前、ひと昔前のパソコン環境について書きました。今回、少し追加です。
ぼくが仕事を始めたばかりの頃はインターネットなどまだまだ一般的でなく、みんなパソコン通信をやっていました。信じられないかも知れませんが、ニフティサーブ(今でもある。プロバイダです)など、パソコン通信の局があってそこに加入(有料)しているとメールアドレスをもらえて、同じ局に入っている人同士でだけメールのやりとりが可能だったのです。通信に使うのはネットではなく電話回線、接続中は局までの通話料が課金されます。話すわけではありません、回線を使ってデータを流すのです(今でも同じようなことやっていますよね。faxです)。大手でなく、個人で趣味みたいにやっている小さな局もあり、もちろん通話料はかかりますが利用料はナシでした。局にはそれぞれたいていいろんな掲示板があり、テーマは色々、それは今の掲示板と同じ。プログラムを書いていて分からないことがあると質問したりしていました。電話回線にはエラーの訂正機能はなく、文書を送ってもときどき「文字化け」が起こっていました。1カ所でも狂うと困るデータだってありますから、そういう場合は送受信の時に通常の文書のやりとりとは違う方法が必要でした。黎明期で分からないことばかりだったけれど、こういうのが好きな同僚もいてデータのやりとりをしたり、試行錯誤の連続で楽しかった……。
今ではファイルをメールで送るなどすぐですよね。当時は何と言うか、様々なシステムがむき出しみたいな状況で、あっちにもこっちにも注意しないとうまくいかないのです。でも見方を変えると、目の前に自由に使える実験の施設があるようなもので、興味さえ持てば勉強のチャンスがいくらでもありました(いつの時代も同じようなことが言えるのかも知れませんが)。面白かったんですが、どうして、何が面白かったのか? 端的に表現すれば「分からなかったから」ということだと思います。考えてみれば、数学だって易しい問題は面白くありませんし、(よく)分かってしまうと興味は失せてしまいます。人間が相手だって、何だか分からない部分が魅力的だったりする! いや、話がそれたかも。
「分からない」のは素晴らしいことなのです!!