いぬおさんのおもしろ数学実験室

おいしい紅茶でも飲みながら数学、物理、工学、プログラミング、そして読書を楽しみましょう

音楽は調によって雰囲気が変わるのか

 学生時代、ぼくは音楽サークルに入っていました。クラシックギター平均律(どの音も、2の12乗根倍の周波数にすると半音上がる)の楽器だったからなのか、例えばロ短調ホ短調の違いは全ての音を単純に半音いくつ分か上げるか下げるかしているだけで、音楽としては同じ……と思っていました。フォークギターではカポタストをはめ、半音いくつか分を上げて演奏しますが、「まるっきり違う曲だ!」なんてことにはなりませんよね。 同じ音楽です(少なくともぼくにはそう思えます)。しかし、各調にはそれぞれ特徴があるのだ、ということを主張する人がいます。音楽の先生に聞いたことがあるのです。そのことなのかどうかまだ分かりませんが、ハ長調は「明るく真っ白なイメージで開放的」、ホ長調は「のどかな響きで自然をイメージさせる」とような話が次の本にあるらしいです。

吉松氏は作曲家です。読んでみたいと思います。本当に半音ずつ上がっただけで同じ音楽が「牧歌的」とか「輝かしい」とか「陰鬱」などと変わるならこれは不思議な事実と言えるでしょう。とりあえず読んで考えます。ぼくが知りたいのはそれなりの根拠です。

 お世話になった人と別れるとき姿が見えなくなってもお辞儀をしているとか、どう考えても人目につきにくいところもきれいに掃除するなど、事実上意味はなさそうですが気持ちの面ではまったく違う、といったことが世の中にはたくさんあります。「真空管のアンプは音がよい」、「レコードはCDよりも音がよい」、……みたいなのはどうなんでしょうか。レコードに針を乗せるときの音が左右のスピーカーからちょっと左右でズレたりして「プツッ」と聞こえるとそれは独特の雰囲気です。「レコードの方が音がよい」というのはそういう雰囲気の問題も含むのでしょうか。

 調の性質の方はどうなんでしょうか。やはり判断は難しいですよね。まずたとえば「輝かしい」音楽、というのは物理的に定義しづらいでしょう。そうなると「いや、私は輝かしいとは思わない」と言う人がいても不思議ではありません。でもコンピュータや物理、数学とはまた違った分野の話ですし、この辺の本はほとんど読んだことがありません。それなら得るものは多いと思います!