いぬおさんのおもしろ数学実験室

おいしい紅茶でも飲みながら数学、物理、工学、プログラミング、そして読書を楽しみましょう

書籍『親切な代数学演習』紹介

 新しい職場にもある程度慣れ、何も聞かなくてもあれこれできるようになってきました。こうなると、非常勤ですし気持ちにも余裕が生まれます。ゲームを1本書き終えてひと月経ったのですが、その間、次に何を書くか迷いながらゲームに役立てるべくシェーダのプログラミング、DOTweenの実験などやっていました。

www.omoshiro-suugaku.com

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しばらくゲームばかり書いていたので、実験と並行して前に読んだ代数の本も読み直し始めました。前、記事にしたこともありました。

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 また書きます。この本、やはり分かりやすいです。中学、高校レベルの整数論から始まり、他に何かを前提とすることなく最終的にはガロア理論の「5次以上の代数方程式に解の公式は存在しない」まで解説しています。もともと抽象的で難しい話であるはずなのに、なぜこんなに分かりやすいんだろうか、と考えると……説明が丁寧というのはもちろんなんですが、その他にも作りがよいのだと思います。全体を27のセクションに分け(「置換群」、「共役関係」、「体の拡大」、……)、それぞれのセクションでは最初に「SUMMARY」としてそのセクションで勉強することを簡潔にまとめてあります。そして各セクションではSUMMARYに書いてあることを示すべく、問いが並びます。本を開いて左のページに問い、右のページにその解答が書いてあります。こうすると、今何をやっているのかが明確になります。問い、解答の形式にするというのはそういうことなのです。問いを順番に解いてゆくことでだんだんゴールへ近づきます。amazonで購入者が書いたコメントに「各問題を解くのに必要な定理は必ずそれ以前の別の問題で証明されていて……」とありますが、その通り。無責任に問題だけポン!と書かれていることもなく、易しい問題でも解説があります。個人的には「これはどういうことだろう?」と考え込んで自分で理屈を補わなければならならない部分も結構ありましたが、いや、それでこそ面白いというか、この過程が数学の勉強なんですよね……。群についてある程度理解しているなら、「環と体」から「Galois拡大」までの6セクション(90ページ程度)、だけ読めばゴールにたどり着けます。この6セクションの中に、議論に必要な線形代数が1セクション入っているので、自信のある人は5セクション分を読めばOKです。

 

 代数はやはり楽しい、と思って前に買ってまだ読んでいない本もあるので、こちらも読みます。

これもamazonでよいコメントが並んでいます。よさそうです。

 

 面白いことがいろいろあります!!