いぬおさんのおもしろ数学実験室

おいしい紅茶でも飲みながら数学、物理、工学、プログラミング、そして読書を楽しみましょう

数学の実力とは

つい最近まで、複数の写真からパソコンを使ってもとの立体を再現する仕組みを勉強していました。「コンピュータビジョン」と呼ばれる分野の一部です。道具はそろったので実際に試してみるつもりです。この分野では、大学で勉強する科目で言うと線形代数というのが役に立ちます(線形代数とは……連立1次方程式に関わる理論、と言っておきましょう)。色々なところでもちろん数学は出てくるんだけれど、知っていることそのままではまず足りません。だから自分で不足を補いながら進めることになります。そのときに必要なのは何か。
学生時代には、数学の試験で点を取りたいときは先生の話を聞いて問題集の問題を練習しますよね。こいうときはこの公式をこう使う、みたいに。しかし違うのです。大事なのは知らない分野の本(専門書)を自分で読んで内容を理解する力です。賢い人たちはまた違うのかも知れませんが、ぼくはある意味「数学ができるかできないか」は「自分で本を読めるか読めないか」と同義だと考えています。若い人は今、理詰めで考えるトレーニングをしておきましょう。用語の定義を大事にし、証明は1行たりともおろそかにしないことです。そうしないと先の本など読めるはずがありません。定期試験で点を取れることと実力があることは別です。定期試験のための勉強は必要で、もちろんそれは数学の理解を助けるけれど、数学の実力は別のところにあるとぼくは思います。