いぬおさんのおもしろ数学実験室

おいしい紅茶でも飲みながら数学、物理、工学、プログラミング、そして読書を楽しみましょう

書籍『技術者のための線形代数学 大学の基礎数学を本気で学ぶ』紹介

今、「写真から3次元の立体を復元する」というテーマで勉強しています。線形代数が必要な分野で、こちらも並行して勉強し直しています。行列のランク、対称行列の対角化、特異値分解、……といったことが分かっていないと議論について行けません。今回紹介する…

書籍『ゼロから作るDeep Learning』紹介

まだこのブログで紹介していなかった素晴らしい本です。『ゼロから作るDeep Learning』です。 ゼロから作るDeep Learning ―Pythonで学ぶディープラーニングの理論と実装 作者:斎藤 康毅 オライリージャパン Amazon 何回か話題にしている数字認識の実験のセッ…

書籍『ディジタル画像処理』紹介

重いし大きいし値段も高めなので、買うとき「うーん……、どうしよう」と考えました。 ディジタル画像処理 [改訂第二版] 公益財団法人画像情報教育振興協会(CG-ARTS協会) Amazon 索引まで含めて479ページ。読み終わってからレビュー、としていたら何年もかか…

ソフトマックス関数を微分する

すみません、この記事は周辺の知識がないと読みづらいと思います。機械学習、深層学習にソフトマックス関数というのが出てきます。今回はこれを微分したらどうなるか、という話です。ソフトマックス関数は次の通り。 ネットワークの出力層でユニットの値が …

書籍『深層学習』紹介、雑談

今、これを勉強しています。 深層学習 (機械学習プロフェッショナルシリーズ) 作者:岡谷 貴之 講談社サイエンティフィク Amazon 第2版もありますが、ぼくが読んでいるのは第1版です。前、数字認識のプログラムを書いたとき大変参考になりました。解説は丁…

書籍『ディープラーニングがわかる数学入門』紹介

ここのところ、機械学習の勉強をしています。ニューラルネットワーク、ディープラーニングも出てきます。これについては前、調べたことがあって、そのとき自分で数字認識まで実験しています。 www.omoshiro-suugaku.com www.omoshiro-suugaku.com 初めてだっ…

書籍『棋士とAIはどう戦ってきたか~人間vs.人工知能の激闘の歴史』紹介

新学期が始まりました。皆様、いかがお過ごしでしょうか。 2017年の本で、買って読まずにそのままだったのを通勤電車で読み始め、2日で読み終わりました。大変面白かったです。 棋士とAIはどう戦ってきたか~人間vs.人工知能の激闘の歴史 (新書y) 作者:松本 …

書籍紹介『[改訂新版]ITエンジニアのための機械学習理論入門』

パターン認識の勉強を始めて、関係する「機械学習」について「そういえばこの辺、ちゃんと勉強したことなかったな……」と思い当たり、とりあえず何か読んでおこうか、と選んだ本です。 [改訂新版]ITエンジニアのための機械学習理論入門 作者:中井 悦司 技術評…

パターン認識の本、読み始め!

『わかりやすいパターン認識 第2版』について書きました。 www.omoshiro-suugaku.com 現時点で 第1章 パターン認識とは第2章 学習と識別関数第3章 誤差評価に基づく学習 までしか読んでいません。第4章からは統計が入ってきて、難しそうに見えたのでいったん…

勉強のための本を選ぶときの決め手

よさそうな本だけれど、買おうか買うまいか、それとも古本にしちゃおうか、借りて済まそうか……。迷うことがあります。あるいは近い内容の本が2冊あって、どちらにしたらよいか決めかねているとか。 ぼくはまず目次をザッと見て前書き、後書きを読みます。勉…

基本行列Eのランクを調べる

ここのところ、「2枚の写真から立体を復元する」というテーマで勉強しています。前、それなりに時間をかけてやっており、そのとき書いた記事も結構あります。 www.omoshiro-suugaku.com 今回、もう少しきちんと勉強して知識を整理しておこうと思いました。 …

書籍『3次元回転』紹介

一時期、「写真からもとの立体を復元」ということで少し勉強してブログにも実験の結果などを載せていました。今回、コンピュータビジョンの勉強をさらにきちんとしようと考え、必要な数学、特に線形代数を復習しています。 この分野では立体の回転の話が出て…

FFTの書籍紹介。次の勉強は……

以前簡単に紹介しました。ここのところ、FFTの使い方をずっとまとめていて、頻繁に使っていた本です。 Pythonで学ぶ実践画像・音声処理入門 作者:伊藤 克亘,花泉 弘,小泉 悠馬 コロナ社 Amazon 第3章「音声のフーリエ変換」は14ページだけですが、ここでFFT…

バタフライ演算を分かりやすく解説する!

FFTのバタフライ演算についてまとめます。「自分で勉強したけれど難しかった」という方、ご覧ください。前回、前々回の記事からの続きです。 www.omoshiro-suugaku.com www.omoshiro-suugaku.com FFT(高速フーリエ変換)とは、DFT(離散フーリエ係数)に高…

FFTの原理、バタフライ演算の分かりやすい解説書!

FFT(高速フーリエ変換)を勉強中の皆様! 大抵の本に「バタフライ演算」というものが出てきますよね。難しいです。たくさんの本があり、筆者の先生方は頑張って易しく書いてくださっていると思うんですが、ぼくには難しいです。PythonならNumPyやSciPyに…

書籍『複素数とその関数』紹介。どうして複素数が高校の数学から消えたり現れたりする?

このシリーズ、結構古いのですが分かりやすく書いたものが多く、よく読んでいます。今回は複素関数論の本です。 複素数とその関数 (数学ワンポイント双書 33) 作者:酒井 孝一 共立出版 Amazon 「序言」には高校数学から複素数が消え、大学での複素関数論の講…

ベクトル解析、電磁気学……

ここ2ヶ月くらい、結構集中して勉強しています。まずベクトル解析(ベクトルの微分積分)。テキストはマセマです。 ベクトル解析キャンパス・ゼミ 改訂6 作者:馬場敬之 マセマ出版社 Amazon 演習 ベクトル解析キャンパス・ゼミ 作者:馬場 敬之 マセマ出版社 …

∇Fの図形的な意味を説明します

平面スカラー場を f(x, y) とします。つまり平面の各点に数値 f(x, y) が対応している、ということです。何のことはない、要するに z = f(x, y) という空間内の曲面があり、平面上の各点で高さ z が決まっていると思えばよいのです。実用では z は温度であっ…

『『名探偵ポワロ』完全ガイド』紹介

これまた凄い本です。 『名探偵ポワロ』完全ガイド (星海社新書) 作者:久我 真樹 星海社 Amazon 1990年代から放送されていた『名探偵ポワロ』の全70話の解説書です。ポワロの原作者はイギリスの推理作家、アガサ・クリスティです。ポワロはベルギー人で元警…

書籍『パブリック・スクールと日本の名門校』紹介

タイトルの通り、イギリスのパブリック・スクール(と日本の名門校)の成り立ち、教育について分かりやすく書いた本です。パブリック・スクールがどんなものなのかほとんど知らなかったので読んでみました。大変面白い本でした。 パブリック・スクールと日本…

べき級数の収束半径について少し

次の和をべき級数というのでした。このべき級数の収束半径について少し書いておきます。べき級数に対し -r < x < r の範囲で収束、|x| > r では発散というrがあり、これを収束半径と言います。なお、x=±rのときの収束発散は級数によっていろいろです。 …

書籍『演習 微分積分 キャンパスゼミ』紹介

ここのところ微積分の復習をしていて、今は重積分の演習。大きな本屋さんの大学数学のところにはマセマ(出版社)の参考書がたくさん平積みになっています。売れているんでしょうね。ぼくも何冊も持っていて、勉強させてもらってます! 今回は微積分の演習書…

書籍『早すぎた男 南部陽一郎物語 時代は彼に追いついたか』紹介

この前読んだ『フォン・ノイマンの哲学』が面白かったので、本屋さんで見つけたやはり科学者の伝記を衝動買いしました。 早すぎた男 南部陽一郎物語 時代は彼に追いついたか (ブルーバックス) 作者:中嶋 彰 講談社 Amazon おなじみのブルーバックス(講談社…

書籍『テンソル 科学技術のために』紹介

ここのところ、ずっとこれを読んでいます。全部で202ページ、そのうちの182ページまでたどりつきました。素晴らしい本でした。一般相対性理論に必要なテンソルの勉強です。 テンソル(石原繁 著) 科学技術のために 作者:石原 繁 裳華房 Amazon Amazonのレビ…

書籍『フォン・ノイマンの哲学 人間のフリをした悪魔』紹介

凄い本でした! 数学史が好きな人には強力にお勧めします。 フォン・ノイマンの哲学 人間のフリをした悪魔 (講談社現代新書) 作者:高橋昌一郎 講談社 Amazon 天才数学者、フォン・ノイマンの伝記です。数学者の話ですからもちろん用語など、分かっていた方が…

一般相対性理論を勉強する

ぼくは専門が数学なので物理のちゃんとした大学教育は受けておらず、1年生の時に多分理系で物理をやるための基礎みたいな内容の「物理学Ⅰ」、「物理学演習Ⅰ」(正確な科目名は忘れました)に出ていただけです。高校では物理は得意で、一番好きな科目でした。…

書籍『藤井聡太論 将棋の未来』紹介

生徒は夏休みが終わりました。ぼくも本は結構読みました。最近買ったのがこれ。 藤井聡太論 将棋の未来 (講談社+α新書) 作者:谷川浩司 講談社 Amazon ここのところ将棋の藤井聡太の活躍がすごいです。将棋はぼく自身も指しますし、羽生が7冠を制覇した頃(1…

転置行列の行列式の値を求める

行列式について少し書きました。 www.omoshiro-suugaku.com www.omoshiro-suugaku.com 今回は転置行列の行列式を考えます。行列Aの行列式の定義は次でした。 転置行列とはもとの行列の行と列を入れ換えた行列です。 この転置行列の行列式は となって、もとの…

『知っていそうで知らないノーベル賞の話』紹介

久しぶりに「これだよ、これ!」と思った本です。 ぼくたちは簡単に「ノーベル賞」と言います。でもよく考えてみるとノーベル賞についてほとんど何も知らないことに気づきます。せいぜい「ダイナマイトの発明者、ノーベルがその遺産で作った賞」くらいでしょ…

『C#ポケットリファレンス』紹介

最近、コンピュータ言語はC#ばかりを使っており、このリファレンスは大変重宝しています。 レビューを見ると意見はいろいろのようですが、個人的には素晴らしい! リファレンスのことに限りませんが、よく「その程度の情報はネットで手に入る」みたいな主張…