いぬおさんのおもしろ数学実験室

おいしい紅茶でも飲みながら数学、物理、工学、プログラミング、そして読書を楽しみましょう

「プレゼン」、「発信」は大事か

 最近の流行なんでしょう。高校生もやたら「発信」、「プレゼン」、「発信」、「プレゼン」、………。こればっかり。英語でもそう。いいんでしょうか、これで……。
 英語の本をポンと1冊渡されて「明日までにA4の紙1枚に要約してきてください」と言われて、きちんとできることの方がずっと大切だと思うんですが。単に訳せばいいってことではありません。結構難しいですよ。失礼ながら、下手な訳者の本だと「これ、原文をそのまんま意味を考えずに訳しただけじゃないのか……?」と思うこともあります。訳すにはバックグラウンドだって必要です。訳者がまったく知らない分野だと、まとめた内容が正しいのか、訳した本人が不安でしょう。もちろん、世の中の何もかもを詳細に理解している……というわけにはいきません。それでも「あの人はいろんなこと知ってるよね」と言われる程度であれば訳には有利でしょう。その方が短い文章で的確にまとめることができるはずです。また、分からないことがあるときの調べ方も理解していないとダメでしょう。
 「実力」というのは曖昧な言葉ですが、上手に「発信」するのも「実力」の一部だというのはまあ分かります。しかしそれはぼくの感覚だとせいぜいのところ10%程度。「他にやることがあるでしょ?」という感じです。発信ばかりうまくたって意味がありません。ぼくには今の教育界は迷走しているように思えます。