いぬおさんのおもしろ数学実験室

おいしい紅茶でも飲みながら数学、物理、工学、プログラミング、そして読書を楽しみましょう

『調性で読み解くクラシック』紹介

  音楽とは何か、調・調性とは何か、調によって何が変わるのか、……などなど音楽番組などではなかなか聞けない話がギッシリです。ぼくはクラシック音楽が好きで、それと絡めた話も多く楽しめました。

 少し前、音楽の先生に「調が違うと印象とか、何か変わるんですか?」と聞いたら「全然違います」。以来、何がどうなっているのか気になっていました。この本には「ハ長調は明るく輝かしい」、「ニ短調は単調の中で最もよく響く」、「ホ長調はのどかな響き」、……など、ことによると著者も最初に断っているとおり個人の感じ方なのかも知れませんが、そんなことも書いてあります。ぼくに音楽の知識がなく、結局イマイチ分からなかったのですが、どうもぼくの理解では「使っている楽器が調によってはよく響き(例えば弦楽器なら開放弦が多く使われるから、とか)、すると明るく聞こえる」みたいなことらしいです(しっかりした人が読めばまた違うのかも知れませんが)。でも、もしそうならまずい気がします。つまり、例えば現代の科学で楽器の音を合成したら「響きにくい」などはなくなるかも知れません。そういう音で演奏すると「響きにくく、暗い印象」ではなくなったりするのでしょうか。あるいはギターなど、弦楽器ばかりの合奏だってありますが、聴いた印象はどうなるのでしょうか。純粋に「調によって印象が変わる」ことを確認したければ、楽器の特徴が反映されてしまうような判定法はうまくありません。少なくとも、同じ音楽を使い、「この調には向かない」みたいな楽器は使わないことが必要でしょう。

 それでも他に音階の作り方、平均律、この音楽は○○調、西洋の音階と日本の音階など音楽についてさまざまなことがたくさん書いてあり、面白かった!