いぬおさんのおもしろ数学実験室

おいしい紅茶でも飲みながら数学、物理、工学、プログラミング、そして読書を楽しみましょう

数学

これでいいのか、対数微分法!?

以前の同僚の先生で、ぼくに割とよく質問してくれる人がいます。結構イヤなところ(数学上の議論で、前から何となく気になっていても「まあ、よいのだろう」などとあえて無視していた点など)をビシビシ突いてくるので面白いです。2,3日前の質問を紹介しま…

生徒に聞かれたことありませんか? 絶対値記号のまざった方程式

もう5月、1年生はそろそろ絶対値記号のまざった方程式や不等式を解く時期かも知れません。 |x - 3| = 2 を解きます。方法はいくつかあります。この問題なら次がやさしいでしょう。 x-3 =±2 x= 3±2 = 5, 1 上の解き方を生徒に教えた後、次の問題を解かせて…

プログラミングで、2つの変数の内容を他の変数を使わずに入れ換える方法

タイトル、分かりにくいでしょうか。例えば変数をx、yとしてx=a、y=bと代入されているとします。他の変数は使わず、xにbが、yにaが入っている状態にしたいのです。x=bとやればいいでしょ、……というのはナシ。使えるのはx、yと通常の四則と…

バタフライ演算を分かりやすく解説する!

FFTのバタフライ演算についてまとめます。「自分で勉強したけれど難しかった」という方、ご覧ください。前回、前々回の記事からの続きです。 www.omoshiro-suugaku.com www.omoshiro-suugaku.com FFT(高速フーリエ変換)とは、DFT(離散フーリエ係数)に高…

当たり前のことだけれど生徒が驚く話

3進法、5進法などの授業です。例えば3進法なら使う数字は0,1,2の3種類。なぜ3は使わなくてよいのでしょうか。「10進法なら0~9の10種類でしょ」と言えば生徒は「うん、うん」と納得はするようです。でもそれだけではなく、生徒にはもう少しお話ししてあげ…

共通テスト数学ⅡBの自転車の問題。やめた方がいいでしょう……

受験生の皆さん、お疲れ様でした。まだ先がありますが、とりあえず共通テストは終わり。しかし、ネットで評判を見るとⅡBの、特に自転車の問題がいろいろ言われているようですね。本文を載せたいところですが著作権でまずいでしょうから、まだ見ていない人は…

生徒にlog(-1)の話をしてみる

高校では真数(log x の x の部分)は正、ということになっています。 で log を定義しており、xにどんな実数を入れてもy>0であって、だから真数>0なのでした。 大学へ行くと次のオイラーの公式を習います。 i は虚数単位です。θ=π+2nπ(nは整数)を…

書籍『複素数とその関数』紹介。どうして複素数が高校の数学から消えたり現れたりする?

このシリーズ、結構古いのですが分かりやすく書いたものが多く、よく読んでいます。今回は複素関数論の本です。 複素数とその関数 (数学ワンポイント双書 33) 作者:酒井 孝一 共立出版 Amazon 「序言」には高校数学から複素数が消え、大学での複素関数論の講…

互いに素な2数に互除法を実行すると、最後に余りが1になる

www.omoshiro-suugaku.com ↑この記事の中で、「互いに素な2数に互除法を実行すると、最後に余りが1になる」という事実を使っています。一応、理屈を明らかにしておきましょう。 記事では互いに素な2数a,bに対して互除法を実行して次のようになったとして…

∇Fの図形的な意味を説明します

平面スカラー場を f(x, y) とします。つまり平面の各点に数値 f(x, y) が対応している、ということです。何のことはない、要するに z = f(x, y) という空間内の曲面があり、平面上の各点で高さ z が決まっていると思えばよいのです。実用では z は温度であっ…

べき級数の収束半径について少し

次の和をべき級数というのでした。このべき級数の収束半径について少し書いておきます。べき級数に対し -r < x < r の範囲で収束、|x| > r では発散というrがあり、これを収束半径と言います。なお、x=±rのときの収束発散は級数によっていろいろです。 …

スペースマウンテンの数、1年間に生まれるサルの数、1年間に生まれる恒星の数

前、スペースマウンテンが何台走っているのか計算する記事を書きました。 www.omoshiro-suugaku.com www.omoshiro-suugaku.com 今回、その復習もしますが、まるっきり同じ方法で解ける(けれど見かけは違う)問題を他に2題、紹介します。問題同士の意外なつ…

一般相対性理論を勉強する

ぼくは専門が数学なので物理のちゃんとした大学教育は受けておらず、1年生の時に多分理系で物理をやるための基礎みたいな内容の「物理学Ⅰ」、「物理学演習Ⅰ」(正確な科目名は忘れました)に出ていただけです。高校では物理は得意で、一番好きな科目でした。…

メネラウスの定理の使い方。どの三角形を相手にするか?

メネラウスの定理というのは以下のようなものでした。高校では数学Aで出てきます。三角形を直線が横切っているとき、次が成立します。 図では△ABCを直線DEが横切っています。証明や覚え方、例題などについてはよいサイトがたくさんあるので検索してみ…

最小自乗法の幾何学的な意味を考える

最小自乗法というのがあります。このブログでも何回か扱っており、大学でも実験レポートを書くときなどにも使ったりします。得られたデータをもっともよく表す直線を求めるとか。最小自乗法は、その理屈を理解すれば確かに誤差が最小になることは分かります…

クラメールの公式を導く

タイトルの通りです。連立1次方程式の解法なのですが、実際にこれを使って解いたりはあまりしないでしょう(行列式を求めるのが面倒だから)。しかし、知らないと線形代数の各種定理の証明などですぐ困る、そういう定理です。 まず復習から。 とします。この…

「3角関数」と書いてはいけないのか

今まで、授業では「3角比」、「3角関数」と書いてきました。10年くらい前でしょうか、上(エラーイ人たち)に出す書類に「3角関数」と書いたら「漢字で書いてください」と言われました。くだらない話だと思ったのでさんざん抵抗しましたが、疲れて結局漢字に…

万華鏡で見える図の構造

何だか大げさっぽい感じですが……いや、大変なことではありません。万華鏡というのは、長い長方形の鏡を3枚、鏡の面を内側にして三角形に貼り合わせて3角柱を作り、内部にいろんな形、大きさ、色のビーズなんかを入れて、覗いてきれいな模様を楽しむ、例のあ…

値が0になる整式で割り算してもよいのか

のとき、 の値を求めます。高校数学で見かける問題です。次のような説明があります。 を得ます。②を③の左辺で割って得られる のxに①を代入して、 となります。計算の途中、③を使っています。 参考書にもこんな風に書いてあるはずですが、ときどき生徒が と…

ベイズの定理を使って解ける問題をまとめました

授業がちょうど確率のところです。最近はプリント授業にしていて時間に余裕もあるし、まとめて2時間くらい、ベイズの定理(を使って解ける問題)をやっています。直に使うのはなかなか難しそうなので、例の表を使っています。 www.omoshiro-suugaku.com 問題…

転置行列の行列式の値を求める

行列式について少し書きました。 www.omoshiro-suugaku.com www.omoshiro-suugaku.com 今回は転置行列の行列式を考えます。行列Aの行列式の定義は次でした。 転置行列とはもとの行列の行と列を入れ換えた行列です。 この転置行列の行列式は となって、もとの…

電卓で、ルートキーを使って3乗根を求める方法をどう導くか

前、電卓のルートキーで3乗根を求める方法について書きました。 www.omoshiro-suugaku.com 10の3乗根を求めるのに使った式は次です。 この式からは が出るので、xは確かに10の3乗根です。しかしそもそも最初の式はどこから出てきたのでしょうか。このくらい…

行列式の分かりやすい定義。偶順列、奇順列を使う。

行列式とは何か。定義しましょう。この定義は次の本に載っていました。古いですが、素晴らしい本です。ぼくは最初、この本で勉強しました。 新数学対話〈1〉行列式 (1980年) 作者:石谷 茂 現代数学社 Amazon 普通、テキストでよく見かけるのは置換を用いたも…

行列式を、順列の符号を用いて定義する(1)

前、偶順列、奇順列の話を書きました。 www.omoshiro-suugaku.com 上の記事を見て偶順列、奇順列の復習をしておいてください。行列式を定義するのに使います。 奇順列をー1に、偶順列を1に対応させる関数εを考えます。εの値を順列の符号と呼びましょう。ε(偶…

連立1次方程式が解を持つための必要十分条件

連立1次方程式がどんなときに解を持つのか。高校で一般論は出てきません。整理しておきましょう。 実は、次が成立するのです。 証明しましょう。 まず右向き。 が解を持つことになります。ここで 行列のランクとは、行列の列ベクトルで線形独立なものの最大…

電卓で、ルートキーを使って5乗根を求める

前、電卓で3乗根を求める方法を説明しました。 www.omoshiro-suugaku.com 今回は5乗根の話です。例えば32の5乗根というのは5乗して32になる数で、2です(実数の範囲では2だけ。複素数の範囲では2を含め、5つあります)。では10の5乗根は? 5乗して10になる数…

授業で「スペースマウンテンは何台走っているか」説明しました

ディズニーランドのスペースマウンテン、あれはいったいドームの中で何台走っているのか。次の記事を始めとして、何回かブログで書いています。今回は、実際にどうやって授業で取り上げるのか、雰囲気をお伝えします。 www.omoshiro-suugaku.com 生徒が教科…

移動平均とは何か

コロナのニュースで「移動平均」という言葉を最近(?)聞くようになりました。何だろ?と思ったら、例えば最近7日分の感染者数の平均を毎日求めるようなとき、そう言うようです。確かに、1日ごとの変化を追いかけても、いろんな事情で変化の仕方は様々、偶…

1が出続けたサイコロは、次に振ると1は出にくいのか?

学生のときサークルの何人かで遊んでいて、サイコロが続けて3回、1の目だったことがありました。これを見た工学の先輩が「じゃあ、次に振ると1の目が出る確率は1/6より小さいね」と言ったのを聞いて、ぼくは耳を疑いました。理系ならなおさらですが、こうい…

デフィー・ヘルマン鍵交換を例え話で

面白い本でした。強くお勧めします。特にデフィー・ヘルマン鍵交換の例え話が気に入りました。もちろん例え話ですから限界はありますが、ポイントをよく捉えていて驚きました。ときどき生徒にも話します。面白がる子もいます。今回はこれを紹介します。今、…