漸化式を解きます。
これに対し、k=3k+1という方程式(特性方程式)を立て、その解を使うとうまくいく、という話が教科書に載っています。ぼくもそうでしたし、生徒は一様に
と聞きます。「いや、誰も等しいとは言ってない。k=3k+1を考えるのは自由でしょ。もとの漸化式を参考にしただけです」とか、まずは半分冗談のつもりで答えます。でもあとで一応ちゃんと、以下のような説明をしています。
もとの漸化式が、仮に
という形に変型できたらこれはうれしい。なぜかというと、
これなら単純な等比数列。ここからもとの数列の一般項が分かります。そういううまいαは何か。②を展開してみると
これはもちろんもとの漸化式に一致するはずだから、
-3α+α=1 となれば都合がよい。変形して
α=3α+1 なので、αはこれを解いて求めればよいということになる。そこで、記憶法として
と並べてみて、「ああ、数列の部分を同じαでおくとよいのだ」と憶えればよいのです。n項目とn+1項目が等しいのではない。さっきみたいに『なぜα=3α+1が出てきたのかと』考えるのが大事だけれど、それとは別に記憶法も大事。
……というような感じに説明します。生徒は「おお、なるほど」という反応。他にも、この漸化式で動かない(ある項と次の項が同じになる)点は何か考えると α=3α+1 で、これを黙ってもとの漸化式から引くと……とか、まだ説明はあると思いますが、最初の説明は「単に解ければよい」とか「意味が分かればよい」というのではなく、次に自分が近い問題に出会ったときに効果のありそうな考え方が含まれています。「自分で何かできるかも!」というのを味わえます。