いぬおさんのおもしろ数学実験室

おいしい紅茶でも飲みながら数学、物理、工学、プログラミング、そして読書を楽しみましょう

整数とは何か

 冷静に考えてみてください。「どうして1+1 = 2なのか」説明できますか? いや、その前にそもそも自然数(1,2,3,……)って何ですか? 負の数とか言って平気で「-2」なんて書くけれど、-2って一体何ですか? ……日頃何の疑問も持っていなかったことが実はまるで分かっていなかった、と気づくはずです。自然数に関しては、ペアノの公理というのがあり、これを満たすものを自然数と呼ぶことになっています。ここでは整数について簡単に説明しましょう。負の整数の意味も明らかになります。
 自然数については分かっているものとし、自然数のペア(a , b)を考えます。そして(5,2)、(10,7)などは今までの自然数の3を表すと考え(左側の成分から右側の成分を引き算した値を表す)、(2,5)、(7,10)などは-3を表すと思えばよいのです。つまり「-3」という書き方は(2,5)の略記だと考える、ということです。正体不明のまま使っていた「負の整数」はこうして正体の分かっている自然数のペアによってきちんと定義されるわけです。そして整数同士の足し算を(5,2)+(3,10) =(5+3, 2+10)= (8,12)と定義します。この計算は、今までの3+(-7)=-4を表しています。おおっ、確かにぼくたちが今までやっていた計算と合っていますよね! 厳密にはもっときちんと議論しなければなりませんが、まあ大体のイメージはこんなところです。
 さらに有理数(整数/整数の形に書ける数)とは何か、実数(有理数無理数をまとめてこう言う)とは何か、と話は進みます。数学なのだから、曖昧さは許されません。自然数とは何か、整数とは何かなどということもこうしてキッチリ約束されているのです。