いぬおさんのおもしろ数学実験室

おいしい紅茶でも飲みながら数学、物理、工学、プログラミング、そして読書を楽しみましょう

SFアニメに出てくる科学技術

 ここのところ(10年とか20年とか)SFアニメも考証がしっかりしていて、いろいろ勉強になります。面白いのもたくさんあるし、「おお、未来ではこんなことが可能になるのか」とか「未来では自然科学をこういう形で仕事にしている人たちがいるんだ」とか創造力を豊かにすることができるのです。
 ブラックホールに人間の乗ったロケットが落ちてゆくのを外の人が見ていると、ブラックホールに近づくにつれて遅くなり、ブラックホールに突っ込むのを見ることはできません。でもロケットに乗っている人は「自分たちは通常通り(?)落ちている」と感じ、実際に落ちます。そういう表現をしているSFアニメがあります。ブラックホールの近くでは、強い重力のため時間の流れが遅く(このテーマで少し前に書きました)、こういうことが起こるのです。どのくらい遅いのかも計算できます。ワープ航法というのもあります。物体は光速(およそ秒速30万km)以上の速さで運動することはできません。しかしSFの世界では可能です。リメイクされた『宇宙戦艦ヤマト2199』では「ワームホールを人為的に発生させ、それを利用して実質的に光速を越える」ということになっています(なんだか凄い……)。ワームホールとは時空の2点をつなぐトンネルの出入り口……みたいなもの。専門外ですし実際にそういうものがあるのかどうか、知りませんが。バリア、シールドみたいなのもよく登場します。『2199』では「波動防壁」なるシールドが出てきます。効果は20分間、20分以内でも続けて攻撃されると貫通されたりします。「光子力バリア」、「ATフィールド」、「クラインフィールド」、……どれも原理はイマイチはっきりしませんが、敵のビーム兵器などから自身を守ります。仕組みを知りたいです。
 バカバカしい! ……と笑うのは簡単です。しかし大切なのは「そんな話があるのか。どうやったらできるんだろう?」と思うこと。すくなくともブラックホール辺りまで(ことによるとワームホール辺りまで)ならちゃんとした理屈はありますし、そこまで勉強すれば新たな景色に出会えるかも知れません。イメージだけでは仕方ありません、勉強してみましょう。

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例えば、上はアインシュタイン方程式と言います。宇宙の構造を考えたり、ブラックホールを調べるのにも使います。「キレイ!」、「何だか分からないが凄そうだ!」。何でもいい、ここで心が動くことが大事です。さっき書きましたが専門外です。だから間違いを書いているのでは……と怖いですが、大学で、理系なら2年生かそのくらいまで勉強した人が『リーマン幾何学入門 POD版』(矢野健太郎2006森北出版)を勉強するとアインシュタイン方程式の一歩手前まではたどり着けます(たどり着けました)。

リーマン幾何学入門 POD版

リーマン幾何学入門 POD版

 

最近はこの分野でも分かりやすい本が出ていて、何冊か読みました。その上でぼくはこれが一番だと思っています。

 書いていたら勉強し直してみたくなりました。