数学
三角関数の導関数の話をするとき、最初に出てくる極限値があります。次です。 x>0と考えれば十分です(x<0のときはx=ーtとおけばt>0となるので)。 図で、△OBD<扇形OBD<△OBA が成り立つので面積の公式から が成立です。ここでx→0とすればはさみ…
自然数全体の集合N、実数全体の集合Rはどちらも無限集合です。しかし同じ「無限」であっても程度があり、NよりもRの方が言わば「たくさんの無限」なのだ、という話を書きました。 数学の言葉では「Rの濃度はNの濃度より大きい」と表現します。 www.omoshiro-…
数Ⅱの恒等式の問題です。どう解きますか? ----------------- がxの恒等式になるよう、a,b,cを定めなさい。 ----------------- 右辺を展開して係数を比較、とやってもいいですが、数値を代入する方法もあります。恒…
1歩で1段か2段のぼることのできる人が10段の階段をのぼります。何通りののぼり方があるでしょうか。なお、例えば1,1,1,1,2,2,2(1段ずつ4歩、2段ずつ3歩の順にのぼる)と1,2,1,2,1,2,1(1段、2段、1段、2段、……)は区別します。 解き方はいくつ…
物理・工学でやる数学とのつきあい方についてひと言。普通の数学とは別に物理数学と言われる数学があります。ちゃんとした定義は知りませんが、(大学以降で)物理の勉強を進める上で必要な数学全般を指すようです。大学の授業の科目名になっていたり、本の…
円周率の計算にはいくつも方法があります。前、ブログでライプニッツの公式を紹介しました。 www.omoshiro-suugaku.com きれいだし分かりやすくてよいのですが、実際に円周率の値を求めるのには向きません。上の記事で書きました。 このライプニッツの公式、…
区間Iで定義された関数y=f(x)があります。増減表を書くときにいつも使う性質「区間Iで常にf'(x)>0が成立しているとき、関数y=f(x)はその区間で単調に増加する」というのがあります。しかし、導関数の値が正だとなぜ増加なのでしょうか。なおここ…
変数同志の足し算、引き算だけができる仮想的なコンピュータを考えます。現代のコンピュータと原理は一緒。プログラムを書いて、それでいろんなことができます。かけ算、割り算をして答えを求める、素因数分解する、ある数が素数かどうか判定する、100個の数…
古くからある有名な問題です。 ---------------------- 3人が1000円ずつ出しあって3000円のお菓子を買いました。後で店長は実はこのお菓子はサービスで500円引きだったことを思い出し、店員に500円を渡して返金するように言いました。…
www.omoshiro-suugaku.com 以下の記事に誤りがあるというご指摘がありました。訂正して新たに記事にしました。上のリンクを参照してください。 誤りのある記事 ↓ 半径rの円の面積をで微分すると円周の長さになります。球の体積をrで微分すると球の表面積に…
近いことはすでに書いていますが、少し詳しく。 教員はすぐに「数学は自分で考えなければダメ」と言います。ある意味、これは真理でしょう。しかしそういうことを言う人たちは中学、高校、大学でどうやって勉強していたのでしょうか。「自分で考えなければダ…
面白そうだったので本屋さんで見つけて中身をざっと確認して即、買いました。楽しみです。未読ですが紹介します。 ゼロから作るDeep Learning ❸ ―フレームワーク編 作者:斎藤 康毅 発売日: 2020/04/20 メディア: 単行本(ソフトカバー) 同じ著者の先生の1冊…
前回の続きです。2枚の写真を再掲。 とりあえず立体を再現するためのコードを載せておきます。2枚の写真は「a.jpg」、「b.jpg」としてありますが、変えられます。1枚目の写真のマジックの位置を25点、マウスでクリックします。それが終わったら対応順を間違…
CMです。細かい話はとりあえず後回し。「おおっ、パソコンと数学を使ってこんなことができるのか!?」と思っていただければO.K.です。 角度を変えて撮った2枚の写真に立体が写っています。基準となる立方体などは写っておらず、対象の立体だけです。ある程…
方べきの定理というのは、いくつかありますが例えば下の図で PA・PB=PC・PD ……★が成立する、というものでした。もちろんこれで正しいですし、難しい問題の中でも多分無事に使えると思います。 そうなのですが、ときとしてこういう見方も必要です。 線分が円…
数学に重解というのが出てきます。例えば2次方程式の解が1個のときなど、もともと2個だった解が一致したのだと考えて、重なった解、重解(じゅうかい)と呼ぶのでした。では「重複解」はどう読むか? 試しに……と周りの人たちに聞くと8割が「じゅうふくかい」…
いくつかのテキストで、複数枚の写真だけからそれに写っている立体を再現する手順の一部に射影幾何の知識を用いています。ぼくはこれまで、射影幾何を体系的に勉強したことがありません。大学でも、少なくとも微積分並みに教えていたわけではないと思います…
連立方程式を解きます。最初の2本でx、yが決まってしまうので、3本を満たす普通の意味の解はありませんが、なるべくうまい値を見つけます。 行列、ベクトルを使って考えるため、次のように書き換えます。 後の都合で、これをxp+yq=bと書いておきま…
よくある恒等式の問題です。教科書にも載っています。 --------------- 次が恒等式になるよう、定数a,bを定めなさい。 解答? 分母をはらって x=a(x-2)+b(x-1) ……② これが恒等式となればよい。x=1、x=2で②が成立するようa,…
前回の続きです。後で説明しますが、3枚の写真から基礎行列Fを求めるとき、(方法によりますが)3元(変数が3個)4次の連立方程式を解く必要があります。Pythonに何かないかなと思って探していたらSymPyというライブラリがありました。試してみたので紹…
「新・写真から立体を再現」では、エピポーラ方程式というものを使います(これについては別の回に説明します)。2枚の写真上の対応する点の組を方程式に代入してエピポーラ方程式に含まれる基礎行列Fを決定し、カメラ行列を求めます。このときAx=0の形…
『写真から立体を再現』の新シリーズを始めます。ここまでで、角度を変えて立体の写真を2枚撮るとき、写真に立方体(サイコロみたいな)が一緒に写っているという条件が満たされていれば、写真から立体を再現できるということが分かりました。 www.omoshiro…
TVで「東京スカイツリー(634m)と東京タワー(333m)が同じ高さに見える場所」について話をしていた、と聞きました。「そういう場所は地図上で円形に分布しているらしい。なぜか」と。数学が好きな人なら「なるほど」となることです。 数学に「アポロニ…
ここまでに紹介した事実を使って、理屈も(ある程度)説明しましょう。Pythonのコードも示します。過去の記事で使うのは以下です。必要に応じて参照してください。 www.omoshiro-suugaku.com www.omoshiro-suugaku.com www.omoshiro-suugaku.com www.omoshir…
条件付き確率とは何でしょうか。教科書通りでいいなら「Aが起こったときのBの起こる確率を『Aが起こったときのBの起こる条件付き確率』と言う」となります。しかしこれは誤解を招きやすい表現です。Aが起こったときのBの起こる条件付き確率は記号で と…
ここまで「写真から立体を再現」について、11回に渡って結構細かな話をしてきました。具体的にどんなことができるのか、お見せしましょう。言わばコマーシャルです。 上のような立体を作ります。上面に8の字が、手前の面には×が描いてあります。赤いマルで囲…
方程式★を解きましょう。代わりに、同値な★★を解いてもいいですよね。 どっち道この方程式に解の公式はありません(というより、解の公式のある方程式などごくわずかです)。数値計算でいきます。x=1としてみましょう。左辺の値は 2sin x - 2x + 1 = 2sin…
すみません、数学的に誤差を評価……ということではありません。一般逆行列を使って求めた「解」はある意味誤差が最小になりますが、実際に「解」を求めてそれがどんな感じなのか見てみよう、ということです。 「ある意味」というのはこういうことです。x,y…
最大公約数を求めるとき、どうしますか? ぼくが中学校で教わったのは2つの数を素因数分解する方法です。分かりやすいんですが、素因数分解はラクではないのです。相手にする数がちょっと大きくなるともういきなり計算できなくなってしまいます。実際、1031…
実数全体の集合は可算ではありません。つまり、自然数全体の集合と1対1に対応がつけられないのです。それほど要素が多い、ということです。同じ「無限」なのに不思議な話ですが、仕方がありません。無限にも程度があるのです。今回はこれを証明します。 実数…