いぬおさんのおもしろ数学実験室

おいしい紅茶でも飲みながら数学、物理、工学、プログラミング、そして読書を楽しみましょう

教育

「数学は自分で考えなければダメ」なのか?

近いことはすでに書いていますが、少し詳しく。 教員はすぐに「数学は自分で考えなければダメ」と言います。ある意味、これは真理でしょう。しかしそういうことを言う人たちは中学、高校、大学でどうやって勉強していたのでしょうか。「自分で考えなければダ…

新書『科学史年表 増補版』紹介

著者によると17世紀以降と以前とでは自然に対峙する姿勢、意識が大きく変わり、自然科学がぼくたちの考える自然科学に近くなったのだそう。それでこの本では17世紀以降の科学史についてまとめてあります。 17世紀、18世紀、19世紀の前後半、20世紀の前後半と…

門前の小僧、習わぬ経を読む

ぼくたちは中学生のとき、関数の定義を勉強させられていました。「集合Xの要素xに対し、集合Yの要素yがただひとつ決まるときy=f(x)などと書き、yはxの関数であると言う」とか、憶えさせられていたのです。「なんのこっちゃ」という感じだったのを…

今の高校、これでいいのか?

各高校で、教員は授業以外のいろいろな仕事が割り振られていて、それを「(校務)分掌」と言います。分け方は学校によりますが、大体共通しています。学校行事全般の計画、日程や時間割を組んだり、あるいは今回のコロナ騒ぎなどで管理職などと相談していつ…

無限ホテルのパラドックス

数学者ヒルベルトが考えた面白い話です。本来「パラドックス」とは「正しい仮定から正しい推論をしているのに、出てきた結果がおかしい」というものですが、その意味では今回紹介する話はパラドックスではありません。「直感に反している」ぐらいの意味です…

DVDBOX『白い巨塔』紹介

TVで『白い巨塔』(山崎豊子)を何年か前に見ました。素晴らしかったのでDVDBOXも購入しました。 優秀で大きな野望を持つ外科医、財前五郎が主人公です。財前はガン患者を誤診し、死なせてしまいます。後半は医療過誤裁判がメインです。医者とは何か、…

本当の実力のつけ方は……?

小学校でもプログラミングが導入されるなど、とにかく教育の世界の一部の人たちは新しもの好きです。これが正しいのかどうか、とりあえずおきましょう。意見はいろいろでしょうが、ちゃんとしたプログラミングの勉強を基本的なところから始めるとすると、例…

科学史のすすめ

今、コロナで大変な時期ですが、家に引っ込んでいる間に勉強するつもりです。1600年代にヨーロッパでペストが大流行したとき、ニュートンは難を逃れるため故郷のウールスソープに戻って過ごしました。「創造的休暇」と呼ばれ、その間に万有引力の理論などを…

高校生に遠足は不要か?

どうも、高校ではここ10年かそこらは「3年生の遠足はナシでなければ!」ということになっているらしい……。アンケートを採ったわけではありませんが、管理職と一部教員の共通認識なんでしょうか。とにかく「授業確保」なのだそうです。変な話です。これは美名…

あの肖像画、聖徳太子ではなかった!?

もうずいぶん前、5千円札、1万円札に聖徳太子の肖像が使われていました。いや、実は違うそうですね。聖徳太子ではない、と。ぼくたちは「聖徳太子」と習いました。初めて「実は違う」と聞いたとき、びっくりしました。教科書にまで載っていて全国の受験生た…

読書について、少し

読書についてつれづれなるままに。 ここ数日、本屋さんの前で買おうか、買うまいか逡巡しています。 オペラで楽しむヨーロッパ史 (936) (平凡社新書) 作者:浩子, 加藤 発売日: 2020/03/16 メディア: 新書 学生時代に歴史をあまり真面目に勉強しておらず、基…

『「ハッピーな部活」のつくり方』紹介

最近は中学、高校での部活のあり方について議論されるようになってきています。先生たちは必ずしも経験のある部活の顧問になれるわけではありません。卓球部に卓球の経験が全くない教員が配置されることだってたくさんあります。それは仕方ないとしても、例…

「受験指導」は正しいのか?

いわゆる「受験テクニック」というものがあります。例えば現代文。評論文では、前半のブロックと後半のブロックが必ず「しかし」でつながっており、……だからここを読んで××すればそれが答えになる。適当ですが、こんな感じ。実際、受験問題などそんなものな…

「プレゼン」、「発信」は大事か

最近の流行なんでしょう。高校生もやたら「発信」、「プレゼン」、「発信」、「プレゼン」、………。こればっかり。英語でもそう。いいんでしょうか、これで……。 英語の本をポンと1冊渡されて「明日までにA4の紙1枚に要約してきてください」と言われて、きちん…