問題:
tがすべての実数値をとるとき、直線
が存在する平面上の領域を図示しなさい。
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ありがちな問題です。例えばt=1だったら、①はy=xとなります。そこで、xy平面に直線y=xを描きます。t=2だったらy=2x+3となります。これもxy平面に描きます。……と、これを繰り返すのです。最終的に、直線たちはどこに描かれたか明らかにせよ、そういう問題です。解答を2通り、挙げましょう。
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よく見かける解答:
tは実数なので、①を変形したtの2次方程式
は実数解を持つことになります。だから判別式をDとすると
が成立。よって
となります。
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どうもスッキリしない気が……。そこでもっとしっかりした解答を。まず先に例で見ておきます。具体的な点、1点くらいが①に乗っているかどうか分からないようでは領域を求めるなどできっこないですよね。例えばA(2,1)は問題の領域上にあるでしょうか。
①はA(2,1)を通る
で、最後の不等式は成立しますから、同値の記号をたどって①はA(2,1)を通ります。これを一般的な話にして、次の解答を得ます。
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しっかりした解答:
直線①が平面上の点(x,y)を通る
従って
となります。
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①が(x,y)を通るかどうかは、②が成立するかどうかで決まるわけです。つまり①が(x,y)を通るかどうかは
が成立するかどうかで決まるのです。つまりこの不等式の表す領域が(x,y)の存在する範囲です。
実はこれ、15年くらい前(?)、旺文社(?)の(意欲的な?)参考書で見た説明です。この本はもう手元にありません。記憶で書いています。「なるほど、スッキリした!」と感じたことは覚えています。旺文社。受験でも豆単とか蛍雪時代とか、ずいぶんお世話になりました……。懐かしい。