いぬおさんのおもしろ数学実験室

おいしい紅茶でも飲みながら数学、物理、工学、プログラミング、そして読書を楽しみましょう

科学史(ニュートン、シルバーシュタイン)

 今でも読みますが、高校生の頃はもっと読んでいました。数学史、科学史の本です。どうも高校生はこうしたものに触れることの効果を過小評価しているように思えます(違っていたらすみません)。しかし効果を云々(うんぬん)する前に、自分が進みたい分野が過去どう発展してきたのか、どんな人たちがどういう努力をしてその分野を創ってきたのか、知りたくならないということがまずそもそも不思議でなりません。こういうよくない雰囲気に抵抗しなければ!……ということで、いくつかエピソード、本を紹介しましょう。
万有引力の法則のニュートン。性格がきつく、みんなに恐れられていたそうです。ニュートンの権力は絶大で、万有引力について書いた彼の著書『プリンキピア』は絶対でした。しかしその内容は幾何学っぽい議論(図形による直観を用いる)も多く、純粋に数式で考えてゆく方法とは違っていたそうです。やはりそれには限界があったのかも知れません。「それ以外の考え方は許されず、イギリスの科学は××年遅れてしまった」と何かで読んだことがあります。『プリンキピアを読む ―ニュートンはいかにして「万有引力」を証明したのか?』(和田 純夫2009講談社ブルーバックス)というのがありますが、読んでみようかな……。本屋さんでパラパラと見ると面白そうで、どうするか迷っています。2016年の今、物理を勉強するのにプリンキピアを使う人はいないでしょう。ニュートンはどうやって考えたのか、という興味です。 

 ニュートンについてはこんな話も。ある日の会議で、ニュートンが「窓を……」と言いかけたら会場全体がシーンと静まりかえったそうです。「暑いから窓を開けてくれ」と言いたかっただけでした。また性格がきつかったら……というわけでもないでしょうが、ニュートンはいくつかの先取権争いに加わっています。微分積分学ではライプニッツと、万有引力ではフック(物理の「フックの法則」のフック)と。 

●もうひとつ。シルバーシュタイン(物理学者。特殊相対性理論の教科書も書いている)が「エディントン教授、相対性理論は難しく、世界で3人しか理解できないと言われます。あなたはその1人ですね」と、アインシュタインと自分とあなたの3人、の意味で言ったらエディントンは言葉に詰まりました。シルバーシュタインが「ご遠慮なさらずに」と言うとエディントンは「いや、誰が3人目なのかを考えていたところだ」と。(^_^;)きついなー……。これは『ブラックホール・膨張宇宙・重力波 一般相対性理論の100年と展開』(真貝寿明2015光文社新書)にありました。紙の本、kindle版です。

ブラックホール・膨張宇宙・重力波 一般相対性理論の100年と展開 (光文社新書)
 

 一般向けに理論物理学宇宙論)の雰囲気を正確に伝えようとしている良書、という気がします。学者たちが「ああでもない、こうでもない」と様々な説を考え、「何だか分からないけどスゴそうだ!!」という感じ。物理の好きな高校生はこんなのをたくさん読むとよいのではないかな、と思います。シルバーシュタインの話みたいなのもこの本には豊富に書いてあります。