いぬおさんのおもしろ数学実験室

おいしい紅茶でも飲みながら数学、物理、工学、プログラミング、そして読書を楽しみましょう

数学

古くからある、ちょっと不思議な問題……

古くからある有名な問題です。 ---------------------- 3人が1000円ずつ出しあって3000円のお菓子を買いました。後で店長は実はこのお菓子はサービスで500円引きだったことを思い出し、店員に500円を渡して返金するように言いました。…

球の体積を微分すると表面積に、円の面積を微分する円周になるのはなぜか?

半径rの円の面積をで微分すると円周の長さになります。球の体積をrで微分すると球の表面積になります。生徒に話すと一様に「えっ!?」と驚いてくれるところです。どうしてこうなるのか、説明しましょう。 図で、半径に沿ってr~r+Δrの部分の同心円を…

「数学は自分で考えなければダメ」なのか?

近いことはすでに書いていますが、少し詳しく。 教員はすぐに「数学は自分で考えなければダメ」と言います。ある意味、これは真理でしょう。しかしそういうことを言う人たちは中学、高校、大学でどうやって勉強していたのでしょうか。「自分で考えなければダ…

『ゼロから作るDeep Learning③』紹介

面白そうだったので本屋さんで見つけて中身をざっと確認して即、買いました。楽しみです。未読ですが紹介します。 ゼロから作るDeep Learning ❸ ―フレームワーク編 作者:斎藤 康毅 発売日: 2020/04/20 メディア: 単行本(ソフトカバー) 同じ著者の先生の1冊…

新・写真から立体を再現(7)Pythonのコードを載せます

前回の続きです。2枚の写真を再掲。 とりあえず立体を再現するためのコードを載せておきます。2枚の写真は「a.jpg」、「b.jpg」としてありますが、変えられます。1枚目の写真のマジックの位置を25点、マウスでクリックします。それが終わったら対応順を間違…

新・写真から立体を再現(6)ちょっとCM。2枚の写真から立体を一応再現する。

CMです。細かい話はとりあえず後回し。「おおっ、パソコンと数学を使ってこんなことができるのか!?」と思っていただければO.K.です。 角度を変えて撮った2枚の写真に立体が写っています。基準となる立方体などは写っておらず、対象の立体だけです。ある程…

方べきの定理について、当たり前のことですが……

方べきの定理というのは、いくつかありますが例えば下の図で PA・PB=PC・PD ……★が成立する、というものでした。もちろんこれで正しいですし、難しい問題の中でも多分無事に使えると思います。 そうなのですが、ときとしてこういう見方も必要です。 線分が円…

「重複解」、「重複組み合わせ」はどう読むか? 「伏線を『回収』」?

数学に重解というのが出てきます。例えば2次方程式の解が1個のときなど、もともと2個だった解が一致したのだと考えて、重なった解、重解(じゅうかい)と呼ぶのでした。では「重複解」はどう読むか? 試しに……と周りの人たちに聞くと8割が「じゅうふくかい」…

新・写真から立体を再現(5)円錐曲線の持つ性質。極線、極、……

いくつかのテキストで、複数枚の写真だけからそれに写っている立体を再現する手順の一部に射影幾何の知識を用いています。ぼくはこれまで、射影幾何を体系的に勉強したことがありません。大学でも、少なくとも微積分並みに教えていたわけではないと思います…

新・写真から立体を再現(4)最小2乗法を行列で説明する

連立方程式を解きます。最初の2本でx、yが決まってしまうので、3本を満たす普通の意味の解はありませんが、なるべくうまい値を見つけます。 行列、ベクトルを使って考えるため、次のように書き換えます。 後の都合で、これをxp+yq=bと書いておきま…

これでいいのか、分数式が入った恒等式の問題の解き方

よくある恒等式の問題です。教科書にも載っています。 --------------- 次が恒等式になるよう、定数a,bを定めなさい。 解答? 分母をはらって x=a(x-2)+b(x-1) ……② これが恒等式となればよい。x=1、x=2で②が成立するようa,…

新・写真から立体を再現(3)3元4次の連立方程式を解く方法

前回の続きです。後で説明しますが、3枚の写真から基礎行列Fを求めるとき、(方法によりますが)3元(変数が3個)4次の連立方程式を解く必要があります。Pythonに何かないかなと思って探していたらSymPyというライブラリがありました。試してみたので紹…

新・写真から立体を再現(2)連立方程式の非自明解

「新・写真から立体を再現」では、エピポーラ方程式というものを使います(これについては別の回に説明します)。2枚の写真上の対応する点の組を方程式に代入してエピポーラ方程式に含まれる基礎行列Fを決定し、カメラ行列を求めます。このときAx=0の形…

新・写真から立体を再現(1)新シリーズスタート!!

『写真から立体を再現』の新シリーズを始めます。ここまでで、角度を変えて立体の写真を2枚撮るとき、写真に立方体(サイコロみたいな)が一緒に写っているという条件が満たされていれば、写真から立体を再現できるということが分かりました。 www.omoshiro…

アポロニウスの円はどんな話の中で出てくるか?

TVで「東京スカイツリー(634m)と東京タワー(333m)が同じ高さに見える場所」について話をしていた、と聞きました。「そういう場所は地図上で円形に分布しているらしい。なぜか」と。数学が好きな人なら「なるほど」となることです。 数学に「アポロニ…

写真から立体を再現(13)一応、フィナーレ!!

ここまでに紹介した事実を使って、理屈も(ある程度)説明しましょう。Pythonのコードも示します。過去の記事で使うのは以下です。必要に応じて参照してください。 www.omoshiro-suugaku.com www.omoshiro-suugaku.com www.omoshiro-suugaku.com www.omoshir…

条件付き確率とは何か。不確かな証言から何が起こったか考える。

条件付き確率とは何でしょうか。教科書通りでいいなら「Aが起こったときのBの起こる確率を『Aが起こったときのBの起こる条件付き確率』と言う」となります。しかしこれは誤解を招きやすい表現です。Aが起こったときのBの起こる条件付き確率は記号で と…

写真から立体を再現(12)コマーシャル

ここまで「写真から立体を再現」について、11回に渡って結構細かな話をしてきました。具体的にどんなことができるのか、お見せしましょう。言わばコマーシャルです。 上のような立体を作ります。上面に8の字が、手前の面には×が描いてあります。赤いマルで囲…

逐次近似法とは何か

方程式★を解きましょう。代わりに、同値な★★を解いてもいいですよね。 どっち道この方程式に解の公式はありません(というより、解の公式のある方程式などごくわずかです)。数値計算でいきます。x=1としてみましょう。左辺の値は 2sin x - 2x + 1 = 2sin…

写真から立体を再現(11) 一般逆行列を使って求めた解はどのくらい正確か

すみません、数学的に誤差を評価……ということではありません。一般逆行列を使って求めた「解」はある意味誤差が最小になりますが、実際に「解」を求めてそれがどんな感じなのか見てみよう、ということです。 「ある意味」というのはこういうことです。x,y…

ユークリッドの互除法

最大公約数を求めるとき、どうしますか? ぼくが中学校で教わったのは2つの数を素因数分解する方法です。分かりやすいんですが、素因数分解はラクではないのです。相手にする数がちょっと大きくなるともういきなり計算できなくなってしまいます。実際、1031…

実数全体の集合は可算でない

実数全体の集合は可算ではありません。つまり、自然数全体の集合と1対1に対応がつけられないのです。それほど要素が多い、ということです。同じ「無限」なのに不思議な話ですが、仕方がありません。無限にも程度があるのです。今回はこれを証明します。 実数…

結び目は何個あるか?

いや、結んでなくてもよいですが……。空間の中で連続な曲線が自分自身と交点を持たないとします。また輪になっていてもよいとします。要するに、ひもを用意して、結んであったりなかったり、絡んでいたり……という状況を考えるのです。ただ、数学的にはひもは…

無限ホテルのパラドックス

数学者ヒルベルトが考えた面白い話です。本来「パラドックス」とは「正しい仮定から正しい推論をしているのに、出てきた結果がおかしい」というものですが、その意味では今回紹介する話はパラドックスではありません。「直感に反している」ぐらいの意味です…

有理数全体の集合は可算である

正の有理数全体の集合をQ+としましょう。Q+は可算集合です。つまり、正の分数全体に1番、2番、3番、……と番号をつけることができます。まずこれを示しましょう。前の話に従うと「NとQ+は同じ濃度である」ということです。 平たく言うと、正の分数は自然数…

可算集合の点を平面にばらまく問題をひとつ……

自然数全体の集合をNと書くことにします。N={1, 2, 3, ……}です。Nと1対1に対応のつく集合を可算集合と呼びます。例えば T={2, 4, 6, ……}は可算集合です。NからSへの1対1の対応fを f(n)=2n で定義できるからです。平たく言えば可算集合とは要素を…

少ない無限、もっと多い無限、さらに多い無限、……

数学では「無限」をたくさん扱います。自然数(1,2,3,…)は無限個あります。整数(0,±1,±2,…)も、有理数(整数/整数の形の数)も、実数(√2、πなども含む。虚数単位iのついてない数のこと)も無限個あります。しかし、同じ「無限個」の中に…

『新数学対話<1>行列式』紹介

大学の授業で線形代数が始まるとすぐ、行列式の一般的な定義が出てきます。場合によっては2次の正方行列なら高校で触れているかも知れません。 このとき、Aの行列式とは|A|=ad-bc なのでした。a,b,c,d を係数に持つ連立方程式を解くとき、この値が0かど…

モンティ・ホール問題

モンティ・ホール問題というのを紹介しましょう。モンティ・ホールというのは人名です。この人が司会を務めるアメリカの番組で話題になった問題なのでこう呼ばれるようになったのだそうです。次のようなものです。-----------------3つの箱…

4個以上の集合のベン図はどう描いたらよいのか

3つの集合A、B、Cのベン図は以下の通りです。こうすれば、例えばAに属するがB、Cに属さない要素も入れる場所はあります。抜けはありません。 では集合4個だったらどうなるのでしょうか。例えば下のようにすると…… A、Dに属すがB、Cに属さない要素が入りませ…