よさそうな本だけれど、買おうか買うまいか、それとも古本にしちゃおうか、借りて済まそうか……。迷うことがあります。あるいは近い内容の本が2冊あって、どちらにしたらよいか決めかねているとか。
ぼくはまず目次をザッと見て前書き、後書きを読みます。勉強したい内容かどうか、著者がどんな意図で書いている本なのか、ある程度分かります。
参考文献のページもよく見ます。その分野の勉強の経験がない人は、特に独学の場合いつも不安です。どんな本をどういう順に読めばいいのか分からないのです。それでも1冊読んでみて「これはいい本だ!」と思ったらその本の巻末に載せてある参考文献は信頼できるでしょう。次に読む本はここから選べばよいですよね。また、著者によっては参考文献の一部について「この本は本書よりやや進んだ内容で、特に××については詳しく書いてある」、「工学の立場から具体例を用いて直観的に理解できるよう配慮されている」、「この分野の伝統的な著書である」、……といった具合にコメントをつけてくれていることがあります。非常に参考になりますし、何より著者の「読者が勉強しやすいように」という気持ちが伝わります。こんな感じに参考文献について丁寧に書く著者の本なら買って間違いないだろう、という気がします。もちろん内容そのものも検討しますが、参考文献についての解説はぼくの中では重要なポイントになっています。
Amazonなどでレビューがついていれば読みますが、多少参考にする程度です。特に「分かりやすい」、「分かりにくい」、「読者ターゲットが不明」あたりはあまり気にしません。その分野の初心者であっても周辺の領域をある程度勉強しているなら、細かな式変形の過程などは省略した方がポイントが伝わりやすいこともあるでしょう。でも同じ本が、まるっきり初めての人には「不親切な本」ということになったりするのです。当たり前ですが、つまり「その人の感想」というだけのことです。気にしても意味がありません。
さて、前に手書きの数字の認識の実験をしており、ブログにも書いていました。
例によって、Pythonなどのライブラリは使っていません。「ライブラリを使えばすぐできるのに」という考えがあることは承知していますが、ライブラリを使って文字認識を100万回したところで文字認識の原理は分からないままです。それでは面白くありません。そこで理屈を勉強して、そのときはC#でコードを書いて試しました。こうしてこそ、できあいのライブラリがどんなことをやっているのか分かるというものですし、真実の理解と言えるのだと思います。
続きなので(数字の認識もパターン認識の一種)夏休み中にパターン認識についてひと通り勉強しておこうと思い立ち、本屋さんに出かけました。買ってきた本はこれ。
本屋さんでさっき書いた「参考文献」のあたりをよく見ました。おおっ、丁寧なリスト、そして3ページに渡っていくつかの参考文献のおすすめポイントが書いてある!! ……というわけでこの本に決めました。まだほとんど読んでいないのでコメントは書けませんが、目次は以下の通りです。
第1章 パターン認識とは
第2章 学習と識別関数
第3章 誤差評価に基づく学習
第4章 識別部の設計
第5章 特徴の評価とベイズ誤り確率
第6章 特徴空間の変換
第7章 部分空間法
第8章 学習アルゴリズムの一般化
第9章 学習アルゴリズムとベイズ決定則
楽しそうです。半分くらい読んだらこの本についての記事を書きます。充実した夏休みになりそうです。