いぬおさんのおもしろ数学実験室

おいしい紅茶でも飲みながら数学、物理、工学、プログラミング、そして読書を楽しみましょう

『詳解 ビットコイン』読み始めました

 ビットコインについては『暗号技術入門』を読むと大体のイメージがつかめます。

暗号技術入門 第3版 秘密の国のアリス

暗号技術入門 第3版 秘密の国のアリス

 

そもそも暗号の本なのでビットコインそのものに触れているページはもちろん限られていますが、中核となる技術であるブロックチェーンの説明が分かりやすいです。ブロックチェーンは言わば公開取引簿です。「AさんがBさんに××円渡した」といった内容がこのブロックチェーンに含まれています。確かに、何か価値のある実体(紙幣とか)を使わなくても、きちんとした帳簿さえあればお金の動きははっきりするわけです。しかし「公開」です。安全なんでしょうか。つまり、例えば誰かが書き換えてしまうことはないのでしょうか。大丈夫、取引をブロックチェーンに追加するときの工夫(ハッシュ関数というものを使う)により、書き換えを検出できるようにしているのです。ハッシュ関数というのは長い文章でも短いデータでも、そこから決まった長さ(例えば20バイトとか)の数値を計算するものです。この数値はハッシュ値と言います。もとのデータを少しでも書き換えるとハッシュ値は似ても似つかないものになるよう、ハッシュ関数は設計されます。「これはもともとのデータなのか、それとも誰かが書き換えたか」というときにこのハッシュ値を比較します。しかしそもそもなぜ暗号の本にビットコインの話が載っているのか? 改ざんは暗号学の重要なテーマであり、だからハッシュ関数は暗号の理論に含まれます。ビットコインはこのハッシュ値、そしてその他の暗号学の知識を用いて設計されているのです。

 面白そうな話で、もっと勉強してみたいと思っていました。さらに詳しい、ブロックチェーンビットコインについて書いてあるやはり分かりやすいのはないものか探していたところ、新刊が出ていたので早速見てみました。まだ1章しか読んでいませんが、よさそうです。

詳解 ビットコイン ―ゼロから設計する過程で学ぶデジタル通貨システム

詳解 ビットコイン ―ゼロから設計する過程で学ぶデジタル通貨システム

  • 作者:Kalle Rosenbaum
  • 発売日: 2020/03/25
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

本の最初に書いてありますが、基礎知識は要らなそうです。ビットコインの設計を追体験できるのだそう。楽しみです。