いぬおさんのおもしろ数学実験室

おいしい紅茶でも飲みながら数学、物理、工学、プログラミング、そして読書を楽しみましょう

昔、「通知票は手書きにすべき」と思われていた!

 ずいぶん前のことです。学校の職場にパソコンが導入され、何年か経った頃でしょうか。学校は通知票を出しますよね。もちろん昔は手書きだったわけですが(成績はスタンプを使ったり)、パソコンが入ってデータを入力するようになったのなら通知票を出すなど朝飯前でしょう。しかし、いったん入力されたデータを一覧表で出してみんなそれを見ながら手書きでやっていたのです。そういう中、「通知票を手書きするのはやめ、パソコンでプリントアウトしましょう」と提案されたことがありました。しかし反対する人がいるのですね。……というか反対者が多数で否決されました。もっと前から大学では通知票はプリントアウトでしたし、そういうことを言う人もいましたが「高校生にはまだ早い」とか「通知票に成績を転記する段階で『ああ、この生徒はこういう成績なのだ』と分かる」とか、とにかく反対するためには何でも言います、って感じ。しかし、今やそんなことを言っている人は多分いないでしょう。ぼくなら、単なる転記なんかをやっている時間をもっと有効に使いたい、と思います。反対していた人たちも「生徒のために転記」と言うなら、通知票はプリントアウトしておいて、それとは別に好きな紙に転記でも何でもすればいいでしょう。反対ならそれでいいですから、そういう人たちは毎年「手書きにすべきだ」と言い続ければいいのに……。ついでに年賀状も名刺も定期試験も出席簿も何もかも、心を込めて全力で手書きにするのをお勧めします。これは皮肉ではありません。

 要するにデータの利用の仕方、場面を分かっていなかったのです。パソコンは新しい機械で、何に使えるのか手探りだったとも言えます。これはよい言い方。普通の表現では「『手書きがよい』と思い込み、思考停止状態に陥っていた」となります。愚痴みたいになってしまいました。今ではそういった面では大分ラクになっていますし、同じようなストレスはありません。

 じゃあ、いい時代になったのか。うーん……。代わりにみんなでお互いに「こういうデータが欲しい」みたいな要求をするようになっています。パソコンを使って無駄な作業を減らして時間を浮かせ、勉強でもして生徒に還元する、なんて話なら素晴らしいんですが。必要なことなら仕方がありません。時間がかかってもやらなければ。でもあまりにも簡単に他人に「×××みたいなのが欲しい」とか言う人がいて驚いたこともあります。

 せっかくのパソコン、いいことに使いましょうよ……。