いぬおさんのおもしろ数学実験室

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『高校数学でわかる相対性理論』紹介

 『高校数学でわかる相対性理論』 (竹内淳2013講談社ブルーバックス)を紹介しましょう。実際には「高校数学」だけで完全に理解、というのは難しい部分がある気はしますが、それでも素晴らしい本だと思いました。アインシュタイン特殊相対性理論から、速く走っている乗り物の中の時計は、地面で止まっている人には遅く動いて見えるなど、想像を絶する結論が出てきます。この本で詳しく解説されています。著者、竹内淳先生は講談社ブルーバックスに『高校数学で分かる~~~』というタイトルの本をいくつも出しています。どれも「お話」だけにとどまらずしっかり数式を使って理屈を説明しています。ちゃんと勉強している理系の生徒ならだいたい読めるでしょう。特に特殊相対性理論を扱ったこの本は、他の本(専門書を含めて)より曖昧さがなく、しかも分かりやすいという離れ業(……おおげさかも知れませんが、そう思った)をやってのけている、という感じです。もちろん数式を用いて議論をしています。勉強している他の人たちはどう思っているのか、物理の本は、ものによっては用語の定義や定理の成立の条件や結果などの書き方が甘かったりすることが少なくありません。賢い人ならそれでよいのかも知れませんが、少なくともぼくはよく困っています。数学の本の分かりにくさとは違い、読むのにそういう面の想像力、理解力が必要です。この本はこうした点でも優れていると思いました。

高校数学でわかる相対性理論 (ブルーバックス)

高校数学でわかる相対性理論 (ブルーバックス)