いぬおさんのおもしろ数学実験室

おいしい紅茶でも飲みながら数学、物理、工学、プログラミング、そして読書を楽しみましょう

数学

フェルマーの極値の求め方

フェルマーは関数の極値の求め方を知っていたようです。「フェルマーの最終定理」で有名なあのフェルマーです。フェルマーは17世紀のアマチュア数学者です。彼は「3以上の整数nに対し、を満たす整数x、y、zは存在しない」と予想しました。そして、「この…

差が7000万以下の素数の組は無数にある

自然数(1,2,3,…)のうち、1は素数ではありません。これは約束です。そう約束したい理由はありますが、ここでは略。残る2,3,4,…で、1と自分自身以外の数では割りきれない数を素数というのでした。例えば7は素数ですが、6は素数ではありません。6は2や3…

抜き打ち試験のパラドックス

ある高校の2学年、あるクラスで「近く数学の抜き打ち試験を行う」とアナウンスされました。しかしこれに対し、数学科のA教諭、そして生徒の一部から「試験の実施は不可能である」とクレームが出ました。主張は以下の通りです。 抜き打ち試験はどんなに遅く…

半径1の円周上に間隔1で無数に点を打つと、どんなに短い弧の上にも点がある

半径1の円があります。円周は2πですね。円周上に定点Aをとります。Aをスタートし、円周上を(円周に沿って)距離1ずつ左回りに回る点Pを考えましょう。Aから始め、円に沿って距離1だけ回ったところの点を、そこから距離1だけ回ったところの点を、……と…

地球の赤道にロープを巻きます……

よく見かける問題。地球の半径は6371km=6371000mです。しかしいちいち数値を書くのも大変なのでRメートルと表すことにします。地球は完全な球であるとしましょう。今、赤道にロープをきっちり巻くことを考えます。 地球の半径はRですから、赤道の長さ、…

角の三等分問題

古代ギリシャの3大作図問題のうちの角の3等分問題について書きましょう。「任意に与えられた角を定規とコンパスを用いて3等分せよ」というもので、1837年、これが不可能であることをワンツェルが証明しました。例えば60°という角は3等分できない、つまり20°…

3彩色問題で本人の確認をする

太郎くんが目の前にいれば「あ、この人は太郎くんだ」とか分かります。しかし特にネット越しにメールかなんかのやりとりをしているだけでは「太郎くんだと思っていたら違うヤツだった!」なんてことが起こりかねません。「確かに太郎くんである」という保証…

15パズル

15パズルというのがあります。今時はみんなあまりやらないかも知れません。Aの状態からBの状態へ、移動可能なピースを動かして変化させる、というゲームです。 Aから、「12」のピースを上の隙間に移動して、「8」を「12」が動いたあとの隙間に移動して、……

調和平均とは何か

前、相加平均と相乗平均について書きました。「平均」の定義は場面によって変わります。「この辺が全体の『真ん中』あたりかな?」というのが「平均」で、状況に応じて計算の仕方は変わるのでした。今回は別の平均、調和平均について書きましょう。 ある道を…

書籍『幾何学』(清宮俊雄)を紹介します

『幾何学』(清宮俊雄1988科学振興社モノグラフ)を紹介しましょう。題材は初等幾何ですが、定理の特殊化、一般化など、新しい定理の発見法についてたくさん説明してあります。「清宮」は「せいみや」と読みます。 余談ですが、ぼくは初等幾何は好きなんです…

A=45°、A=60°の三角形で成立する式

余弦定理というのがありました。次のようなものです。図は鋭角三角形ですが、どんな三角形でも成立します。 A=90°の時はcosA=0なので、余弦定理は となってよく知られた三平方の定理です。余弦定理で、A=90°とした特別の場合が三平方の定理だということで…

書籍『日の出・日の入りの計算-天体の出没時刻の求め方』の紹介

新聞には毎日、日の出・日の入りの時刻が載っています。これは誰かが計算しているのです。どうやって? 実は、出没方程式というのがあるのです。sin δ sinφ+cosδ cosφ cost= sin k δ、φ、t、kはもちろんそれぞれ意味がありますが、ここでは説明しません…

大学では1+1=2を証明するのか

大学では1+1=2を証明するんですか、と聞かれました。「定理:1+1=2である」を直に示すわけではないけれど、近い話は出てきました。だいたいのところを説明しましょう。まず自然数とは何か、きちんと定義(約束)します。高校の授業では普通「1,2,3,………

こんなグラフを持つ式を考えてください(2)

こんなグラフを持つ式が欲しかったのでした。 さて、前回出てきた次のグラフの式y=g(x-a)×h(xーb)を、 y=k(a,b,x)で表しましょう。 このk(a,b,x)と、 を使えば、最初のグラフの式は y=xk(0,1,x)+g(x-1)+k(0,0,x)ーk(1,…

こんなグラフを持つ式を考えてください(1)

こんなグラフを持つ関数の式を考えてみてください。もちろん場合分けをして「x<0のときはy=0、x=0のときはy=1、……」とやれば関数は定義できます。しかしここではこのようは場合分けはせず、1本の式で表すことを考えます。なお、答えはひとつではあり…

フェルマーの小定理(2)

a,bを整数、pを素数とするとき、 をそれぞれpで割った余りは等しい が成立するのでした。ここでnを自然数とし、上の定理でa=1、b=1+1+………+1(n-1個の和)とおけば、 をpで割った余りは等しいことが分かります。つまり をpで割った余りは等…

フェルマーの小定理(1)

高校の数学ではあまり整数の問題は出てきません。まとまった時間、整数に関する体系的な説明はしないのです。他にやらなければならないことはたくさんあるから仕方ないんですが、面白いのに残念です……。暗号の理論に使われるなど応用面も広がりました。もっ…

ガロア理論を解説した分かりやすい本

『親切な代数学演習―整数・群・環・体』(加藤明史2002現代数学社)を紹介しましょう。 代数学をちゃんと勉強すれば「5次以上の代数方程式には解の公式がない」という定理が証明できるようになります。この本は大学の理系で数学を1年も勉強した後ならある程…

直線が掃く平面上の領域

問題: tがすべての実数値をとるとき、直線 が存在する平面上の領域を図示しなさい。 ------------------------- ありがちな問題です。例えばt=1だったら、①はy=xとなります。そこで、xy平面に直線y=xを描きます。t=…

正多面体は5種類しかない

正多面体の話です。正多面体とは、合同な正多角形を貼り合わせてできあがる立体のことです。正多角形というのは正3角形、正方形、正5角形…のこと。図は全て正多面体です。 実は正多面体にはこれだけの種類しかありません。例えば正100面体などはないのです…

グロンスフェルト暗号の解き方

SF作家、ジュール・ヴェルヌは『十五少年漂流記』、『海底二万マイル』などで有名です。暗号が出てくるものがあります。『ジャンガダ(大(おお)筏(いかだ))』です。推理小説には暗号がよく出てきます。しかし難しい暗号はあまりありません。解くのが難し…

西暦Y年M月D日の曜日を求める(3)

すでに書いたとおり、西暦p年からq年まで(p<q)のうち、閏年は[q/4]-[(p-1)/4]-([q/100]-[(p-1)/100])+[q/400]-[(p-1)/400]回あります。1976年は閏年ですが、3月1日(月曜)を1番の日(N=1)と考えていますからこの年について…

西暦Y年M月D日の曜日を求める(2)

季節の1周にはだいたい365.2422日かかります(地球の公転周期が365.2422日、ということ)。半端ですね。しかしちょうど365日でキッカリ季節が1周、なんて方が逆に不自然でしょう。今、日本で使われている暦はグレゴリオ暦と言います。グレゴリオ暦ではだい…

西暦Y年M月D日の曜日を求める(1)

何回かで万年カレンダーの話をしましょう。年月日を入力すれば曜日が分かるサイトがあちこちにあります。どうやって計算しているのか、ということです。方法はひとつではありません。ここで紹介する方法は基本的に『数と図形の話』(岩堀長慶1978岩波科学の…

3×4、4×3のどちらが正しいのか?

「先生にバツにされた!」とかネットで時々話題になっています。4人にあめを3個ずつ配るとき、全部で何個、あめが必要か。3×4か、4×3か? 3個のあめを4人分なんだから3×4が正しい? 故・矢野健太郎先生(数学者)がエッセイに書いていました。矢野先生が微分…

遅刻者数の変化

A高校の生徒数を1000人としておきましょう。4月8日の遅刻者をx人とするとその日の非遅刻者は1000-x人ですね。遅刻したx人は担任に怒られて翌日はその9割が非遅刻者になるとしましょう。残る1割は懲(こ)りずにまた遅刻します。そして4月8日の非遅刻者10…

リシャールのパラドックス

リシャールのパラドックスというのを紹介しましょう。パラドックスとは、正しそうな仮定、正しそうな理屈なのに出てくる結果がおかしい、そんな議論のことです。自然数xに関する条件は無数にありますが、それを残らず考えます。条件には1番から順に番号をつ…

コナン君の蝶ネクタイ型変声機の原理

アニメ『名探偵コナン』の主人公、コナン君の蝶ネクタイはただの蝶ネクタイではありません。「蝶ネクタイ型変声機」ということになっています。彼は自分の推理を披露する際によく「腕時計型麻酔銃」で毛利探偵を眠らせ、自分の声を変声機で毛利探偵の声に変…

最小2乗法とはどんなものか

何かの実験をしたとしましょう。x軸、y軸を描きます。 例えば、図1のような結果です。実験結果ですから誤差は避けられません。結果の点は一直線上には乗っていませんね。このとき、ある人は「x、yの関係はこれだ!」と図2のように直線を引くかも知れませ…

ビエトの数学記号

数学の本を開くと、Σ、∫、f(x)、………といくらでも記号が現れます。意味がパッと伝わるように、間違えにくいように、簡潔に表現できるように使われるのです。しかし数学の記号のありがたみを分かっていない人も多いと思います。なにしろ生まれたときから数学…