『プラネタリウム男』(大平貴之2016講談社現代新書)を読みました。小さい頃からプラネタリウムが好きで自分で作ろうとしていた大平貴之氏が、個人で古くからあるメーカーの機械を遙かに凌ぐ性能の「メガスター」を開発します。投影できる星が170万個だったそうです。当時、他のプラネタリウムが数万個の星を映すだけだったそうですから、これがいかに凄まじいことか分かります。技術面の苦労だけではなく、製作費用の捻出、入社した会社で事業化が決まるもうまく行かなかったこと、人間関係のトラブルなど、いろいろ書いてあります。もう15年以上前ですが同じく彼の書いた『プラネタリウムを作りました。-7畳間で生まれた410万の星』(大平貴之2003エクスナレッジ)も読みました(今では改訂版が出ています)。こちらには彼が大学時代に作った「アストロライナー」や、初代「メガスター」の製作のさらに細かな過程が書かれています。大平氏、真の技術者です。
プラネタリウムを作りました。 7畳間で生まれた410万の星、そしてその後
- 作者: 大平貴之
- 出版社/メーカー: エクスナレッジ
- 発売日: 2010/07/30
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- クリック: 17回
- この商品を含むブログ (7件) を見る
せっかくプラネタリウムの話を書いたので、続き。ぼくは小さい頃は埼玉県川口市に住んでいて、年がら年中、青木町公園に遊びに行っていました。ここにはプラネタリウムがあって、料金は1回20円(今もあるのでしょうか……?)。最近のプラネタリウムに比べればいろんな機能など全くなかったはずです。太陽が沈んでだんだん暗くなり、星が見え始めて星座も分かるようになります。係の人は時々熊の絵などを写して「これがおおぐま座です」とか説明してくれます。あれが夏の大三角形、こちらが琴座。音楽も流れています。ふと気づくと東の空が少し明るくなってきて、明け方近くです。プラネタリウムも終わりです。……と、こういうのを何十回見たか分かりません。今のいろんな演出、ストーリー仕立てのもよいのですが、小学校時代にさんざん見た地味なあれがぼくにとってのプラネタリウムです。そんなこともあり、今でも星の話、宇宙の話は好きです。本もよく読みます。いずれ天体の計算などについても書いてみたいと思います。