いぬおさんのおもしろ数学実験室

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解答集を配らない教員

 最近の問題集は解答も大変詳しく、高校生向けのものは別冊になっていることも多いと思います。高校生向けでも大学生向けでも、自分が勉強するときに大変ありがたいです。

 教員がよく「答えを生徒に配るとすぐに見てしまって勉強にならない」と言います。どうも本気らしいです。ここのところ少なくなってきた気もしますが、前はあっちにもこっちにもそういうことを言う人がいたのです。確かに、怠けたいと思っている学生だと宿題を出してもただ解答を写すだけだったりして、そういう意味ではあんまりよくありません。でも、じゃあそういう学生が解答なしで勉強して答えを書けるのかというと、多分難しいでしょう。どうも「解答があると生徒は勉強しなくなるのだ」と思い込んでいる人がいて、そう言われた周りの人が「ああ、そういうものかも」とマネをしていただけみたいなことなんじゃないか、とぼくはにらんでいます。

 授業で問題集を使うとき、解答を配ってあるとしゃべることがなくなる、と思っている教員がいるかも知れません。実際、それに近いことを言われたことがあります。これもまあ分からなくはないけれど、うまく説明を省略できることもあるし、時間に余裕ができて突っ込んだテーマを話すこともできます。解答に沿って話しながら、解答には書いていない部分にちゃんと触れればいいだけのことです。解答があると授業できないと言うなら教科書の例題の解説もできなくなります。ヘンな話です。

 ぼくはさっさと配った方がいいと思っています。初めて勉強する分野だと特に、答えがないと不安です。自分の経験で分かります。初めてだとその分野の全体像が分かっていません。部分部分で一応正しそうに見えても、分かっている人から見たら頓珍漢なことをやっている……ということがあるかも知れません。これまた「それを繰り返すのが勉強だ」とか言う人が現れるかも知れませんが、今時はみんな忙しいのですし、まずは正確な、使いやすい知識を頭に入れることが先です。面白いことはその先に山ほどあるのだから。

 2,3日か1週間くらい、重要な問題の一部分であるとか先につながる問題だとか、そんなのを「答えはしばらく教えないので考えてみて」というのはもちろんアリでしょう。そういうところで教員が大好きな「自分で考えさせる」を実現すればいいと思います(皮肉も2,3割込めていますが)。こういうことがあると楽しいものです。

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 問題集の解答は、配らなくても教員は困りません。でも勉強する人間の立場に立って考えれば、どうしたらいいのかということはすぐ分かります。詳しい解答の参考書や問題集が溢れているというのは、まあそういうことなのでしょう。ぼくとしては答えを配らない教員が学生時代にどうしていたのかが気になるところです。多くの人は答えを読みまくっていたんだろうと想像していますが。あ、想像です、想像。