余弦定理というのがありました。次のようなものです。図は鋭角三角形ですが、どんな三角形でも成立します。
A=90°の時はcosA=0なので、余弦定理は
となってよく知られた三平方の定理です。余弦定理で、A=90°とした特別の場合が三平方の定理だということです。その意味では、三平方の定理よりも余弦定理の方が優れていると言えます。余弦定理さえ知っていれば三平方の定理は知らなくても済むのです。
いくつか、他の具体的な角で見てみましょう。
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A=45°のとき
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となります。A=45°の三角形ではこれが成立する、と憶えておいてもいいわけです。
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A=60°のとき
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となります。この場合もやはり、A=60°の三角形ではこれが成立する、と憶えておいてもいいわけですね。
なお、これらは余弦定理からでなく、別に示せます。例えばA=45°のときの式は、CからABへ垂線CHを下ろせば証明できます。次の通りです。
一般化された定理(ここでは余弦定理)の方がまあエライと言っていいんでしょうが、そう言い切れないこともあります。三平方の定理なんて、すごく単純でうれしいですよね。こんな風に、条件をつけたために簡単な式になったり、あるいは証明しやすくなったり、新しい性質が生まれたりすれば価値はあるわけです。A=45°のとき、A=60°のときの式は自分でも結構意外で、「へー!!」と思いました。