いぬおさんのおもしろ数学実験室

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コミックス『ガラスの仮面』紹介

 連載開始以来50年も経っており、今も続いているコミックスがあります。『ガラスの仮面』です。

ガラスの仮面 1

ガラスの仮面 1

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ここ10年とか20年とかはときどき(5年に1冊?とかかも)発売されるくらいのペース。名女優であった月影千草が、平凡に見える少女、北島マヤに天才的な演劇の才能を見いだし、女優に育てます。マヤはライバル姫川亜弓とともに成長し、伝説の舞台「紅天女」を目指します。表現など、現代のコミックスと比較すると時代を感じる部分はあるのですが、内容は凄いです。努力とは何か、情熱とは何か分かります。ぼくは今でもアニメはよく見ますし、コミックスも読みます。比べると、その辺の薄っぺらな漫画など吹っ飛びます。
 名言、至言(しげん)、箴言(しんげん)もいくつも出てきます。マヤのライバル亜弓は才能もあり、天才と呼ばれます。一方マヤはいつも自分の演技に自信を持てないのですが、亜弓は本当の天才はマヤであることに気づいています。亜弓は人並み外れた努力をし、成功を収めているのです。月影先生は「自信と闘争心…亜弓さんにあってマヤにないもの……才能を生かすも殺すもこの二つにかかっているといっても過言ではないわ」と言い、マヤに荒療治を施すことになります。
 マヤを陰ながら支える大都芸能の社長、速水真澄は小さい頃から社長になるべく帝王学をたたき込まれます。義理の父、先代の社長である速水英介はまだ小さい真澄に「笑って近づいてくる人間は疑ってかかれ!」「牙はいつも研いでおけ!」と教えます。ぼくは卒業アルバムなどにコメントを求められたときこの「牙はいつも研いでおけ!」を使います。試験でも進路の決定でも何でも、「このくらいでいいや」と思った瞬間から堕落が始まります。どこでどのように自分の実力を試されないとも限りません。「この分野では負けない!」という気概が大事です。……とそんなつもりの「牙はいつも研いでおけ!」です。
 そう言えば……体育祭で使う、「パン!」と鳴るピストルの弾(細長い紙にところどころ火薬がセットされている)の(商品の)箱に「危険であることを忘れないうちは安全である」と書いてありました。至言です……。「今、危ないものを扱っているのだ」という意識が大事なのです!
 あ、「至言」は真理を的確に言い当てた言葉、「箴言」は戒めや教訓となる言葉だそう。今回の「牙は……」は「箴言」ですね。