いぬおさんのおもしろ数学実験室

おいしい紅茶でも飲みながら数学、物理、工学、プログラミング、そして読書を楽しみましょう

マーク試験では実力を正確に測れず、記述試験なら測れるのか

 高校は期末試験の時期ですね。学校によるのでしょうが、カードリーダーを置いてあるところも多く、時間の節約になりますからマークの試験は少なくないと思います。勤めている学校では今回、マーク試験の予定でした。しかし事情があって試験範囲がかなり狭くなり、「それならせめて記述にするべき」のような意見が担当教員から出て記述試験になってしまいました。特に期末試験は急いで採点しなければなりません。成績をつける締め切りがあるからです。だからマーク試験がありがたい。マーク試験では、採点はコンピュータでやるのでアッという間なのです。まあ仕方ない。採点は終わりましたが相当時間がかかりました。

 どうしても必要なことならよいのです。何時間かかろうがやらないと。しかし、価値とのバランスを考えることは必要です。そもそもぼくは「記述試験が優れている」とは思っていません。でも世間(教員の世界、教育関係者の間)ではそう思っている人が多い気がします。実際、大学入試共通テストでも「記述試験導入!」という騒ぎがありましたよね……。↓

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でもどうですか、自分の経験で。マークで点を取れない科目は記述だろうが何だろうが取れないでしょう。研究結果はいろいろあると思いますが、「記述試験は実力を正確に測れる」という明確な事実はないのでは?

 「部活で集中力を鍛え、受験で勝つ!」、「試験の模範解答に採点基準を書いてはいけない」、「平均点は60点前後がよい」、etc.、etc……。ブログでもあれこれ書きました。ロクな根拠がなく、しかし何だか正しそうな話が教員の世界にもたくさんあります。今回もそう。あ、バカバカしいのでホントに根拠がないか調べてはいませんが。この類いの話を聞くと「これが生徒のためなのだ」みたいな信念というか、そんなのを感じることも多いです。余計にタチが悪い。反対すると「アイツは悪いやつだ」という雰囲気になりそうです。自分で信じてそうしているだけならいいんですが、他人に強制するようになると面倒です。