いぬおさんのおもしろ数学実験室

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来年度から部活動を廃止……は無理なのか

 前回『教師の本音』について書きました。

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教員のなり手が減っています。教員の負担を減らし、まともな職場にすればもともとやりがいのある仕事です、採用試験の倍率だって戻ることでしょう。本ではそのために、ひとつは部活を全面廃止するのがよい、とあります。ぼくはやりたい教員だけが顧問になり、顧問がつかない部活は廃止、がよいと思っています。教員の中にも部活をやりたい人はおり、せっかく部活動という仕組みがあるのですから、それを止めなくてもいいでしょう……という感じです。いずれにしても相当ハードルは高くて、すぐには無理そうですよね? ……しかし、できると思います。
 2020年2月、クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」でコロナの集団感染があり、ニュースで騒ぎになっていました。どうなるんだろう、と思っていたところ、学校へいきなり「明日から生徒は登校禁止にせよ」という通知が。これは本当にいきなりで、しかも「明日」ってオイオイ……。学校は上を下への大騒ぎでした。ネットで検索すると連絡があったのは2月27日。28日から全国で一斉に休校、ということです。この頃はまだコロナの正体も分かっていなかったですし、仕方なかったのかも知れません。それでも本当に急に決まったわけではないでしょう。数日前でもよかったので、とにかく少しでも早く知らせて欲しかった。ぼくはその年度が担任を持つ最後だと分かっていたので、生徒とちゃんとお別れもしたかったです。これは個人的な事情ですが、それ以外でも特に成績をつけるのに困った学校、教科はあったはずです。休校の通知の中で具体的に「3学期の成績はこうつけよ」などとは連絡されていなかったでしょう。あっても「学校毎に適切に判断して」くらい? 3学期は大きな試験は1回だけ、「期末試験」を実施する学校が多いと思います。教科、担当者によっては3学期の初めに冬休み中の宿題の内容について「宿題テスト」などと称して試験したり、必要に応じて小テストをやったりもします。でも単位数(週に実施される授業時数)の少ない科目などでは期末試験だけで成績をつけることもあるでしょう。勤務していた学校では3月上旬に予定していた期末試験は実施できず、数学科は多分宿題テストだけで成績をつけたと思います(はっきり憶えていない……)。しかし材料のない教科もあったはずです。まともにはつけようがありません。せいぜい1、2学期の平均でつけるくらいかも。いったいどうしたんだろ……。
 さて、部活の話に戻しましょう。成績なんておよそ教育活動の中で最も大切なもののひとつです。それがいきなりの通知一本でこういう扱いになるのです。バランスを考えれば平時、部活動などどうなってもよい、くらい言えるでしょう。皮肉でも何でもありません。文科省あたりが「来年度から部活動は廃止」とか「教員は希望者のみ顧問につけ、顧問のいる部活のみ実施してよい」などと通知すればそれで解決です。ちまちまと採用試験の前倒しやら「教師のバトン」やらやっていてもダメだ、ってのはさすがにもう分かってますよね……?

 

教師のバトンとは……これ ↓

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