1991年の京大の入試問題だそうです。
イコール付きの不等号は「≦」ではありませんね。多分、実際に入試で出題されたときには「≦」だったのではないかと想像します(高校までの教科書ではこう書かれるから)。この問題はあるサイトで見かけたものです。管理している人が、載せるときに例えば自分が使い慣れている1本線の記号の方を使ったのかも知れません。同じ問題が、別のサイトでは「≦」となっていました。世の中に出回っているテキストでは、イコール付きの不等号は1本線の記号で書かれているものも少なくないと思います。
ノットイコールは高校の教科書では
のように、カタカナの「キ」みたいに書いてあります。しかしワープロでは「≠」と表示されます。またテキストによっては「≠」を使っているものがあります。縦棒を傾けず上下まっすぐに書かれていることもあります。
数列の総和を表すΣで、変化させる変数とその初期値を表す「k=1」などは、教科書ではΣの下に書かれています。
みたいな感じです。でもテキストによっては
のようになっていることがあります。Σの上下に書くとスペースを食うとか、あるいは少し古い本(1965年)なので当時の印刷技術の面で問題があったからとかの理由なのかも知れませんが。
ノットイコールについては数学の先生に「カタカナの『キ』が正しい」と言われたことがあります。驚いて教科書を見たら確かにカタカナの「キ」なんですね。おお………、知らなかった!! しかしつまらない話です。同じような感じで、イコール付きの不等号もΣの「k=1」も、恐らくその人は「これはダメ。直せ」とか言うでしょう。まあ、ぼくが彼の立場なら注意はすると思います。しかしそれは「そう書くのが正しい」と思っているからではありません。例えば「テキストによっては『≠』と書かれることもある。でも高校生だし、教科書は『キ』になっているし、そうしておけばだれにも文句を言われず安全だ」とか説明することと思います(例えば……の話です。実際にはノットイコールは注意しません……と言うか、全く気にしません)。
そもそも、議論したいのは数学の内容に関すること。「あなたのここの議論は甘い。こういう書き方だと不明確だ」とか「この証明の仕方ではこういうときに困るはず。こうした方がよりよいのではないか」とか、「この定理はこういうところが不思議だ」とか、そんな話をしたいのです。それが、ノットイコールの書き方って……。