なら、ベクトルrはベクトルsのところまで回ります。ベクトルnの終点から始点を眺め、反時計回りに角度を測ります。 ベクトルrからベクトルsを求めるた…

0.4から0.6くらいの乱数が他より多めに欲しいときどうするか

いろんなプログラミング言語にRandom()といった名前の関数があります。乱数を発生させます。仕様はいろいろですが、例えば0以上1以下の乱数が欲しいときにはRandom(0, 1)などと書けばよいのです。ゲームでランダムな場所に敵を発生させたいときなどに使えま…

ガウス記号を使って小数点以下の任意の桁を四捨五入する

UnityにはMathfというクラスがあって、様々な数学の関数が使えます。例えばMathf.Sin()でsinを計算できます。プログラムに出てくる数値を四捨五入する必要があり、探したらMathf.Round()というのが見つかりました。ただ、これは名前からして「丸め」だけれど…

箱ひげ図、四分位数の問題をひとつ

次はあるデータから作った箱ひげ図です。 この図を見て、「全データの1/2以上が40以上55以下である」と言ってよいでしょうか。第1四分位数は40より大きく、第3四分位数は55未満です。なお、四分位数の定義はいくつかあるようですが、ここでは教科書流の次の…

「関数が区間x≦1、3≦xで増加」でイコールを入れるか、入れないか

生徒に聞かれました。教科書の問題です。関数が増加、減少している区間を答えなさい、というものです。 教科書の答えでは 「区間x≦1、3≦xで増加、区間1≦x≦3で減少」 です。生徒は「x=1、3では導関数の値が0なのに、増加や減少していると言っていいんで…

箱ひげ図について

ふと気づいたら数学Ⅰに「箱ひげ図」というのが入っていました。新しい指導要領からみたいですね。こんなの、学生時代に勉強した記憶もありません。……と思って最近ネットで調べたら、箱ひげ図自体新しく、70年代に出てきたそうです。ウィキペディアでは品質管…

将棋ソフトのミニマックス法、αβ法

将棋を指すソフトなどが手を考えるときに使うミニマックス法、αβ法について簡単に説明しましょう。ことによるとディープラーニング全盛の今、違う部分もあるかも知れませんが、大事さは変わらないと思います。 まず基礎知識として将棋ソフトの大体の仕組み。…

ちょっと面白い確率の問題を……

職場でちょっと面白い問題を聞きました。設定を変えて紹介します。 ------------ α製菓、β製菓はどちらもチョコ、キャラメル、ガムを製造しています。今、この2社のお菓子を扱っている店でAさんとBさんがお菓子を1個ずつ買いました。もちろん同…

相関係数の授業ではこの話をしてください。実習生も!!

高校1年生はそろそろ相関係数の話が出てくる頃かも知れません。相関係数については以前、こんな記事を書きました。 www.omoshiro-suugaku.com 相関係数とは……データから、とある方法で作った2本のベクトルのなす角をθとしたときの cos θ のことなのでした。…

正項級数はどこからどう加えても和は一致するか(これで解決!)

だいぶ前、こんな記事を書きました。 www.omoshiro-suugaku.com ↑ うまくいっていません。その後ときどきあれこれ考えていたんですが、いいこと思いついた!! これならどうだ!? 「正項級数は、どう並べ替えても、その上でどこにどう括弧をつけても(括弧…

実際に基底を入れ換えて係数がどうなるか見てみる

前、基底を入れ換えたときベクトルの表現(係数)がどう変わるのか明らかにしました。 www.omoshiro-suugaku.com ポイントだけ書いておくと によって基底を変換したとき、 であるとすると で新しい係数を求められる、ということでした。 です。実際に基底を…

曲線座標系で自然基底を求める

としましょう。これはいつもよく使っている直交座標(いつものx、y座標)と極座標(原点からの距離をr、x軸から左回りに測った角がθ)の間の変換の式なのでした。偏導関数を求めておきます。 今、ベクトル2本を次のように定義します。 これはそれぞれr…