各高校で、教員は授業以外のいろいろな仕事が割り振られていて、それを「(校務)分掌」と言います。分け方は学校によりますが、大体共通しています。学校行事全般の計画、日程や時間割を組んだり、あるいは今回のコロナ騒ぎなどで管理職などと相談していつからどんな形で授業を進めるか検討したりするのは「教務」です。
「進路指導部」というのもあります。1,2,3年のどこで模試をやるか、どういう形で実施するか、入試に向けていつどんな説明を生徒にするか、学力を上げるためにどうするか考える、その他進路行事を計画する、……といったことをします。大事な仕事だと思います。しかしですね……最も極端な言い方をすると、どこの大学に何人受かったかのカウントしかしていないような気がします。すぐに「2年生の3学期は3年生の0学期!」とか「2年生の3学期に受験勉強を始めれば第1志望に受かる確率は××%」とかあおる(そもそも「第1志望」って一体何? 高校入学時の志望? その時点の志望? 易しいところも難しいところもあるけれど、どうなの?)。「進路講演会」と称してそんな話をします。受験業界の人を呼ぶこともあります。話は大して変わりません。高校は中学校と違い、授業もかなり専門的になります。大学でやる勉強にそのままつながる内容なのですから。そうした状況で、教員が工夫できることは他にたくさんあるはずです。
ホントの目先の、今役立つことばかり教える。生徒も保護者もそれを喜ぶのかも知れませんが、それが正しい保証などありません。もっともっと先、3年、5年、10年先を見て教えなければいけないのではないでしょうか。学生の頃から受験、受験と大騒ぎして、そればかり考えて勉強して、例えば教員になります。それなら本など読まない先生がいるのは自然です。こういうのは学校の進路に対する考え方が原因なのかも……と思ったりします。