そろそろ量子力学に手をつけようかな、と思っています。大分前に買っておいたテキストがあります。
評判よさそうだし、前書きに「高校程度の数式を前提として」とありますのでそれも気に入りました。
前、バルマー系列の話を書きました。
物理学者ボーアはこれを説明するために量子条件を考えたのだそうです。量子条件は2つあり、ひとつは2πr=nλです。水素原子は原子核と電子1個から成りますが、電子は原子核から好きな距離のところを回れるわけではなく、この式で制限される半径rの円軌道だけなのだ、と言うのです。nは自然数、λは電子が波であると考えたときの波長、電子波の波長です。角運動量を使った説明もありますが、ぼくは多分高校では電子波の波長、ということで教わった記憶があります。いずれにせよ、ボーアは水素原子ではさっきの式を満たす半径でしか電子は回れない、と考えたのです。この式は軌道の長さ(原子核を中心とした円の円周)が電子波の波長の整数倍である、ということを主張していますよね。確かに、少しでもズレれば波が回っているうちに互いに打ち消し合って何だか消えそうな気もします。でも他の点でぼくは違和感がありました。「電子波が原子核の周りを円軌道に沿って回るんだろうか?」ということです。それでも量子条件を仮定するとバルマー系列の式がきれいに出てくるのですから、何かの形で事実を正確に表しているとしか考えられません。面白い……!! 何がどうなってこんな簡単な式を仮定しただけでうまくいってしまうんでしょうか。
実際にボーアが言ったのは「電子波が円軌道に沿って進む」なんて単純なことではないのかも知れません。ぼくは専門ではないので勘弁。ともかくここから量子論が始まって、現代では量子暗号や量子コンピュータまで、量子論抜きの科学はもうあり得ないのでしょう。ぼくは大学は物理専攻ではではなかったですし、知識としては高校レベルで止まってしまっています。面白そうなので始めてみます。