いぬおさんのおもしろ数学実験室

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修学旅行、大変だけれど賛成です

 コロナであっちでもこっちでも遠足がなくなったり修学旅行が時期を変えられてしまったり、大変のようです。コロナ以前から何となく「遠足など無用」みたいな空気は感じてはいました。 

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遠足が嫌いな人たちはこれ幸いとばかりに「遠足はコロナで危ない! やめましょう!」なのかも知れません。そして来年は「去年は中止して何の問題もなかった、だから今年も」という計画なのかも知れません。ぼくは遊ぶ、勉強するのけじめさえつけていれば遠足も修学旅行も賛成ですが、そうは思わない人たちがいるんですね。

 特に修学旅行は、恐らく学校関係者(や旅行業者の皆さん)でない限り、企画の大変さを知らないと思います。たった3泊4日でもそこに費やす時間、エネルギーは莫大です。ぼくは係になったことはありますがそのチーフをやったことはありません。緊張すると思います。早い話、行程で1回でも「ここからあそこへ生徒を移動させなければならない」を間違えて別のところにでも引率したら大事故なのです。1人でもどこかに置いてけばそれも事故。飛行機など、場合によっては大事故です。「マニュアル」といって、1日目の朝から4日目の解散まで分刻みで生徒、教員の動きを細かく書いた冊子を作り、みんなそれを持って動きます。何十時間もかけてマニュアルを作り、「ここはこうしないとこちらがまずい」など何十回も会議で検討します。最近のことなのかどうか分かりませんが、アレルギーの生徒も結構いて、食事などにも注意しなければなりません。養護の先生も一緒に、旅行先のホテルや食事の施設とも相談します。生徒にも班を決めさせる、バスの座席を決めさせる、部屋割りさせる、連泊でないなら別の部屋割りも。班行動みたいなのもあるのでこれも計画させます。特に最近は旅行業者の皆さんがその計画表がまともかどうか、チェックしてくれたりします。

 企画する側の大変さはある程度伝わったと思います。もしこういう行事がなくなったら他のことにずいぶん時間もエネルギーも使えます。「授業確保!」、「友だち同士で行けばいい」と言う人もいます。しかしぼくはそれを分かった上で「実施してやればいいでしょう」という気持ちです。一生に1回ですし、これが想い出になるからです。費用もかかりますが、想い出の値段です。

 新しい世代の人たちが考えて決めればいいことです。しかし心配なのはひょっとして「授業確保!授業確保!」と言う人たちはろくに勉強などしたことなどないのではないか、ということです。違うのかも知れませんが、集中して勉強するということを知らず、勉強と遊びのけじめをつけられない人なのではないか、とぼくは睨んでいます。「授業確保!」の人たちも自分は分かっているはずです。自分自身はちゃんと勉強しているのか、自分に恥じないで「授業確保!」と主張できているのか。例えば、心の中では「自分は勉強などろくにしていない。が、生徒には『勉強せよ』と言っているし、『遠足など無駄だ』と言っている」と分かっている人もいると思います。人の心など分かりませんが、でもそういう人たちは自分で恥ずかしくないのかな……。