ぼくは専門が数学なので物理のちゃんとした大学教育は受けておらず、1年生の時に多分理系で物理をやるための基礎みたいな内容の「物理学Ⅰ」、「物理学演習Ⅰ」(正確な科目名は忘れました)に出ていただけです。高校では物理は得意で、一番好きな科目でした。
……と、状況を一応分かっていただいたところで、書籍を紹介しましょう。
あまりよくない読み進め方かも知れませんが、ぼくは一般相対性理論に関係ありそうなところだけを順に読んでみました。目次の「計量」、「球面上の内在的幾何」、「曲面の曲率」、「ガウスの基本定理」、「測地線」までは一応理解できました。しかしその次、「曲がった時空」から全く分からなくなりました。少し先の「写像」の「接ベクトルと微分」辺りを見てみましたが、やはり分かりません。こうなるともう読み進められませんから、とりあえず諦めました。見えない厚い壁にぶつかって「ガン!」と衝撃を受けたような感じです。
「読み方が悪い」とか「この本を読んで分からないなら、他の何を読んでも分からないでしょう」などと言われるかも知れません。amazonのコメントを見るとなかなかよさそうです。これほど分かりやすい本はない、くらいは書いてあったかも。ただ、お分かりかと思いますが、こうした「分かりやすい」「分かりにくい」といったコメントは当てにならないことがあります。人によって知識や思考力など、バックグラウンドが全く異なるからです。「練習問題もよく考えて配置してあり、全部解くとよい」みたいな書き込みもあったかと思います。しかしこれも大学で物理をやってきた人ならよいのかもですが、この本には解答が載っていません。だから分からない問題は分からないままです。残念。ゼミなんかで、先生に聞ける状況ならまた別でしょうが。
ネットでは、まず『多様体の基礎』を読みましょう、と書いているサイトが見つかりました。
たまたま持っていたので読み始め、344ページのうち74ページまで進みました。著者の松本先生は「読者としては、大学2,3年級の学生を念頭においた」と書いています。ぼくは他にも松本先生の本は読んでおり、説明は丁寧で分かりやすく、文体が優しい感じで読んでいて疲れない、という印象です。この分野は、別の本ですが大学で勉強したはずです。しかしすっかり忘れており、いい機会です。ここでしっかり復習しておくつもりです。
さっきのサイトでは『多様体の基礎』の次に微分幾何のテキストを読みましょう、とあります。易しそうなのを探します。
一般相対性理論は、分野としては物理に属するのでしょうから(大学でも物理学科などの授業で出てくるし)、数学のテキストでガッチリ知識を積み上げて……というやり方は向かないのかも知れません(大変すぎて)。例えば……FFT(高速フーリエ変換)などは裏にある理屈は全部理解しようとすると相当大変です。ε-δ論法もガンガン出てきます。でもそうしたからと言って物理的な意味がより分かるのかというと、まあそういうわけでもないでしょう。しかし分野、テーマによっては数学からのアプローチの方がいいこともあると思います。一般相対性理論は実はそういう例なのかも知れません。いずれ結果報告します。
勉強していると「やっぱり数学はいいなあ」と感じます。