『体育館の殺人』(青崎有吾2015創元推理文庫)を読みました。
風ヶ丘高校の旧体育館で殺人事件が起こります。被害者は高校の放送部部長。警察が調べ、体育館を出入りしていた生徒に容疑がかかったりしますが、例によって名探偵の引き立て役みたいで捜査は行き詰まります。捜査している若い刑事の妹、卓球部2年生の柚乃(ゆの)が、賢いけれどぐうたらの2年生、裏染(うらぞめ)に真相を確かめるように依頼します。彼は警察に睨まれながら(本人は気にしていないという設定)調査し、真相を推理します。
関係者を集め、最後の謎解きを始めたところまで読みました。もう少しで読み終わりですが、ここでレビュー。ぼくも一応教員なので、生徒同士のやりとりとか、舞台の体育館や放送室の様子など、すごく楽しめました。推理小説には「読者への挑戦」のようなページが含まれていることがありますが、この本もそうです。各章のタイトルも「第一章は事件とともに始まる」「第二章において探偵役が登場する」のように、ちょっと変わっています。ディクスン・カーの『読者よ欺かるるなかれ』では各章のタイトルが「予告のなされ、かつ実現さるるの章」のような感じですが、そんな雰囲気です。探偵役、裏染の「推理」が丁寧で分かりやすく、そこもよかったと思います。続いて『水族館の殺人』も買いました。楽しみです。
高校と言えば……共通テストの数学ⅡBを見ました。去年は長文の自転車の問題があったけれど、今年はそういう感じの問題がない……!! どうしてなくなったんでしょうか。楽しみにしていたのに……。年によって変えるつもりなのかも知れませんが、自信があってああいう問題を作ったのでしょうから最低5年くらいは出題すればよいのでは?