いぬおさんのおもしろ数学実験室

おいしい紅茶でも飲みながら数学、物理、工学、プログラミング、そして読書を楽しみましょう

数学

将棋ソフトのミニマックス法、αβ法

将棋を指すソフトなどが手を考えるときに使うミニマックス法、αβ法について簡単に説明しましょう。ことによるとディープラーニング全盛の今、違う部分もあるかも知れませんが、大事さは変わらないと思います。 まず基礎知識として将棋ソフトの大体の仕組み。…

ちょっと面白い確率の問題を……

職場でちょっと面白い問題を聞きました。設定を変えて紹介します。 ------------ α製菓、β製菓はどちらもチョコ、キャラメル、ガムを製造しています。今、この2社のお菓子を扱っている店でAさんとBさんがお菓子を1個ずつ買いました。もちろん同…

相関係数の授業ではこの話をしてください。実習生も!!

高校1年生はそろそろ相関係数の話が出てくる頃かも知れません。相関係数については以前、こんな記事を書きました。 www.omoshiro-suugaku.com 相関係数とは……データから、とある方法で作った2本のベクトルのなす角をθとしたときの cos θ のことなのでした。…

正項級数はどこからどう加えても和は一致するか(これで解決!)

だいぶ前、こんな記事を書きました。 www.omoshiro-suugaku.com ↑ うまくいっていません。その後ときどきあれこれ考えていたんですが、いいこと思いついた!! これならどうだ!? 「正項級数は、どう並べ替えても、その上でどこにどう括弧をつけても(括弧…

実際に基底を入れ換えて係数がどうなるか見てみる

前、基底を入れ換えたときベクトルの表現(係数)がどう変わるのか明らかにしました。 www.omoshiro-suugaku.com ポイントだけ書いておくと によって基底を変換したとき、 であるとすると で新しい係数を求められる、ということでした。 です。実際に基底を…

曲線座標系で自然基底を求める

としましょう。これはいつもよく使っている直交座標(いつものx、y座標)と極座標(原点からの距離をr、x軸から左回りに測った角がθ)の間の変換の式なのでした。偏導関数を求めておきます。 今、ベクトル2本を次のように定義します。 これはそれぞれr…

基底を入れ換えると係数はどう変わるか

アインシュタインの規約を用いてもう少し定理を証明してみます。その前に、まずは行列で見てみましょう。 基底を入れ替えたとき、係数はどう変わるでしょうか。次の問題を考えます。 これで一応、分かりました。 これをアインシュタインの規約を用いてやって…

計量テンソルとは何か

例を用います。平面の極座標を考えましょう。 x = r cos θ、y = r sin θ というものでした。偏導関数を求めておきます。 これらを成分に持つ、次のようなベクトルを考えます。 これは後で使います。 平面上でごく近い2点間の距離を求めます。 ①から②までは全…

方程式とは何か。恒等式とは何か。

下手をすると、まさかどこかの試験に等式を2種類に分類する問題があったりしませんか……? 「次の等式は方程式か、恒等式か。方程式なら1、恒等式なら2を解答欄に書きなさい」みたいな。さすがにこれはないか……? 方程式と恒等式、観点が違います。方程式はも…

連立3元1次方程式を解く(アインシュタインの規約を使う)

3元連立1次方程式を解きます。行列で次のように書きましょう。 成分で書いておきます。成分の添え字は行を上付き、列を下付きで書きます。前々回の続きです。 www.omoshiro-suugaku.com あるいは とも書けるのでした。アインシュタインの規約を使っています…

アインシュタインの規約とは何か

3次の正方行列A、Bを考えます。成分は以下の通りだとしましょう。 積ABを考えます。積の定義によると つまり、 ということです。 この添え字ですが、みんなで約束しておけばどこに書いてもよいので例えば行列Aの i, j 成分を のように表しても問題ないはずで…

中心力のもとで運動する物体の面積速度は一定である

中心力とは、空間内の点Pに働く力で常に定点Oを向いているものを言います。物体に中心力しか働いていないとき、その物体の面積速度は一定です。面積速度とは単位時間に線分OPが掃く面積です。中心力が動径OPの長さの2乗に反比例しようが、OPに比例しようが、…

勾配の接線線積分についてちょっと

物理を勉強中です。とりあえず力学をしっかりやって、解析力学、量子力学と進めるつもりでいます。 数学はもちろんたくさん出てきます。しかし、仕方がないのですが、「これ、いいのかな?」という議論が少なくありません。それなりの説明で一応納得しておき…

赤道上には海抜高度が等しい真向かいの点のペアがある

赤道上の各点で海抜高度を考えましょう。ある場所は0m、別のある場所は120m、また別の場所は-30mとかです。さて、問題です。このとき、ある点とその真向かいの点(地球の真裏にある点)で、高度が等しくなる、そんな点のペアがあることを証明して下さい…

自然対数の底 e は無理数であることの証明

自然対数の底を e とすると、前回のマクローリン展開によれば なのでした。xはどんな値でも収束です。x=1とおいてみると です。これは実は無理数です。証明しましょう。この証明は何回か紹介している数学ワンポイント双書の『テイラー展開』(渡部隆一197…

マクローリン展開できるための条件

マクローリン展開というのがあります。高校生の頃、 というのを見て衝撃を受けました。関数によっては(というか、大抵は)値を求めるのは難しい。指数関数も三角関数もそうです。しかし、マクローリン展開を使えば(関数電卓ではない、普通の)電卓で計算で…

無限小数を100倍するには小数点を2桁動かせばよいのか

例えば…… 123.45454545……×100 = 12345.454545…… と誰でもやりますよね。でも、中学校の頃からこうやっているからこれで正しい、と思い込んでいるのでは? 本当にいいんですか、これで……? 次は項の値が0~9の整数である数列です。 この数列に対し、次のよう…

Pythonで円周率を小数第100位まで求める(3)

今度は引き算を試してみます。関数 minus() を書きました。繰り下がりは、あれば cf = 1とし、なければ cf = 0 で処理します。各桁ごとに1桁の数の引き算をし、結果が負になったら繰り下がりありとして引き算の結果には10を加えます。これを繰り返します。 i…

Pythonで円周率を小数第100位まで求める(2)

まずリスト同士の足し算の関数を作ります。5831.6591 + 6019.4723 を計算します。リストAUに5831.6591の整数部分を、ADに小数部分を入れます。同様にBU、BDにも値をセットし、plus(AU, AD, BU, BD, CU, CD)をコールするとCU, CDに計算結果が入ります。Uはup…

Pythonで円周率を小数第100位まで求める(1)

円周率を試しに計算してみることにしました。今はPythonをよく使っているので、Pythonで。何回かに分けてやってみます。世の中には50兆桁まで計算した人がいるそうです(ウィキペディア)!! 頑張ったなあ……。でも、ここでは計算の理屈を整理し、実験をやっ…

全微分可能とは何か

空間内に平行四辺形ABCDがあります。座標を見ると分かりますが、直線ABは平面y=y0(zx平面と平行)上にあり、直線ADは平面x=x0(yz平面と平行)上にあります。ここでm1は直線ABのzx平面内での傾き、m2は直線ADのyz平面内での傾きで…

全微分について考えるための平面の方程式

平面の方程式について考えましょう。下の図の平面のベクトル方程式は次のように書けます。Oは位置ベクトルの原点です。 p = a + tu + sv 点Pの位置ベクトルはt,sをうまく決めてやれば右辺のように書ける、ということですね。 x、y、z軸を考えましょ…

運動エネルギーを表す式を求める

質量mの物体が速度vで運動しているときの運動エネルギーを求めます。平面で考えますが、空間でも同様です。 としましょう。x軸方向、y軸方向の運動方程式です。それぞれの両辺に をかけて辺々加えると よって ここで、 の両辺をtで微分して よって これ…

異なる分母の既約分数の和は整数にならない

異なる分母の既約分数の和は整数になりません。これを示しましょう。3/2+10/3、1/3+5/8など、何となく明らかっぽい気もしますが、分かりませんよね。 和を考えましょう。通分して、 を得ます。もとの2つの分数はどちらも規約なのですからm,nは互い…

バスで起こった不思議な話……

通勤先の最寄り駅から学校まで、バスを使っていたことがあります。ある朝のこと。生徒はあまり使わないのですが、その日はたまたま女生徒が7,8人乗っていました。早い時刻ですし、しかも女子だし、まあ多分きっちりした真面目な生徒でしょう。学校に一番近…

ハッシュ値を試す

ハッシュ値について前、簡単に説明しました。 www.omoshiro-suugaku.com 「このデータは誰か改ざんしていないだろうか?」という疑問に対して、ハッシュ関数が答えてくれます。ハッシュ関数はチェックサムのようなものです。チェックサムとは、データ(数値…

第2回 2クラスで実施した試験の平均点に差があったら実力は違うと考えてよいのか?

前、平均点に差があれば実力に差があると考えてよいのか、考えました。そこでは等分散を仮定できない場合について書きました。 www.omoshiro-suugaku.com そして、分散が等しいと考えてよいのかどうか検定する方法もまとめました。 www.omoshiro-suugaku.com…

等分散の検定

1組、2組の数学の試験の点です。1列目が1組、2列目が2組です。 分散が等しいと言っていいかどうか、調べてみます。ネットを見ても記事によってあちこち違いがあったり、本も書き方が色々、Excelのデータ分析ツールの等分散の検定もパラメータの厳格な意味が…

四元数(しげんすう、クオータニオン)を使ってみる(5)

せっかく四元数が使えるようになったので、いくつか実験しておきます。高校では今は複素数が表す図形などについて少し勉強するようになっていますが、前は行列をやっていました。ぼくも行列を習いました。数学BとかCとかいろんな科目の間をいろんな単元が…

四元数(しげんすう、クオータニオン)を使ってみる(4)

前回までに四元数を使って空間の点を回転する方法について調べました。再度載せておきます。 試してみましょう……と言いたいのですが、手作業だと絶望的な気分になります。4項の和×3項の和×4項の和 で、勘弁です。Pythonで計算できるみたいなので、調べてやっ…