いぬおさんのおもしろ数学実験室

おいしい紅茶でも飲みながら数学、物理、工学、プログラミング、そして読書を楽しみましょう

2020-12-01から1ヶ月間の記事一覧

昔のプログラミング、割込み、……

手元に『インターフェース』1989年1月号のおかむらみちお氏(多分「岡村」)の割り込みに関する記事の一部のコピーがあります。ファイルに綴じてずっと持っています。章、節は次の通りです。 3 アセンブラでの割込み 3.1 アセンブラの問題点 3.2 割込み用テ…

解答集を配らない教員

最近の問題集は解答も大変詳しく、高校生向けのものは別冊になっていることも多いと思います。高校生向けでも大学生向けでも、自分が勉強するときに大変ありがたいです。 教員がよく「答えを生徒に配るとすぐに見てしまって勉強にならない」と言います。どう…

音の実験で試したいこと、『書きたい人のためのミステリ入門』紹介

以前、このブログで音の実験を続けてやっていて、結果を記事にしていました。 例えば こういう実験です。↓ www.omoshiro-suugaku.com 面白かったです。wavファイルに記録されている音楽を使っています。音楽データは、(wavファイルのタイプによりますが)-…

基底を入れ換えると係数はどう変わるか

アインシュタインの規約を用いてもう少し定理を証明してみます。その前に、まずは行列で見てみましょう。 基底を入れ替えたとき、係数はどう変わるでしょうか。次の問題を考えます。 これで一応、分かりました。 これをアインシュタインの規約を用いてやって…

マスク着用の実効再生産数への影響について

17世紀、ヨーロッパでペストが大流行しました。イギリスでも、ニュートンが通っていたケンブリッジ大学は2年間、休校になったそうです。ニュートンは実家ののあるウールスソープ村に戻り、そこで研究をして万有引力の法則を発見しました。この期間は「創造的…

『一般相対性理論を一歩一歩数式で理解する』紹介

少し休みも取れて、何を勉強しようかな、と古い本をいろいろ見ています。面白かったのですが忙しくて途中でやめてそのままの本もあります。これです。 一般相対性理論を一歩一歩数式で理解する 作者:俊全, 石井 発売日: 2017/03/27 メディア: 単行本 一般相…

『初歩からのシャーロック・ホームズ』紹介

ホームズをいくつか読んで「おお、これはなかなか良さそう」などと思った人にお勧めしたい本です。目次は次の通り。 第1章 初めてのシャーロック・ホームズ第2章 華麗なる登場人物たち第3章 ホームズが活躍した「舞台」(時代と地理)第4章 「正典」紹介第5章 …

計量テンソルとは何か

例を用います。平面の極座標を考えましょう。 x = r cos θ、y = r sin θ というものでした。偏導関数を求めておきます。 これらを成分に持つ、次のようなベクトルを考えます。 これは後で使います。 平面上でごく近い2点間の距離を求めます。 ①から②までは全…

方程式とは何か。恒等式とは何か。

下手をすると、まさかどこかの試験に等式を2種類に分類する問題があったりしませんか……? 「次の等式は方程式か、恒等式か。方程式なら1、恒等式なら2を解答欄に書きなさい」みたいな。さすがにこれはないか……? 方程式と恒等式、観点が違います。方程式はも…

『1回しか言わないからよく聞け!』について

余弦定理の授業です。余弦定理とは、3角形ABCに対して成立する定理で、次のようなものでした。 なお、∠Aの対辺をaなどとおいています。もちろん証明もしますが、ぼくはまずこの式を憶えさせます。本当に文字通りにこれを憶えても意味はありません。実際の三…

バブルソートとは何か

バブルソートについて書きましょう。これは数値の組を大小順に並べ替える方法のひとつです。前回クイックソートの話をしました。クイックソートは「最速」ということになっています。 www.omoshiro-suugaku.com しかしバブルソートは遅いのです。バブルソー…

クイックソートとは何か

データを大小順に並べ替える作業、ソートはデータ処理の様々な場面で使われ、アルゴリズム(算法。明確な手順)はたくさんあります。バブルソート、基本選択法、ヒープソート、クイックソート、……。バブルソートなどはロジックは分かりやすいけれど効率が悪…

「先生は授業以外に何をしているんですか?」

生徒に「授業のないときは何をやってるんですか?」などと言われます。「遊んでるんですか?」とも。違います、違います……。生徒はあまり知らないようですが、教員は授業だけやっていればいいというわけではありません。ふざけて「そう、コーヒー飲んでるん…

連立3元1次方程式を解く(アインシュタインの規約を使う)

3元連立1次方程式を解きます。行列で次のように書きましょう。 成分で書いておきます。成分の添え字は行を上付き、列を下付きで書きます。前々回の続きです。 www.omoshiro-suugaku.com あるいは とも書けるのでした。アインシュタインの規約を使っています…

ランダムドットステレオグラム……?

ランダムドットステレオグラムというのをご存じですか。名前は知らなくても、見たことはあると思います。白黒だったりカラーだったり色々ですが、「ランダムドット」であって、ちゃんとした模様にはあまり見えません。でも、しばらく見つめていると、2次元の…

アインシュタインの規約とは何か

3次の正方行列A、Bを考えます。成分は以下の通りだとしましょう。 積ABを考えます。積の定義によると つまり、 ということです。 この添え字ですが、みんなで約束しておけばどこに書いてもよいので例えば行列Aの i, j 成分を のように表しても問題ないはずで…

111に電話をかけるとどうなるか?

子どもの頃、多分小学校の1年か2年くらいのことです。いわゆる黒電話が家にありました。ぼくは時々、思い立っては111にダイヤルしていました。あ、若い人は電話のダイヤルって分からないかも知れませんが、昔の電話は指でダイヤルを回して電話をかけていたの…

ガソリン車がなくなる? エンジンは?

国内の新車販売に関し、2030年代半ば以降はガソリンだけで走行する車以外の「電動車」とする目標を設定する方向……というニュースを聞きました。いきなり思い切ったことを言い出したなあ……という印象です。専門ではないですし、体系的な知識を持っているわけ…

万有引力の法則から惑星の軌道は円錐曲線になることを導く

ここまでで惑星の運動について調べ、動径方向の運動方程式、面積速度一定の法則などを明らかにしてきました。 www.omoshiro-suugaku.com 次は上の記事にある式です。 rを時間で微分して、 さらに時間で微分して これを①に代入します。②も使います。 よって …

書籍『物理のための数学 』紹介

今読んでいる『キーポイント力学 (物理のキーポイント (1))』(吉田春夫1996岩波書店)の巻末に力学の本が紹介されています。参考文献というのではなく、著者が「この分野を勉強するならこの本を勧める」みたいな感じに書いています。そのうちの1冊です。 ぼ…

万有引力の式をケプラーの法則から導く

前回、中心力の仮定とケプラーの第1法則(惑星は楕円軌道を描く)から万有引力が距離の2乗に反比例することを示しました。 www.omoshiro-suugaku.com rは焦点からの距離、mは惑星の質量、hは面積速度の2倍(面積速度はh/2でした)、l(小文字のエ…

万有引力は物体までの距離の2乗に反比例することを導く

楕円 は、極座標で書くと となります。ここで各変数は なのでした。図は下の通りです。 です。F、F’は楕円の焦点です。 もうひとつ、準備。前の記事を参照してください。 www.omoshiro-suugaku.com というのがありました。⑦は動径方向の運動方程式です。⑨の…

中心力のもとで運動する物体の面積速度は一定である

中心力とは、空間内の点Pに働く力で常に定点Oを向いているものを言います。物体に中心力しか働いていないとき、その物体の面積速度は一定です。面積速度とは単位時間に線分OPが掃く面積です。中心力が動径OPの長さの2乗に反比例しようが、OPに比例しようが、…