前、こういう記事を書きました。
合同式の話を少し前に書いたので、続きということでこの問題を合同式で解いてみます。まず次の定理を準備しておきます。
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m、nの最小公倍数がLのとき、
a≡b(mod m)かつa≡b(mod n)⇔a≡b(mod L)
証明:
文字は整数です。
(右向き)a-b=km、a-b=jnよりa-bはm、nの公倍数です。従ってa-bはLの倍数です。
(左向き)a-b=kLとすると、mはLの約数ですからa-bはmの倍数ですし、nはLの約数ですからa-bはnの倍数です。
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さて、これで準備完了、もとの問題を載せておきます。
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自然数aは3で割ると1あまり、5で割ると2余り、7で割ると3余る。aを105で割った余りはいくつか。
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この問題は合同式を使って書くと
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a≡1(mod 3)……①, a≡2(mod 5)……②, a≡3(mod 7)……③のとき、
a(mod 105)を求めよ。
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となります。①、②から
a≡7(mod 3), a≡7(mod 5)です。言わば剰余をそろえたのです。先の準備の定理を使えばこの2つの式は a≡7(mod 15)……④と同値です。
この④と③で、さっきと同様に剰余をそろえます。③より a≡52(mod 7)、④より a≡52(mod 15)なので、再び最初の定理により a≡52(mod 105)です。これで分かりました。a を105で割ると余りは52です。
見通しはよくなった、と言っていい気がします。いろんな解き方があるものです。