いぬおさんのおもしろ数学実験室

おいしい紅茶でも飲みながら数学、物理、工学、プログラミング、そして読書を楽しみましょう

アドラーの心理学、精神分析

割とNHKのテキスト、面白いのが多いです。『人生の意味の心理学 アドラー』(岸見一郎2016NHKテレビテキスト)を読みました。TVでも放送していたようですが、このテキストだけで分かるようになっています。アドラーという人の始めた心理学の解説です。例えば…

SFアニメに出てくる科学技術

ここのところ(10年とか20年とか)SFアニメも考証がしっかりしていて、いろいろ勉強になります。面白いのもたくさんあるし、「おお、未来ではこんなことが可能になるのか」とか「未来では自然科学をこういう形で仕事にしている人たちがいるんだ」とか創造…

ガロア理論を解説した分かりやすい本

『親切な代数学演習―整数・群・環・体』(加藤明史2002現代数学社)を紹介しましょう。 代数学をちゃんと勉強すれば「5次以上の代数方程式には解の公式がない」という定理が証明できるようになります。この本は大学の理系で数学を1年も勉強した後ならある程…

正多面体は5種類しかない

正多面体の話です。正多面体とは、合同な正多角形を貼り合わせてできあがる立体のことです。正多角形というのは正3角形、正方形、正5角形…のこと。図は全て正多面体です。 実は正多面体にはこれだけの種類しかありません。例えば正100面体などはないのです…

グロンスフェルト暗号の解き方

SF作家、ジュール・ヴェルヌは『十五少年漂流記』、『海底二万マイル』などで有名です。暗号が出てくるものがあります。『ジャンガダ(大(おお)筏(いかだ))』です。推理小説には暗号がよく出てきます。しかし難しい暗号はあまりありません。解くのが難し…

科学史(ニュートン、シルバーシュタイン)

今でも読みますが、高校生の頃はもっと読んでいました。数学史、科学史の本です。どうも高校生はこうしたものに触れることの効果を過小評価しているように思えます(違っていたらすみません)。しかし効果を云々(うんぬん)する前に、自分が進みたい分野が過…

西暦Y年M月D日の曜日を求める(1)

何回かで万年カレンダーの話をしましょう。年月日を入力すれば曜日が分かるサイトがあちこちにあります。どうやって計算しているのか、ということです。方法はひとつではありません。ここで紹介する方法は基本的に『数と図形の話』(岩堀長慶1978岩波科学の…

メガスター、大平貴之氏

『プラネタリウム男』(大平貴之2016講談社現代新書)を読みました。小さい頃からプラネタリウムが好きで自分で作ろうとしていた大平貴之氏が、個人で古くからあるメーカーの機械を遙かに凌ぐ性能の「メガスター」を開発します。投影できる星が170万個だった…

リシャールのパラドックス

リシャールのパラドックスというのを紹介しましょう。パラドックスとは、正しそうな仮定、正しそうな理屈なのに出てくる結果がおかしい、そんな議論のことです。自然数xに関する条件は無数にありますが、それを残らず考えます。条件には1番から順に番号をつ…

数式を入力できる電卓の仕組み

100均の電卓で「2+3×4=」と打つと「2+3×」の段階で「5」と表示され、続けて「4=」と打つと「20」と出ます。数式の計算としては誤っていることに注意してください。正解は14です。×、÷は+、-に優先して計算しなければならないのでした。しかし電卓は入…

最小2乗法とはどんなものか

何かの実験をしたとしましょう。x軸、y軸を描きます。 例えば、図1のような結果です。実験結果ですから誤差は避けられません。結果の点は一直線上には乗っていませんね。このとき、ある人は「x、yの関係はこれだ!」と図2のように直線を引くかも知れませ…

インタプリタを作る

専門ではないので説明が曖昧な部分もありますが、勘弁してください。ぼくはソフトを書くのが趣味なんですが、何年か前、インタプリタ作りにはまっていました。とにかく面白かったです。 例えばCという言語では、for(i = 1, s = 0; i <= 10; i++){ s += i;}と…

πの求め方を、流れだけ説明(2)

前回、πを求めるためのライプニッツの級数を紹介しました。しかしこのライプニッツの級数は、がんばって計算しても細かな値まで求めるのは非常に大変なのです。1000項計算しても3.14までしか求まらないそうです。きれいな式ですし、理論的には十分なんですが…

条件文「pならばq」はどんなとき真になり、どんなとき偽になるのか

条件文について書いてみます。p、qを命題とします。命題とは真偽が定まっている式や文でした。「私は人間です」や「1=3」は命題です。それぞれ、真の命題、偽の命題と言うのでした。しかし例えば「ワンワン!(犬の鳴き声)」とか「ふー、やれやれ(疲れ…

GPSのない時代に海上で経度をどう求めていたか

今ではGPSがあり、自分がどこにいるのかリアルタイムで分かります。しかし昔はそうではありませんでした。例えば海上では暗礁(あんしょう)など危ないところもありますし(実際に事故も多かった)、測位(自分がどこにいるのか、位置を求めること)の技術が…

グーグルの社員募集広告

2004年、アメリカのシリコンバレーの高速道路脇に「{first 10-digit prime found in consecutive digits of e}.com」という看板が出たそうです。日本語に訳すと「{自然対数の底(てい)eの中の連続する10桁の最初の素数}.com」です。少し意味が取りづらいかも…

テキスト『線形代数セミナー』紹介

『線形代数セミナー-射影,特異値分解,一般逆行列-』(金谷健一2018共立出版)の紹介です。これは凄い本です。工学などへの応用で出てくる行列は対称行列が多いそうです。この対称行列の固有値分解、特異値分解、一般逆行列などについて大変分かりやすい…

円周率を有理数で近似する

円周率を有理数(分数)で近似してみます。円周率は無理数なのでした。有理数ではないのですから整数/整数の形には書けません。しかし円周率に近い有理数ならいくつもあるのです。 を示しましょう。 連分数の扱いに慣れていればいいんですが、ここでは基礎…

矢野健太郎先生の数学エッセイ

矢野健太郎という数学者がいました。1912年生まれ、1993年没。専門は微分幾何学(微分を使って図形の性質を研究する、数学の一分野)です。高校生向けの参考書も書いており、ぼくもお世話になりました(『解法のテクニック』って、今もあるかな?)。今でも…

『ニュートンに消された男 ロバート・フック』

『ニュートンに消された男 ロバート・フック』(中島秀人2018角川ソフィア文庫)を読みました。 ニュートンに消された男 ロバート・フック (角川ソフィア文庫) 作者: 中島秀人 出版社/メーカー: KADOKAWA 発売日: 2018/12/22 メディア: 文庫 この商品を含む…

sin3°の値の範囲を求める

アリスタルコス(紀元前310年~紀元前230年頃、古代ギリシャの天文学者、数学者)は太陽と地球の間の距離を求めるため を示したそうです。関数電卓によるとsin3°≒0.05233595……なので、確かに成立はしています(1/20=0.05、1/18=0.0555……)。sinの値のう…

銀河系で毎年恒星は何個ずつ生まれているのか

ぼくたちが住んでいる地球は太陽系(太陽と、水星~海王星)に属しており、太陽系はさらに大きいグループ、銀河系に属しています。太陽のように自分で光を出す星を恒星と言い、恒星は銀河系内で毎年生まれたり死んだりしています。で、問題。この銀河系では…

ディープラーニングで数字認識

「2」という文字を(デジタルカメラで)写真に撮ってパソコンに見せ、パソコンに「この写真に写っているのは『2』という数字である」と判断させることを考えます。流行の「文字認識」(ここでは数字認識)というやつです。 写真を見てそこに「2」と書いてある…

電卓で、ルートキーを使って3乗根を求める

3乗根の話です。例えば8の3乗根というのは3乗して8になる数で、2です(実数の範囲では2だけ。複素数の範囲では2を含め、3つあります)。では10の3乗根は? 3乗して10になる数です。2だと3乗しても8、3だと3乗したら27だから大き過ぎ。2.××××……という数でしょ…