いぬおさんのおもしろ数学実験室

おいしい紅茶でも飲みながら数学、物理、工学、プログラミング、そして読書を楽しみましょう

『シャイロックの子供たち』紹介

面白かったです。短編集で、東京第一銀行長原支店の行員が順番に主人公になります。読み進むにつれ、この支店で起こっている犯罪が明らかになってきます。ぼくには分からない部分もあったんですがすごく楽しめました(多少分からなくても気にしないので……!!)。通勤の電車何回かで読み終わりました。著者、池井戸氏の本は半沢直樹や花咲舞のシリーズは全部読んでいて、共通しているのは読み始めるとグイッと引きつけられてやめられない、そういう感覚です。今回もそうでした。
もうひとつ、彼の本にはよく、ろくでもない行員(パワハラ、自分のミスを部下の責任にする、……)が出てくるのですが、この『シャイロックの子供たち』にもたくさん登場します。他より多かった印象が。ぼくは今までいろいろな教員を見てきましたが、これほどひどい人はいなかったと思います。池井戸氏は銀行員だったそうです。もちろんフィクションもあるでしょうが一定の真実は含まれていると思います。そうなると、多分ぼくには銀行員は務まりません……。
教員だっておかしい話はたくさんあります。折に触れて思い出すのが山の部活の顧問だったときのこと。土日が休みでどちらか1日、日帰りの山行を計画します。どちらがいいですか? 誰に聞いても「土曜日」でしょう。日曜に山に行って翌日から授業、これは勘弁です。当時の教頭は(多分、県の指示で)「休日は先生方にゆっくり休んでいただくために日曜に山行を」と譲りませんでした。意味が分からない……。顧問は「それ、おかしいでしょう」と抗議したんですがダメ。どうかしているとしか思えません。しかし、この本ではそれどころではない、もうメチャクチャな上司が出てきます。教員なら抗議くらい大丈夫だと思いますが、どうやら銀行では場合によってはまずいことになるらしい……。こわっ!!