教員の世界でも、各職場でローカルルールは必要です。いちいち「これはどうしたらいいんだろうか」と考えるのは時間の無駄だからです。イヤなのは前の「前の職場はこうだった」とこだわる人とか、「このルールは絶対だ」みたいに言い出す人がいることです。何回か書きました。
今回は別のローカルルールを紹介しましょう。
①教科や部活動の連絡を担任に頼んではいけない
数学の授業で生徒に渡しそびれたプリントを「配布しておいてください」と担任に渡すことがあります。その他、生徒に連絡して欲しいことがあったりします。もちろん数学の授業中に解決できれば一番ですが、そうはいかないことだってあるのです。それでも「極力避けてください」と言われることがあり、初めてだとビックリします。それが担任の仕事でしょ? 自分のクラスの生徒の面倒を見るとはそういうことでしょう。個人がそういうことを言っている場合、多分どこかでそういう価値観を学んで来たんですね。学校全体がそうなら、最初に「こうすべきだ」と言った人がいてそういう習慣になった、ってことでしょうか。部活動の連絡だって、ぼくも顧問をやっていましたし分かりますが「部活のことは部活で」と考えます。でも仕方ないことだってあります。それを目の色を変えて「ダメだ!」とか言うからおかしいのです。
②職員室に生徒を入れてはいけない
学校によりますが大抵職員室があり、教員はそこで何か仕事をしています(教科の部屋(「数学準備室」、「数学研究室」)も大抵あり、ここにいることが多い学校も)。ある学校で、着任間もないぼくが生徒を職員室に呼んで作業をさせていたときのこと。体育の先生に「生徒は職員室に入れないでください」と注意されました。先生が部活の生徒を呼んで何か連絡したりする様子を見たこともあったので「どうしてそれはよいのか、長い時間だとダメなのか、何分ならいいのか」というようなことを聞きました。そうしたら怒ってどこかへ行ってしまいました。管理職からそういう指示は受けていませんし、知らないルールです。職員室に入れてはいけない、というのは一応分かります。教員同士で生徒指導の話、家庭の話など、他の生徒に聞かれてはまずい話をすることがあります。机の上に成績の一覧が置いてあることもあるし、確かに無制限に生徒が入るとよくありません。しかし、まずい話をするときは周りに注意しますし、生徒が近くに来ると「ちょっと待ってね」と書類を裏返したりするのです。一律、「とにかくダメ」というならもちろん言われたとおりにしますが、そうなるとこれは相当不便です。数学の質問に答えるのも、その他教員に用があって生徒が来たときにも、いちいち外に出なければなりません。
ルールは尊重するけれど、理屈で考えて「これはおかしい」「これはよい」と判断することは必要だと思います。