円周率の計算にはいくつも方法があります。前、ブログでライプニッツの公式を紹介しました。
きれいだし分かりやすくてよいのですが、実際に円周率の値を求めるのには向きません。上の記事で書きました。
このライプニッツの公式、収束が遅いのです。つまり100項、200項、……と計算したときに真の円周率に近づくのにたくさんの項を計算しなければならないということです。
収束の速い、別の公式を使うこともできます。今回はマチンの公式を紹介しましょう。まずは tan x の逆関数の級数展開です。今回、この展開の証明はしませんが微積分の知識を使うとこれが成立することが分かります。ただし -1<x≦1です。
なお、この式でx=1とおけばライプニッツの公式が得られます。
さて、マチンの公式と呼ばれるのは次の等式です。
これが成立することを示しましょう。
これでマチンの公式を示せました。右辺は、さっきの tan x の逆関数のべき級数展開を用いて計算して値を求めます。これは収束が速く、実際にこの公式を使って円周率をパソコンで計算している本があります。前に紹介しました。
しかし! マチンの公式の導き方を見てみましょう。自分でも何か別の式を導けそうな気がしませんか? 例えば……。
……などとやればよいでしょう。実際にこれが円周率の計算に役立つかどうかは別問題ですが。最初の2行をいろいろに変えればそれだけでたくさんの公式が手に入ります!
追記2020年6月12日(金) :
最後の等式は「オイラーの公式」と言うのだそうです……。マネしたわけではありません……。