子どもの頃、多分小学校の1年か2年くらいのことです。いわゆる黒電話が家にありました。ぼくは時々、思い立っては111にダイヤルしていました。あ、若い人は電話のダイヤルって分からないかも知れませんが、昔の電話は指でダイヤルを回して電話をかけていたのです。110番が警察だとかいうことは知っていましたが111番については聞いたことがありません。同じ番号が続くし、何となく
111番にかけていたんですね。何回かけても誰も出ませんでした。
ある日のこと。いつものように111にダイヤルすると、今までは誰も出なかったのに初めて相手が出ました!! そうしたら何と相手は男の声で、「船が出るぞー」と何回も繰り返すのです。ゾッとして震え上がりました。子どもの考えることですが、今にして思えば「怖い! けれど今、電話を切ったら真実が分からなくなる!!」という感じで体を硬くして我慢して聞いていました。そうしたら、4,5回「船が出るぞー」を繰り返した後、その人は「ボク、番号間違えてるんじゃないの?」と聞いてきたのです。ぼくはそこで受話器を置き、電話を切りました。怖い世界につながったのかも知れない、と怖さ7割、期待3割くらいだったと思いますが一気に現実に引き戻されました……。
どうも、今調べてみると、昔と今とでは違うのかも知れませんが「管理用の番号」みたいなものらしいです。ちゃんとつながるか確認するとか、かも知れません。
当時は科学少年、ってわけでもなく、色々なものを分解してしまう子どもでした。さんざんねだってようやく買ってもらったトランシーバーを分解して(元に戻せない状態に。コンデンサや抵抗なども足をねじ切ってしまったり)しまったときには「わー、とんでもないことをしてしまった!!」とたいへんな後悔をしたことを憶えています。何だか、本能で動いていた気がします……。
2020年12月9日(水)追記:
電電公社(昔のNTT)の皆様、ご迷惑をおかけしました……。