√2を有理数で近似しましょう。もう少し正確に表現して、自然数nを与えられたとして
|√2 -q/p|<1/n
となるような自然数p、qを求めるのです。ここでは例えば
|√2 -q/p|<1/40
が成立するp、qを求めてみます。地味な感じだけれど(?)面白い!!
今、
0√2-[0√2] , √2-[√2] , 2√2-[2√2] , 3√2-[3√2] , ……… , 40√2-[40√2]
という41個の数値を考えます。ここで [ ] はガウス記号で、[x] でx以下の最大の整数を表すという約束です。これらは0以上1未満であることに注意しましょう。さて、半開区間 [0, 1) を、幅1/40の40個の半開区間に分けます。つまり
[0, 1/40), [1/40, 2/40), [2/40, 3/40), [3/40, 4/40), ……… , [39/40, 1)
に分けるのです。さっきの41個の数値はもちろんこれらのうちのどれかの区間に属するのですが、部屋割り論法によって41個の値のうちどれか2つは同じ半開区間に属することになります(部屋は40個、数値は41個だから!)。その2つの値を
i√2-[i√2], j√2-[j√2](i > j)
であるとしましょう。同じ区間(幅は1/40)に属するのだから、
|i√2-[i√2]-(j√2-[j√2])|<1/40
のはずです。よって
|(i-j)√2-([i√2]-[j√2])|<1/40
となり、
i -j = p、[i√2]-[j√2] = q(p、qとも整数)
と置くと
|p√2-q|<1/40
が成立します。左辺だけをpで割れば
|√2-q/p|<1/40
が言えました。
一般化もできます。一般化した主張はとある本に載っていたのですが、タイトルを思い出せません。大変面白い本だったので、いずれ紹介します。