いぬおさんのおもしろ数学実験室

おいしい紅茶でも飲みながら数学、物理、工学、プログラミング、そして読書を楽しみましょう

電子回路の設計

  すみません、回路の設計技術そのものの話ではありませんが……。高校の物理ではオームの法則キルヒホッフの法則など、電子回路に関するテーマも扱います。でもこれをどんなに一生懸命勉強しても自分でラジオを作れるようにはなりません。設計でキルヒホッフの法則を使う場面もあるけれど、まああんまり関係なさそうです。問題はそこではない、という感じ。別の知識が必要です。仕事をするようになってから、何回か奮起して勉強を始めたんですが、うーん……。パソコンの技術情報誌には、自作の電子回路をコンピュータにつなげてプログラミングして使う、みたいな特集もあります。もともとプログラミングは好きなのでそちら方面にも手を伸ばせばまた違う世界が広がるかな、などど考えています。でもハードルが高い。いろんな部品(抵抗やトランジスタ、IC、LSIなど)がすぐ近くにたくさんあって、道具も揃っていて……ならいいんですが、そううまくはいきません。ラズベリー・パイというのもあり、こちらなら入りやすいかも……。楽しいんでしょうね。あ……書いているうちに欲しくなってきた……。

 工学出身の先生がいたので「自分で何か、例えばラジオとか設計できるようになりたいんですが、どうやって勉強したらいいですか?」と聞いてみました。「大学のテキストをやるといいと思う」という返事。もっと詳しく聞いておけばよかったと思いますが、要するに「電子回路入門」とか、大学生を相手にしている本を勉強するといいらしい……。先が長いような気もしますが、「幾何学に王道なし」ということなのかも知れません。

 ここでは設計に役立てるかどうかは別として、ぼくが勉強して面白かった本を紹介しましょう。

基礎電子回路演習〈1〉

基礎電子回路演習〈1〉

  • 作者:雨宮 好文
  • 発売日: 1989/08/01
  • メディア: 単行本
 

物理は高校では勉強しましたが、大学では物理も工学も(専門的なことは)やっていません。ですが説明が極めて丁寧で、計算しながら読めば理解でき、自分で何でもできそうな気がしてきます。「演習」とありますが、ぼくはこの本だけで読めました。目次は次の通り。

1 電子回路を学ぶまえに
2 トランジスタによる増幅の原理
3 トランジスタの小信号等価回路
4 増幅回路の入出力抵抗と整合
5 直流バイアス回路と安定指数
6 トランジスタ結合増幅回路
7 直接結合増幅回路
8 CR結合増幅回路

これは<1>なので、<2>もいずれ売り出されるんだろうと思っていたら未だに出ていません。この流れならそれこそ「ラジオの設計」くらい載りそうな勢いなんですが、相当古い本で著者も多分高齢だと思います。

 自分で何かやっていれば「プログラミングもこうして自作の回路に組み合わせてこういう面白いことが」という記事も書けます。でも今のところできません……。言えるのは「いろいろなことに興味を持っていた方が楽しいことがたくさんある!」くらいです。