いぬおさんのおもしろ数学実験室

おいしい紅茶でも飲みながら数学、物理、工学、プログラミング、そして読書を楽しみましょう

公式集のススメ

数学勉強法……ということで少し書いてみます。高校生の話を聞くと、中間試験、期末試験でも「公式を忘れた」なんて言っていることも多いという印象です。模試だと範囲も広いし、なおさらでしょう。人間はせっかく覚えたことでも放っておくとすぐに忘れてしまうもの。だから、勉強した内容をまとめたもの(短く、分かりやすく。自分がまとめたものでなくてもよい)を持っているのは大事なことです。ぼくたちが何かを初めて勉強するとき、その全体像はまだ分かっていません。そういう場合「どんな公式だっけ?」とか「公式が成り立つための条件は何だっけ?」とか「どんな風に使うんだっけ?」とか、特になりやすいものです。「(テキストの)本文を見ればいい」と、のんきに考えてはいけません。公式の導き方は証明を何度も読んで納得する。使い方は問題をたくさん解くことで身につきます。それとは別に、自分で公式集を作ってみるのがよいと思います。ぼくは今でも、勉強するときにはある程度まで進めたら定義、公式などを数枚の紙にまとめるようにしています。特に新しい分野を勉強していると「あの定理、どんな条件で成り立つんだっけ?」などということが30分に1回くらいずつ起こります。そんなときに、まとめたものを見るのです。情報はバラバラに、どこに何があるのか分からない状態になっていると役に立てるのは難しいのです。


高校生時代からお世話になっているのが『公式集』(春日正文1998科学振興社)。モノグラフシリーズの1冊です。高校数学全般をカバーしていて、基本的な問題の解き方もひと通り載っています。使いまくってボロボロになり、10年前に同じものをまた買いました。仕事を始めてからもすごく重宝しています。大学数学でも同じですが、すでに理解していることであっても、うまくまとまった解説、公式集が手元にあった方が絶対によいのです。