いぬおさんのおもしろ数学実験室

おいしい紅茶でも飲みながら数学、物理、工学、プログラミング、そして読書を楽しみましょう

フェルマーの小定理(2)

a,bを整数、pを素数とするとき、

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をそれぞれpで割った余りは等しい


が成立するのでした。ここでnを自然数とし、上の定理でa=1、b=1+1+………+1(n-1個の和)とおけば、

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をpで割った余りは等しいことが分かります。つまり

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をpで割った余りは等しくなります。再び同じ式変形で

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をpで割った余りは等しくなります。これを繰り返せば

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をpで割った余りは等しくなります。これで

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をpで割った余りが等しいことの証明ができました。まとめておきましょう。

 

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このとき

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はpで割り切れます。

ここで(n,p)=1(n,pの最大公約数が1)のときは

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がpで割り切れます。以上でフェルマーの小定理

 

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が得られました。証明の仕方は他にもあります。調べてみてください。前回書きましたが、この定理はあちこちに顔を出します。現代の暗号では数学を使います。整数論を使った暗号にはこの定理は必須です。がんばりましょう!