よくある恒等式の問題です。教科書にも載っています。
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次が恒等式になるよう、定数a,bを定めなさい。
解答?
分母をはらって
x=a(x-2)+b(x-1) ……②
これが恒等式となればよい。x=1、x=2で②が成立するようa,bを定めるとa=-1,b=2
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よく、「もとの式でx=1,2を代入してはいけないのに②で代入してもよいのか」と聞かれます。実はよいのですが、理由が問題です。「分母をはらってあるから、代入してもよいのだ」なんて説明を聞くことも。これで納得するならいいですが……。
x≠1,2 の条件の下で ①⇔② ですから、x≠1,2のときに②が成立するよう、a,bを定めればよろしい。ところが②については
②がx≠1,2で成立 ⇔ ②が異なる2つのxの値に対して成立( ⇔ ②が恒等式)
が成立します。②は(1次以下の式)=0 と同値だからです。従って②がx=1,2のときに成立するようa,bを定めればよいのです。
「x=1,2を代入してよいのか」と質問する生徒は多分数学が好きなんだと思います。いい加減にはしたくないからそういうことを聞くのでしょう。せっかくですから、いろいろ話をしてやるとよいと思います。