2019-09-01から1ヶ月間の記事一覧
『刑事コロンボ』は1968年からアメリカで始まったTV番組です。ニューヨーク市警、殺人課のコロンボ刑事が事件を解決するドラマです。コナン君、金田一君、金田一耕助、シャーロックホームズ、……刑事や探偵が活躍する物語の多くでは、最初に犯人が不明の殺人…
よく見かける問題。地球の半径は6371km=6371000mです。しかしいちいち数値を書くのも大変なのでRメートルと表すことにします。地球は完全な球であるとしましょう。今、赤道にロープをきっちり巻くことを考えます。 地球の半径はRですから、赤道の長さ、…
エルデシュの話をしましょう。ポール・エルデシュ(1913~1996)、天才数学者です。彼は数学に最大限の時間を割けるよう、妻も子供も仕事も趣味も家も持ちませんでした。粗末なスーツケースとビニール袋ひとつで大学や研究所を飛び回る生活を続け、知り合い…
古代ギリシャの3大作図問題のうちの角の3等分問題について書きましょう。「任意に与えられた角を定規とコンパスを用いて3等分せよ」というもので、1837年、これが不可能であることをワンツェルが証明しました。例えば60°という角は3等分できない、つまり20°…
太郎くんが目の前にいれば「あ、この人は太郎くんだ」とか分かります。しかし特にネット越しにメールかなんかのやりとりをしているだけでは「太郎くんだと思っていたら違うヤツだった!」なんてことが起こりかねません。「確かに太郎くんである」という保証…
もう少し時間ができたら量子力学を勉強してみたいと思っています。量子力学というのは電子やもっと小さい素粒子などの振る舞いについて研究する物理学の一分野です。量子コンピュータが実用化されれば現代の暗号は無力になりますし(例えば「大きな整数の素…
15パズルというのがあります。今時はみんなあまりやらないかも知れません。Aの状態からBの状態へ、移動可能なピースを動かして変化させる、というゲームです。 Aから、「12」のピースを上の隙間に移動して、「8」を「12」が動いたあとの隙間に移動して、……
前、相加平均と相乗平均について書きました。「平均」の定義は場面によって変わります。「この辺が全体の『真ん中』あたりかな?」というのが「平均」で、状況に応じて計算の仕方は変わるのでした。今回は別の平均、調和平均について書きましょう。 ある道を…
高校生のときは数学、物理が好きでした。成績は物理の方がよかったです。物理は公式を憶えて使い方のトレーニングをして……とやればまあそれなりにはなるんでしょうが、ぼくは公式は全部自分で導けるように勉強していました。「効率悪すぎ」と言われることが…
『幾何学』(清宮俊雄1988科学振興社モノグラフ)を紹介しましょう。題材は初等幾何ですが、定理の特殊化、一般化など、新しい定理の発見法についてたくさん説明してあります。「清宮」は「せいみや」と読みます。 余談ですが、ぼくは初等幾何は好きなんです…
余弦定理というのがありました。次のようなものです。図は鋭角三角形ですが、どんな三角形でも成立します。 A=90°の時はcosA=0なので、余弦定理は となってよく知られた三平方の定理です。余弦定理で、A=90°とした特別の場合が三平方の定理だということで…
新聞には毎日、日の出・日の入りの時刻が載っています。これは誰かが計算しているのです。どうやって? 実は、出没方程式というのがあるのです。sin δ sinφ+cosδ cosφ cost= sin k δ、φ、t、kはもちろんそれぞれ意味がありますが、ここでは説明しません…
ある先生が「授業が怖くなった」と言っていました。何のことかと思ったら……教科書に何気なく書いてあることでも、生徒に「どうして?」と突っ込まれたときに自分はちゃんと答えられないことがあるかも、みたいな意味です。確かに高校の教科書では、「~であ…
この前、スーパームーンが話題になりました。これから書くのは数年前のスーパームーンの話です。平成28年11月14日の夜は月が地球に最接近しました。月は地球の周りを楕円軌道を描いて回っており、離れたり近づいたりするのです。一番離れているときには40.7…
少し前、DVDBOXを買いました。『ガリレオⅡ』です。帝都大学理工学部物理学科の准教授、湯川学(福山雅治)が刑事の岸谷美砂(吉高由里子)の求めに応じて不思議な事件の捜査をし、物理学の知識を用いて次々に解決します。原作は東野圭吾。第1シーズンでは刑…
大学では1+1=2を証明するんですか、と聞かれました。「定理:1+1=2である」を直に示すわけではないけれど、近い話は出てきました。だいたいのところを説明しましょう。まず自然数とは何か、きちんと定義(約束)します。高校の授業では普通「1,2,3,………
今回はプログラミングのすすめ……ということで少し書いてみます。 「ゲームをするのが好き」も、いいことでしょう。ゲームをやらない人より、人生を面白くする何かを少なくともひとつ余分に知っているわけだから。しかし音楽だって聴くだけでなく自分で演奏す…
こんなグラフを持つ式が欲しかったのでした。 さて、前回出てきた次のグラフの式y=g(x-a)×h(xーb)を、 y=k(a,b,x)で表しましょう。 このk(a,b,x)と、 を使えば、最初のグラフの式は y=xk(0,1,x)+g(x-1)+k(0,0,x)ーk(1,…
こんなグラフを持つ関数の式を考えてみてください。もちろん場合分けをして「x<0のときはy=0、x=0のときはy=1、……」とやれば関数は定義できます。しかしここではこのようは場合分けはせず、1本の式で表すことを考えます。なお、答えはひとつではあり…
光速度はおよそ30万km/秒、今では中学生でも知っています。「光は1秒間で地球を7回り半する」というやつですね。古くはガリレオが弟子と離れた丘の上でランタンの灯を点滅させて測ろうとしたそうです。現代のぼくたちから見ると「お粗末な方法!」というこ…
ドレイクの式というのを紹介しましょう。これを使うと、この銀河系に知的な生命体が住む惑星が何個あるか、計算できます。いわゆる「宇宙人」のいる星が何個あるか、を求められるのです。「誰がなんと言おうと宇宙人は絶対にいる!」「そんなの、いるわけな…
a,bを整数、pを素数とするとき、 をそれぞれpで割った余りは等しい が成立するのでした。ここでnを自然数とし、上の定理でa=1、b=1+1+………+1(n-1個の和)とおけば、 をpで割った余りは等しいことが分かります。つまり をpで割った余りは等…
高校の数学ではあまり整数の問題は出てきません。まとまった時間、整数に関する体系的な説明はしないのです。他にやらなければならないことはたくさんあるから仕方ないんですが、面白いのに残念です……。暗号の理論に使われるなど応用面も広がりました。もっ…
割とNHKのテキスト、面白いのが多いです。『人生の意味の心理学 アドラー』(岸見一郎2016NHKテレビテキスト)を読みました。TVでも放送していたようですが、このテキストだけで分かるようになっています。アドラーという人の始めた心理学の解説です。例えば…
ここのところ(10年とか20年とか)SFアニメも考証がしっかりしていて、いろいろ勉強になります。面白いのもたくさんあるし、「おお、未来ではこんなことが可能になるのか」とか「未来では自然科学をこういう形で仕事にしている人たちがいるんだ」とか創造…
『親切な代数学演習―整数・群・環・体』(加藤明史2002現代数学社)を紹介しましょう。 代数学をちゃんと勉強すれば「5次以上の代数方程式には解の公式がない」という定理が証明できるようになります。この本は大学の理系で数学を1年も勉強した後ならある程…
若い天才的なポーカーの勝負師、ミシシッピ川流域一帯で『シンシナティ・キッド』と呼ばれている男が名人位獲得の野心に燃え、30年にわたるタイトル保持者に挑戦します。1930年代のアメリカが舞台の映画です。アメリカの古い映画にはこんな感じのが結構…
問題: tがすべての実数値をとるとき、直線 が存在する平面上の領域を図示しなさい。 ------------------------- ありがちな問題です。例えばt=1だったら、①はy=xとなります。そこで、xy平面に直線y=xを描きます。t=…
3角形が4角形の手前にあります。3角形は一部が4角形に隠されて見えます。コンピュータで描画する場合、隠れて見えないはずの線や面を描いてはいけません。隠線処理、隠面処理と言います。方法はいくつかありますが、すぐ思いつくのは視線の通る3角形上の点…
正多面体の話です。正多面体とは、合同な正多角形を貼り合わせてできあがる立体のことです。正多角形というのは正3角形、正方形、正5角形…のこと。図は全て正多面体です。 実は正多面体にはこれだけの種類しかありません。例えば正100面体などはないのです…