最近、コンピュータ言語はC#ばかりを使っており、このリファレンスは大変重宝しています。
レビューを見ると意見はいろいろのようですが、個人的には素晴らしい!
リファレンスのことに限りませんが、よく「その程度の情報はネットで手に入る」みたいな主張を(ネットで!)見かけます。本質を捉えていないように思います。そりゃそうでしょう、今時、本に載っているどんな情報だってネットのどこかにはあります。でも初心者は無数にあるサイトのどれが自分にとって分かりやすいのか、よいものなのか、判断できないのです。「この本を見れば大丈夫」という安心感、これは大事なことです。ある程度慣れてくると「ネットにある」みたいに言いたくなるのかも知れません。そうなのでしょうが、特に初心者は違うのです。
もうひとつ、ネットの情報はまとまっていません。1ヶ所に全てが書いてあるわけではないのです。必要な文法があのサイトのここ、あっちのサイトのあそこ、……みたいにバラバラに散らばっています。正確な文法、短いサンプルプログラムを一気に見たいのにネットではそうはいきません。
今回紹介した『C#ポケットリファレンス』はもちろんそうした条件を満たしています。ぼくは手元に置き、すぐ参照できるようにしています。
「短いサンプルプログラム」と書きましたが、これは最も重要です。初心者は、場合によっては中級者であっても飾り立てたサンプルプログラムから「大事な部分はここだ」と判断するのは難しい。ありがたいのは、1行でも減らしたら動かなくなる、ギリギリまで短くしたコードです。飾り方は他の本で、あるいはネットで勉強すればよいことです。文法も大事なのでしょうが、ぼくはあまり参考にしません。短いちゃんとしたサンプルなら、どうすれば考えたとおりに動いてくれるのか(ある意味文法以上に)正確に教えてくれます。文法それ自体は理解が難しいことだってあり(特に初心者)、具体例を見て「ああ、そういう意味なんですね」と分かるなんて日常茶飯事です。
初心者は「どうしたらよいのか」がまとまった本が欲しいのです。