TVで『白い巨塔』(山崎豊子)を何年か前に見ました。素晴らしかったのでDVDBOXも購入しました。
優秀で大きな野望を持つ外科医、財前五郎が主人公です。財前はガン患者を誤診し、死なせてしまいます。後半は医療過誤裁判がメインです。医者とは何か、命とは何か、考えさせられます。当時、ぼくは「世の中にはこんな凄いドラマを作る人たちがいるのに、それに比べて一体自分は何をやっているんだ?」と本気で悩みました。そういうドラマです。里見先生役の江口洋介、佐枝子さん役の矢田亜希子、……皆よかったです。
こうした職業もののドラマ、けっこうあります。どちらにしても脚色はされており、全面的に「こういう職業なのだ!」と考えるわけにはいきません。それでも一定の真実は含まれており、ぼくは学生にこうしたドラマを見ることを強く勧めたいです。特に(今も昔もそうなのかも知れませんが)高校生はあまり本を読まず、どんな職業が世の中にあるのかあまり分かっていない部分があります。高校では「進路指導」と称して、「職業調べ」をやらせたりします。でも受験情報誌などに載っている「職業」は、読んだところで到底その職業が分かろうはずもありません。『白い巨塔』を見れば「医師は人の命を救う尊い職業である」なんて単純なことではない、と分かるのです。
高校生の皆さん、本を読んでください。ドラマも見てください。