いぬおさんのおもしろ数学実験室

おいしい紅茶でも飲みながら数学、物理、工学、プログラミング、そして読書を楽しみましょう

数学

生徒の質問。「対数の混ざった方程式で、真数条件に触れていない解答があるんですが……」

生徒の質問です。問題集で、次の問題の真数条件(真数>0)の扱いが違うと言うのです。 それぞれの解答は次のような感じです。 実は、教科書には という例題があり、この問題の解答では最初に真数条件 x-2 > 0 を書いています。そうすると、どうしても「なぜ…

ソフトマックス関数を微分する

すみません、この記事は周辺の知識がないと読みづらいと思います。機械学習、深層学習にソフトマックス関数というのが出てきます。今回はこれを微分したらどうなるか、という話です。ソフトマックス関数は次の通り。 ネットワークの出力層でユニットの値が …

書籍『ディープラーニングがわかる数学入門』紹介

ここのところ、機械学習の勉強をしています。ニューラルネットワーク、ディープラーニングも出てきます。これについては前、調べたことがあって、そのとき自分で数字認識まで実験しています。 www.omoshiro-suugaku.com www.omoshiro-suugaku.com 初めてだっ…

生徒の質問。2次関数の係数を決める問題

生徒から質問され、一瞬「あれ?」と思った問題です。 次の2次関数の最大値が6、最小値が3となるよう、a、bを定めてください。ただしa>0とします。 図は上のような感じになるはずですから、3a+b=6、-a+b=3 を連立してa=3/4が出ます。これは…

和集合の要素の個数の求め方

和集合の要素の個数を求めます。高校の数学Aの教科書では次のような説明が。 集合Xの要素の個数をn(X)で表すものとしましょう。このとき、 n(X∪Y)=n(X)+n(Y)-n(X∩Y) ……① です。各部分の要素数をa,b,cとおくと n(X∪Y)=a + b + c = …

書籍紹介『[改訂新版]ITエンジニアのための機械学習理論入門』

パターン認識の勉強を始めて、関係する「機械学習」について「そういえばこの辺、ちゃんと勉強したことなかったな……」と思い当たり、とりあえず何か読んでおこうか、と選んだ本です。 [改訂新版]ITエンジニアのための機械学習理論入門 作者:中井 悦司 技術評…

訂正版 球の体積を微分すると表面積に、円の面積を微分する円周になるのはなぜか?

ブログの内容に関する問い合わせをいただきました。次の記事に誤りがあるとのことでした。 www.omoshiro-suugaku.com 見てみると、面積を求める式として体積を求める式を書いているなど間違いが。ご指摘、ありがとうございます。次の通り訂正します。 ---…

西暦元年1月1日は何曜日だったのか

もう30年以上前のこと。週刊新潮か文春に面白い記事がありました。多分先輩の先生にもらったコピーだったかも知れません。自民党のある議員が富士通のオアシス30AXというワープロについているカレンダー機能で西暦元年の1月1日の曜日を調べたのだそう。若い…

スマホのカメラの「焦点距離」。誰か教えて……

スマホに付いているカメラの話です。多分「オートフォーカス」というやつですよね? つまり、ピントが合っているとかいないとか気にしなくてもシャッターを押すだけで写真が撮れます。それとは別に、被写体が映っているとき、画面をタップするとそこにピタリ…

基本行列Eのランクを調べる

ここのところ、「2枚の写真から立体を復元する」というテーマで勉強しています。前、それなりに時間をかけてやっており、そのとき書いた記事も結構あります。 www.omoshiro-suugaku.com 今回、もう少しきちんと勉強して知識を整理しておこうと思いました。 …

生徒は教員の計算ミスに気づくが自分の試験で気づかないのはなぜか

授業で結構計算ミスします。授業前にはノートを作って要所でそれを見ながら板書するのですが、丸写しするわけではありません。書いた式などを見ながらその場で計算して続きを書くことも多いのです。学生時代からもともと計算ミスは多い方なので、入試などで…

マチンの公式に似た自分の公式を導く!

以前、こんな記事を載せました。 www.omoshiro-suugaku.com 最後の方で「(マチンの公式のような、)自分の公式を導ける!」と書きました。試してみましょう。次がマチンの公式です。円周率をパソコンで計算するのに使われたりします。 このマチンの公式の導…

書籍『3次元回転』紹介

一時期、「写真からもとの立体を復元」ということで少し勉強してブログにも実験の結果などを載せていました。今回、コンピュータビジョンの勉強をさらにきちんとしようと考え、必要な数学、特に線形代数を復習しています。 この分野では立体の回転の話が出て…

これでいいのか、対数微分法!?

以前の同僚の先生で、ぼくに割とよく質問してくれる人がいます。結構イヤなところ(数学上の議論で、前から何となく気になっていても「まあ、よいのだろう」などとあえて無視していた点など)をビシビシ突いてくるので面白いです。2,3日前の質問を紹介しま…

生徒に聞かれたことありませんか? 絶対値記号のまざった方程式

もう5月、1年生はそろそろ絶対値記号のまざった方程式や不等式を解く時期かも知れません。 |x - 3| = 2 を解きます。方法はいくつかあります。この問題なら次がやさしいでしょう。 x-3 =±2 x= 3±2 = 5, 1 上の解き方を生徒に教えた後、次の問題を解かせて…

プログラミングで、2つの変数の内容を他の変数を使わずに入れ換える方法

タイトル、分かりにくいでしょうか。例えば変数をx、yとしてx=a、y=bと代入されているとします。他の変数は使わず、xにbが、yにaが入っている状態にしたいのです。x=bとやればいいでしょ、……というのはナシ。使えるのはx、yと通常の四則と…

バタフライ演算を分かりやすく解説する!

FFTのバタフライ演算についてまとめます。「自分で勉強したけれど難しかった」という方、ご覧ください。前回、前々回の記事からの続きです。 www.omoshiro-suugaku.com www.omoshiro-suugaku.com FFT(高速フーリエ変換)とは、DFT(離散フーリエ係数)に高…

当たり前のことだけれど生徒が驚く話

3進法、5進法などの授業です。例えば3進法なら使う数字は0,1,2の3種類。なぜ3は使わなくてよいのでしょうか。「10進法なら0~9の10種類でしょ」と言えば生徒は「うん、うん」と納得はするようです。でもそれだけではなく、生徒にはもう少しお話ししてあげ…

共通テスト数学ⅡBの自転車の問題。やめた方がいいでしょう……

受験生の皆さん、お疲れ様でした。まだ先がありますが、とりあえず共通テストは終わり。しかし、ネットで評判を見るとⅡBの、特に自転車の問題がいろいろ言われているようですね。本文を載せたいところですが著作権でまずいでしょうから、まだ見ていない人は…

生徒にlog(-1)の話をしてみる

高校では真数(log x の x の部分)は正、ということになっています。 で log を定義しており、xにどんな実数を入れてもy>0であって、だから真数>0なのでした。 大学へ行くと次のオイラーの公式を習います。 i は虚数単位です。θ=π+2nπ(nは整数)を…

書籍『複素数とその関数』紹介。どうして複素数が高校の数学から消えたり現れたりする?

このシリーズ、結構古いのですが分かりやすく書いたものが多く、よく読んでいます。今回は複素関数論の本です。 複素数とその関数 (数学ワンポイント双書 33) 作者:酒井 孝一 共立出版 Amazon 「序言」には高校数学から複素数が消え、大学での複素関数論の講…

互いに素な2数に互除法を実行すると、最後に余りが1になる

www.omoshiro-suugaku.com ↑この記事の中で、「互いに素な2数に互除法を実行すると、最後に余りが1になる」という事実を使っています。一応、理屈を明らかにしておきましょう。 記事では互いに素な2数a,bに対して互除法を実行して次のようになったとして…

∇Fの図形的な意味を説明します

平面スカラー場を f(x, y) とします。つまり平面の各点に数値 f(x, y) が対応している、ということです。何のことはない、要するに z = f(x, y) という空間内の曲面があり、平面上の各点で高さ z が決まっていると思えばよいのです。実用では z は温度であっ…

べき級数の収束半径について少し

次の和をべき級数というのでした。このべき級数の収束半径について少し書いておきます。べき級数に対し -r < x < r の範囲で収束、|x| > r では発散というrがあり、これを収束半径と言います。なお、x=±rのときの収束発散は級数によっていろいろです。 …

スペースマウンテンの数、1年間に生まれるサルの数、1年間に生まれる恒星の数

前、スペースマウンテンが何台走っているのか計算する記事を書きました。 www.omoshiro-suugaku.com www.omoshiro-suugaku.com 今回、その復習もしますが、まるっきり同じ方法で解ける(けれど見かけは違う)問題を他に2題、紹介します。問題同士の意外なつ…

一般相対性理論を勉強する

ぼくは専門が数学なので物理のちゃんとした大学教育は受けておらず、1年生の時に多分理系で物理をやるための基礎みたいな内容の「物理学Ⅰ」、「物理学演習Ⅰ」(正確な科目名は忘れました)に出ていただけです。高校では物理は得意で、一番好きな科目でした。…

メネラウスの定理の使い方。どの三角形を相手にするか?

メネラウスの定理というのは以下のようなものでした。高校では数学Aで出てきます。三角形を直線が横切っているとき、次が成立します。 図では△ABCを直線DEが横切っています。証明や覚え方、例題などについてはよいサイトがたくさんあるので検索してみ…

最小自乗法の幾何学的な意味を考える

最小自乗法というのがあります。このブログでも何回か扱っており、大学でも実験レポートを書くときなどにも使ったりします。得られたデータをもっともよく表す直線を求めるとか。最小自乗法は、その理屈を理解すれば確かに誤差が最小になることは分かります…

クラメールの公式を導く

タイトルの通りです。連立1次方程式の解法なのですが、実際にこれを使って解いたりはあまりしないでしょう(行列式を求めるのが面倒だから)。しかし、知らないと線形代数の各種定理の証明などですぐ困る、そういう定理です。 まず復習から。 とします。この…

「3角関数」と書いてはいけないのか

今まで、授業では「3角比」、「3角関数」と書いてきました。10年くらい前でしょうか、上(エラーイ人たち)に出す書類に「3角関数」と書いたら「漢字で書いてください」と言われました。くだらない話だと思ったのでさんざん抵抗しましたが、疲れて結局漢字に…